西王燦

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西王 燦(にしおう さん、1950年12月29日 - 2023年3月18日[1])は、歌人。短歌結社誌『短歌人』の元編集委員。

妻の武下奈々子も歌人で、1983年短歌研究新人賞を受賞している。また、実娘は枡野浩一「かんたん短歌の作り方」の常連投稿者であった。

(この、実娘が「かんたん短歌の作り方」の常連投稿者であったということには、西王燦も武下奈々子も疑義を唱えている。)

経歴[編集]

福井県南条郡生まれ。立命館大学文学部日本文学科卒業。

  • 1966年非定型詩二編が高校生の文芸アンソロジー『海つばめの唄』に収録される。同書には重信房子の短編小説も収録されていた。
  • 1968年 『立命短歌』に参加。『立命短歌』最後の三冊の編集に加わる。

「幻想派」「立命短歌」などによる塚本邦雄歌集『感幻樂』合同批評会のテープ起しをする。 この頃、深作光貞と知り合う。

 藤原龍一郎(月彦)や小池光の「十弦」の影響で、短歌結社誌「短歌人」に入会する。

  • 1981年 短歌人賞受賞。
  • 1982年 『バードランドの子守歌』で第28回角川短歌賞次席。第一歌集『バードランドの子守歌』(沖積舎)を出版する。この頃、藤原龍一郎や故・仙波龍英とライバル関係にあった。
  • 1999年 頃から、メーリングリスト「tk」、「ラエティティア」などで連句の興行を行い、歌人たちの連句ブームの一端を担う。山科真白などとも大量の連句作品を残す。
  • 2007年 短歌人会編集委員辞任。
  • ほぼすべての短歌作品を、本人のウェブページに公開し、コピーライトを放棄している。それらの作品を引用したり、改変したり、使用したりすることは読者に委ねるという宣言をしている。
  • 2021年 自らのリンパ腫をフェイスブックなどで公表している。歌壇的な交流も少なく、孤高の歌人の印象であるが、残された作品に見るべきものは少なくない。

作品[編集]

歌集

  • 『バードランドの子守歌』
    • この歌集に収録されている短歌がすべて27文字で統一されている、という意味で少数の人の記憶に残る幻の歌集。「回文」の歌もある。後藤直二はこの歌集を、「革命志向の鎮魂歌」と評した。いわゆる全共闘世代と前衛短歌との残滓のような歌集である。

脚注[編集]

  1. ^ 訃報/西王 燦さん”. 短歌人告知板. 2023年3月25日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

公式サイト

「現代歌人ファイルその99・西王燦」 - トナカイ語研究日誌 西王 燦