貧民の食卓

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貧民の食卓』(ひんみんのしょくたく)は、おおつぼマキによる日本漫画作品。『週刊コミックバンチ』(新潮社)にて2001年創刊号から2003年4・5号合併号まで連載された。単行本は全5巻。

概要[編集]

セイシュンの食卓』(たけだみりこ)に端を発する「ズボラ料理」を紹介する漫画の1種であり、1食100円以下の安価で簡素なメニューを紹介しているのが特徴[1]。また、冷蔵庫にある残り物を使った料理で、おなかをすかせた子どもたちを満足させたり、町内の諸問題を解決し、作中で作った料理のレシピを紹介するという点では『クッキングパパ』(うえやまとち)との類似点も指摘される[2]

おおつぼマキの代表作に挙げられる作品である[3][4]

あらすじ[編集]

母を亡くした赤柿家で父の留吉と娘の千夏(中学生)、息子のハジメ(小学生)の3人による日々のくらしと食事を描くドバタバコメディ[1]

留吉はギャンブル好きでぐうたら者で働かないが、悪知恵に長け、料理の腕は良い。そんな留吉が毎回、激安で美味な料理を繰り出す[1]

料理の例[編集]

以下に本作で紹介されたレシピの例を挙げる[5]

おかずにヘンシン風ライス春巻き
冷蔵庫にあった冷ご飯を春巻きの皮で巻いて揚げる。1人前53円。
胴の短いウナギ丼
イワシを使って鰻丼を再現。1人前95円。
おめめパッチリじゃこめしセンベイ、あたまシャッキリ梅レタススープ
受験生向けに歯応えのある夜食。センベイが1人前12円。スープが1人前13円。
赤柿屋の100円牛丼
牛丼屋で購入した1杯の牛丼にタマネギを加えて増量し、4等分する。1人前89円。
ステキなステキなステーキこんにゃく
各種スパイシー素材で炒めたコンニャクによるステーキ。1人前84円。

出典[編集]

  1. ^ a b c 南信長『マンガの食卓』NTT出版、2013年、262頁。ISBN 9784757143166 
  2. ^ 無職だけど、料理は絶品!! “クズッキングパパ”の貧乏グルメ 『貧民の食卓』”. 日刊サイゾー. p. 1 (2016年7月13日). 2023年1月9日閲覧。
  3. ^ “【追悼】2022年アニメ・漫画・特撮関連の訃報”. (2022年12月31日). https://animageplus.jp/articles/detail/48809/2/1/1 2023年1月9日閲覧。 
  4. ^ “漫画家・おおつぼマキさん死去 『思い出食堂』編集部が報告”. (2022年5月25日). https://www.oricon.co.jp/news/2236138/full/ 2023年1月9日閲覧。 
  5. ^ 無職だけど、料理は絶品!! “クズッキングパパ”の貧乏グルメ 『貧民の食卓』”. 日刊サイゾー. p. 2 (2016年7月13日). 2023年1月9日閲覧。