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2021年1月17日 (日) 07:11時点における版

この島には淫らで邪悪なモノが棲む
ジャンル 青年漫画サスペンスSFエロス
漫画
作者 原つもい
出版社 KADOKAWA アスキー・メディアワークス
掲載誌 月刊コミック電撃大王
レーベル 電撃コミックスNEXT
発表号 2014年6月号 - 2018年5月号
巻数 全9巻
話数 全47話+エピローグ
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

この島には淫らで邪悪なモノが棲む』(このしまにはみだらでじゃあくなモノがすむ)は原つもいによる日本漫画。『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)にて、2014年6月号から2018年5月号まで連載された。

あらすじ

主人公・梶浦太郎が東南大学所属の民俗学サークルは深田教授の調査と観光を兼ね、観音姫様伝説のある孤島・伊喜島へと訪れる。だが、そこではよそ者は踏み入れてはいけない禁忌があり、梶浦太郎のグループは村人の狂気にさらされることになる。

登場人物

梶浦太郎
主人公。東南大学の民俗学を専門する大学生。ハルに気がある。最初は村人を恐れていたが、反撃したりハルを拘束するなど嗜虐的になっていく。一郎太と容姿が似ており、姫長に好かれている。実は一郎太の転生した存在であり、記憶が戻る。一人称は俺。45話では唐突に一人称が僕になり、一郎太の人格が現れる。かつて一郎太として犯した過ちの罰を受けるように男衆に暴行される蒔絵をただ見守るしかなかった。これにより過去の過ちに後悔するが、ハルに助けられて呪いの樹に格納された蒔絵に謝りに行くことを兼ねて宇宙船でマハの母星に向かう。9巻エピローグでは宇宙船内でハル=マハと数百年ぶりに愛し合い、物語は終わった。
一郎太
梶浦の前世。6話登場で名前は11話で判明。一見、知的好奇心が強い温厚そうな青年だが、邪魔者を殺すなど残忍で冷酷な一面がある。五百年前に村を滅ぼしかけ、また不死性を村人に与えた張本人。マハを愛しており、マハを殺害した人間について激しい憎悪を向ける。マハのUFOを蒔絵と共に見つけて、マハと交流、恋仲になりながら優れた宇宙人の知識を独学で身に付けていった。一人称は「僕」だが連載時では「俺」で単行本では「僕」に修正された。
コピー一郎太
20話登場。一郎太が呪いの樹のオペレーションシステムとして利用するために自身の記憶と人格をコピーした存在で自我を持つ。自身の役目に嫌気が差しており人間になろうとしている。35話で海から死体の動かし方を聞き、今も同じことができるのかと興味を持つが40話で呪いの樹に戻ってしまい、42話でマハに男衆が自分の使っていた身体を壊そうとしている=梶浦を殺そうとしていることを話しただけで最終話を迎えた。その後の消息は不明。
夜戸ハル
東南大学民俗学部の美人先輩で伊喜島出身の女衆。5話では夜戸春と漢字表記。カルマ落ちで数百年間の生きた記憶がない。太郎を騙して女衆に引き渡したため、梶浦太郎の信頼を失う。それから梶浦に首を絞められかける。実はマハと身体を入れ替えていて、10年間、マハに身体を貸して大学院生として本土に向かわせ、運命にも近い形で偶然にも一郎太の生まれ変わりである梶浦との再会を果たさせる。本物の夜戸ハルは兄の夜戸竹蔵と親友のモノに恋愛感情を持たせるほど好かれ、カルマ落ちになり竹蔵やモノとの思い出などの過去の記憶をすべて失ったことで、過去の時代に縛られて伊喜島で生きることに絶望して死に場所を求めて常世の村の宇宙船に迷い込み、そこで生命維持装置に繋がれて生き続けるマハと出会う。マハと入れ替わった後は観音姫として死亡。18話で登場した死体は身体はマハだが、ハルの死体でもあることが最終話で判明する。マハの推察では未来を信じる何かを持っていなかったため、入れ替わったマハの身体に繋がれている生命維持装置のチューブを自ら外して命を絶ったものとされる。
マハ・リンベンデリウス(9巻ではマハ・キリシガル・イェールライト)
ハルの身体を借りた宇宙人であり超常的な能力の持ち主の真の観音姫。白髪に巨乳の美女で恋仲である一郎太と共に6話登場。フルネームは35話で登場。母星では一等研究員で実はサイボーグの身体で結城氏の兵士の矢が当たって心臓部の機械が損傷してしまい、この事態に取り乱した一郎太の行動が結果的に自身の破滅と伊喜島と世界の危機を招いてしまう。自動修復システムで回復するが心臓部は母星に行かなければ直らず、生命維持装置の椅子に繋がれたまま数百年の孤独を過ごすが、死に場所を探して常世の村に迷い込んだハルと出会う。その後はハルと身体を入れ替えて梶浦となった一郎太と再会し、伊喜島に連れて行き、最後は宇宙船で母星に向かう。9巻エピローグではハルの身体で一郎太の記憶と人格になった梶浦と数百年ぶりに愛し合うところで物語は終わった。
恋仲である一郎太とは熱いディープキスを交わすほどで、9巻エピローグではキスで勃起した梶浦の股間を優しくさすりながら、自身に興奮した事を嬉しく思うほどの度量を見せた。
蒔絵
自身を鎖で拘束している偽の観音姫の白髪の少女で2話登場。本名は21話登場。媛長と称され、常世の村の連絡を行うことができる存在で、神通を使って女衆の魂の乗り換えができる。伊喜島を牛耳っている立場にあるが島民の人望は薄く、女衆からも呪いの樹のアクセス権があるため女衆の長と重宝されているに過ぎない。梶浦を良人にしようとするが45話で美加が覚醒したことで男衆に射殺される。媛長、姫長とも表記され、一人称は我、わらわ、わし、私など安定しない。
美加
蒔絵の「今の身体」の本当の持ち主で伊喜島に強い怒りと憎しみを持つ。転生に失敗した蒔絵が鎖で拘束する理由であり、蒔絵が寝ている時や弱っている時に覚醒して自死する可能性があるため、常に身体を拘束している。存在自体は10話でキユが示唆しており、44話で覚醒、殺意を剥き出しにして竹蔵に怪力で襲い掛かり、首に噛み付いて食いちぎるなどして重傷を負わせるが、45話で男衆によって蒔絵ごと射殺される。この行動が結果的にハル(マハ)に梶浦を助けるきっかけとなった。
村長竹蔵
男衆のリーダー兼村長。1話登場。深田教授に祭りの見学を頼まれるが「祭りの時に絶対によそ者がいてはならない」と警告する。一郎太を恐れており、一郎太の記憶が戻った梶浦太郎を殺害しようと画策する。その正体は一郎太に作られた存在で蒔絵の父を肉体としたコピー。男衆が眠る中、ひとり飛び立つ宇宙船を目撃して「今度は何を失ったのか」と涙する。
夜戸竹蔵
ハルの兄。1話登場。コピー一郎太曰く大切な宝物を大切だから傷付けるという情緒不安定な危ない性格で昔から妹のハルの首を絞めるなどしていたがハルに対する愛情は本物。14話でハルをレイプして再び体を入れ替えて記憶を思い出させるために絞殺しようとするが梶浦に木材で撲殺されてしまう。 その後は15話で梶浦に死体を汚らわしいゴミ同然に蹴飛ばされ、16話で梶浦とハルに死体を埋められる。この時、ハルの体を借りていたマハは夜戸竹蔵に謝罪して花を手向けた。カルマ落ちのハルが自殺したことは最後まで知らなかった。大王連載時のあらすじでは本物の夜戸ハルの恋人とされていた。
夜戸海
女衆のリーダー。1話登場。ハルと夜戸竹蔵とは戸籍だけの妹。女衆の冷静なまとめ役だったが梶浦に惹かれて、体を重ねた女性。梶浦を守ろうと男衆と対決する。その後、40話で侵入してきた男達が梶浦を囚われ、助けようとして撃たれて死亡する。大王連載時の38話では体を重ねた後、裸に布1枚の姿でコピー一郎太と共に迎賓館の外に並べられた全裸の女衆の盾に見て驚く描写(38話の26ページ目と30ページ目)があったが、単行本8巻ではコピー一郎太だけが全裸の女集の盾を見ている描写に修正された。 
六条キユ
胸に手術痕がある女衆。8話登場。蒔絵の近しい親戚。
身体は処女で胸の傷は今の身体の幼少期に病気で手術した痕で、汚らわしいとして他人に見られることも嫌う。体の入れ換えには3回の制御に成功している。祭司候補である梶浦に自身の魂魄をスペアボディに入れ換えてくれるのなら身体を好きにしていいという条件の下、梶浦の初体験の相手となる。9、10話では関係を持った梶浦をうつしの村の中心である迎賓館に案内して伊喜島の裏産業であるスペアボディを使った売春の存在を教えた。36話で男衆によって無防備な裸にされたあげく、38話で全裸の女衆の盾にされてしまう。39話では位置的に海に撃たれた描写があるが、41話と44話で再登場。裸のまま状況に流され梶浦を助けることができなくなってしまう。
モノ
梶浦に島を出て行くよう言った女衆。7話登場。カルマ落ちする前のハルの親友だが自己中心的なところがあり、ハルを「私のハル」と言うなど実は恋愛感情がある。「どうでもいい」が口癖だがマハの話でハルが最終的に自殺したことを知り、カルマ落ちとなり数百年間の生きた記憶を無くし自殺を選んだハルにとって自身もまた「どうでもいい存在」でしかなかったことに気づく。当初は定期船で助けた梶浦とハルと坂本を脱出させる予定だったが、この3人は宇宙船で脱出した。伊喜島を歪な島と評するがモノも歪な島の人間であり、気安くどうでもいいという言葉を使い続けた代償を払うように知ったハルの自殺の真相については思い出を含めたすべての記憶がどうでもよく、それらを消したかったからではないかと推察した。
夜戸母
1話登場。ハル、夜戸竹蔵、海の戸籍だけの母。
小百合
マゾヒストの性格がある女衆。12話登場で名前は31話から。この性格が災いして39話で海に肩を撃たれ、頭を撃つようせがむが女衆サブリーダーの親友が代わりに撃たれ、楽に死ねない苦しみに絶望する。40話以降は登場しない。
深田教授
1話登場。東南大学民俗学の教授。かぐや姫羽衣伝説八百比丘尼などの不思議な力を持った美女が遠方から現れて去っていくタイプの昔話を研究している。梶浦とハルの話を盗み聞きして観音姫伝説のある伊喜島に調査を兼ねた観光旅行する。菅野の次に男衆によって惨殺されてしまう。
菅野保純
1話登場。東南大学民俗学部所属の大学生。男衆によって射殺されてしまう。最終話では回想に登場。
坂本彩矢
1話登場。東南大学民俗学部所属の女子大学生。女であるため女衆のスペアボディとしてさらわれ、牢屋を兼ねた小屋に布1枚の裸にされて監禁されてしまう。その後、牢屋にハルも監禁されたためモノにハルと共に助けられる。当初は定期船で脱出するつもりでいたがモノが当てにならなくなり、最終話で宇宙船に乗って本土に降ろしてもらう。ツイッターでは監禁されたときの2コマ漫画があるが、それによるとトイレに困っていた模様。またツイッターによると名前が坂本美冬となっている。
梶浦の父
2話登場。再婚と離婚を繰り返す。4番目の母を最後に梶浦の育ての親となり一緒に暮らした。何が原因で離婚と再婚を繰り返すか理解できない梶浦にとって恐怖の対象でもあった。梶浦が実家から遠く離れた東南大学の進学の話をしたときは「そうか、わかった」の一言で承諾した。
梶浦の母
2話登場。梶浦の生みの母。3歳のときに離婚。
梶浦の2番目の母
2話登場。1年後の梶浦が4歳のときに父と再婚した10歳年下の女。3年で離婚。
梶浦の3番目の母
2話登場。梶浦が9歳の時に父と再々婚した15歳年下の女。1年で離婚。
梶浦の4番目の母
2話登場。梶浦が10歳の時に父と再々々婚した9歳下の女。半年で離婚。
蒔絵の父
24話登場。大仁田氏の政略結婚に同意するつもりでいた。明言はないが死体をコピー竹蔵の肉体に使われる。
一郎太の両親
22話登場。流行り病で死去。
大仁田氏
伊喜島を庇護する戦国大名。名前は10話からで実は伊喜島の収益を生命線に考えなければならないほど弱体化していて、村長の娘である蒔絵と重臣の政略結婚を進めていたが一郎太によって当主有村が三百人の足軽ごと惨殺されてしまい乗っ取られてしまう。その後は結城氏に滅ぼされたことになっている。
大仁田有村
大仁田氏当主。24話で後姿、名前は35話登場。500年前に重臣笠根有朝と蒔絵との婚姻話が進まないことに怒り、伊喜島に兵を出して村を滅ぼそうとしたが全員一郎太に惨殺されてしまい、死体は人造の記憶を入れられて操り人形として一郎太に操られた。
笠根有朝
大仁田氏重臣。24話と35話で名前のみ登場。デブで蒔絵をいやらしく見る奴として蒔絵から嫌われている。蒔絵との政略結婚の相手となるが、一郎太によって破綻。
結城氏
35話登場の大名。描写こそないが海によれば大仁田氏の三百人の足軽(ゾンビ)を倒しているため、歴史の表向きでは大仁田氏を滅ぼした大名とされている。42、43、44話では伊喜島に千人が侵入し、兵士の矢の一本がマハに当たりサイボーグの身体を傷つけたことで一郎太を動揺、この時の一郎太の行動が蒔絵と島民達に永きに亘る苦しみを与えてしまう。先遣隊は全滅させられ死体を利用した攻撃を受け、仲間の死体を祈りながら焼かせるなど一郎太を妖術師と恐れた。最終的に全員、島民に皆殺しにされた。

作中用語

伊喜島
観音姫伝説がある島民60人の超過疎地。美人が多いがその本質は一郎太が作り上げた快楽と欲望の監獄島。
観音姫伝説
伊喜島の天女伝説。かぐや姫八百比丘尼羽衣伝説など深田教授が研究する不思議な力を持った美女が遠方から現れて去っていくタイプの伝説。11話の昔話によれば、「ある小さな美しい島(伊喜島)に優しい村長(蒔絵の父)と村長の娘(蒔絵)と娘の許婚の一郎太が住んでいたが、突然胸騒ぎがした一郎太が森の奥で見たことのない不思議な舟(宇宙船)と怪我をした美しい天女(マハ)を見つけて天女を献身的に看病。天女の美しさは島の内と外でも評判になり、それを聞いた本土のお殿様(死体の大仁田有村)が連れてくるよう命じ、それに従った天女は一郎太達と別れてお殿様の下へ行き、不思議な力でお殿様を助け、いつしか観音姫と呼ばれながら末永く幸せに暮らした」とされているが、その本質は一郎太の大量虐殺の偽装工作。
男衆
伊喜島の村の男達で30人。500年前に大仁田氏と村人の戦いに傷つき死にかけ、治すことを選んだために男達は常に定期的な若返りと再生を繰り返して不死性を保っているが死んだら生き返ることができない。女衆の新しい体の父親の役割も兼ねる。最終話で宇宙船が宇宙に飛んで行ってしまったため、彼らには残された人生を生きるか、自然転生で新しい人生を生きる選択肢を与えられた。
女衆
伊喜島の村の女達で30人。美人ばかりで年齢は様々。500年前に大仁田氏と村人の戦いで陵辱された女性達が現在の汚された肉体を捨てることを望んだため、女達は神通を使って古い体から新しい体に転生して不死性を保っている。またスペアボディの女達を迎賓館にいくつか監禁して用意しており、その女達を使った売春で伊喜島の経済を守っている他、祭りの日には男達と交わる儀式がある。男衆を『新しい身体』の父親とし、全員血縁上では祖母、母、娘、孫と親戚関係になる。このため血の濁りという近親相姦の問題を抱え、島民の適性がある男を招き入れなければならないと考えている。
かつては蒔絵の他にも神通持ちがいた。また一郎太によって遺伝子操作、改造手術を受けているのか神通持ちの身体と女しか産めない身体となっている。ちなみに36話まで肌をさらしたのはハル、海(4話の梶浦の妄想としてだが38話で現実になる)、キユ、蒔絵のみだったが同話で吾作の命令で服を含めた身に着けている物すべてを没収され、美しい裸体を男衆の前で晒すことになった。さらに38話では竹蔵の作戦で迎賓館の前で手を縛られ、全裸の女衆の肉の壁と盾にされた。
カルマ落ち
転生の失敗で記憶がない状態の女衆で奴隷のように身分が低い。作中では夜戸ハルがこれに相当する。かつては他の女衆もこれになった模様。本物の夜戸ハルはこの状態に陥り、過去の時代に縛られて生きることに絶望して死に場所を求めて常世の村へ向かうことになる。
伊喜島定期船
定期的に本土と行き来する定期便。作中では32話の梶浦の回想に手すりだけが出てきたのみで最後まで登場することはなかった。
乙女ヶ浜
1話で梶浦達が島に再上陸した砂浜。物語の冒頭はここから始まる。32話で岩のスイッチで開ける常世の村に通じる隠し扉と隠し通路がある。
宇宙船
常世の村の中心で伊喜島の奥にある巨大UFO。いつから島に降り立ったのかは不明。島民からは鳥之石楠船神と呼ばれ、機械の触手でサンプル分析と伸縮する口からエネルギー弾を発射するバズーカ砲を兼ねたタコ型メカも搭載されている。またマハの定期的な魂魄保管システムのアクセスがなければ、現地住民への技術流出を防ぐために作動する自爆システムも搭載している。最終話で梶浦とマハを乗せて母星へと向かう。
常世の村
あの世の村という意味で500年前、伊喜島に降り立ったマハの乗ってきた宇宙船の周辺の地下施設。宇宙船まで入って男衆の若返りを定期的なメンテナンスとして行う場でもある。乙女ヶ浜には隠し通路がある。またマハが操作することで小型カメラによる監視システムも存在する。
うつしの村
この世の村という意味で島外の者をもてなす表向きの村。男衆が常世の村に言ってるときは女衆はここにいなくてはならない。女衆の身体の交換を行うイヌマもある。
迎賓館
うつしの村の中心。伊喜島最大の裏産業の売春を行う場で砂浜と崖の近くにあり外観は洋館で女衆のスペアボディが監禁されている。全裸の女衆を肉の盾に38、39、40話の海と男衆の銃撃戦の舞台となり、近くの砂浜では梶浦の処刑も行われかけた。計10人が犠牲になり、8人が死亡、うち2人が重傷を負った。この事態を生んだ蒔絵本人も自業自得な最後を迎え、最大の元凶である一郎太こと梶浦、コピー一郎太は自分の手を一切汚していない。
ヒモロギの実
伊喜島の特産の神籬の名を持つ実でマハの星の技術で作られた人造植物。新鮮なまま食べると島民としての適性、強すぎれば神通が開花する。また食べた者の先祖が伊喜島から逃げた島民だったか、食べた本人の魂が伊喜島を『抜けた』人物であることを確認できる。菅野によればアボカドに似ていて食通ぶった梶浦は島民に進められた七味マヨネーズをかけ何度か美味いと食べていた。梶浦曰くアボカドより美味く、木の実よりも動物性のタンパク質的なねっとりした旨みがある模様。これを食べた梶浦を島民は不気味に確認していた。
一郎太のゾンビ
一郎太が操り人形として操る死体。35話の回想で一郎太に惨殺された三百人の足軽と大仁田村有村の死体を利用したもので人造の記憶を入れることで操作する他、村長竹蔵のようにコピー人格の自我を持つ個体もいる。43話の結城氏の全滅した先遣隊もこれに改造された。死体であるため、完全に倒すには燃やさなければならないほどの不死性を持ち、海曰く常世(マハの星)の知識で一郎太が作った不死身の軍隊。ただし35話の海の説明、43話の回想で仲間に祈りながら燃やされる結城氏達の死体として出てくるだけで35話でもコピー一郎太が興味を持っていたが、40話でコピー一郎太が呪いの樹に戻ったことで作中では一切描写されず、活躍の場がないまま終わった。
神通
神通力で転生に必要な超能力。作中では2話、4話、5話、6話で描写されただけであまり役に立ってない設定。明言はないが、おそらくマハの星の技術を使って一郎太が自身と女衆の身体を改造して得た力。肉体に遺伝するものでかつてはこれが使えた女衆がたくさんいたが、今は蒔絵一人のみとなっている。また35話での一郎太の虐殺を考えるに数百人の人間をバラバラにするほどの凄まじい殺傷能力も持っている。神通の開花にはヒモロギの実の高い適性が必要となるため、一郎太の生まれ変わりである梶浦は異常な早さで開花した。
呪いの樹
マハの星の人間が開発した別次元に存在する生体器械で女衆の魂魄と記憶をデータ化して保管、神通で別の身体に交換するための魂魄保管システム。一郎太を管理人としてこれまでマハ、蒔絵、ハル、海、キユ、女衆サブリーダー、小百合などの女衆31人の魂魄を格納してきた。外見は宇宙空間に似た空間に存在する根本が丸くまとわり、光の実が生った樹木。神通の開いた者のみアクセスできる。
人間
この作品の世界における人間=知的生命体は異なる次元の生命体でその魂は人間の中にいるわけではなく、人間の脳を媒介に寄生、転生を繰り返してこの世界=現世の無限の時間をゆっくりと食べながら未来へと移動している生命体。このとんでもない生物学はマハの母星のもの。この生物学を基礎に呪いの樹は開発された。
転生
神通と呪いの樹を使わない自然転生でいわゆる前世と来世での生まれ変わり。
宇宙人
作中で登場するのはマハのみ。地球を凌駕する高度な科学技術を持ち、魂魄の存在と常世と言う異次元を発見、転生の仕組みを研究して呪いの樹を開発した。肉体の再生や魂魄の入れ替えなどによる生命の延命で永遠の時間を生きる。マハによれば永遠を生きたことでそれぞれ身の丈の合ったところで充足してしまった模様。

書誌情報

脚注

  1. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(1)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  2. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(2)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  3. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(3)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  4. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(4)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  5. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(5)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  6. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(6)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  7. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(7)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  8. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(8)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年3月6日閲覧。
  9. ^ この島には淫らで邪悪なモノが棲む(9)”. 電撃コミックスNEXT. 2018年7月26日閲覧。