「パーセント」の版間の差分

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== 用例 ==
== 用例 ==
例えば、ある会社のその年の売上高が、前年の100億円から120億円に増加したとき、「売上高が前年から20%増加」などと表記する。パーセントは100を越えることもあり、「今年の売上高は前年比120%」と表記しても良い。
例えば、ある会社のその年の売上高が、前年の100億円から120億円に増加したとき、「売上高が前年から20 %増加」などと表記する。パーセントは100を越えることもあり、「今年の売上高は前年比120 %」と表記しても良い。


しかし、「支持率が50%から10%増加して60%になった」などという表現は誤用である。50%から10%の増加であれば、
しかし、「支持率が50 %から10 %増加して60 %になった」などという表現は誤用である。50 %から10 %の増加であれば、
0.50 + (0.50×0.10) = 0.55 = 55%だからである。正しくは「支持率が50%から10パーセントポイント増加して60%になった」と表記する。なお、「パーセントポイント」は単に「ポイント」と言われることも多く、日本では「パーセントポイント」と言われることは稀である。
0.50 + (0.50×0.10) = 0.55 = 55 %だからである。正しくは「支持率が50 %から10パーセントポイント増加して60 %になった」と表記する。なお、「パーセントポイント」は単に「ポイント」と言われることも多く、日本では「パーセントポイント」と言われることは稀である。


なお、パーセントポイントの100分の1は[[ベーシスポイント]](bp)と呼ばれ、金融分野で金利スプレッドや利上げ・利下げ幅などの表示にしばしば用いられる(例えば金利が0.1%から0.15%に上がった場合は「5bpの利上げ」のように表現する)。
なお、パーセントポイントの100分の1は[[ベーシスポイント]](bp)と呼ばれ、金融分野で金利スプレッドや利上げ・利下げ幅などの表示にしばしば用いられる(例えば金利が0.1 %から0.15 %に上がった場合は「5 [[ベーシスポイント|bp]]の利上げ」のように表現する)。


[[道路]]の傾き([[線形 (路線)#勾配|勾配]])を示す場合にも用いる。水平方向に100m進むと5m上がる(又は下がる)坂道の勾配は5%である。ちなみに、道路ではパーセント(百分率)を用いる([[日本の道路標識#警戒標識]]の「上り急勾配あり (212の3)」など)のに対して、鉄道では[[パーミル]](千分率、‰)が用いられる(5%の代わりに50‰を用いる)。
[[道路]]の傾き([[線形 (路線)#勾配|勾配]])を示す場合にも用いる。水平方向に100 [[メートル|m]]進むと5 m上がる(又は下がる)坂道の勾配は5 %である。ちなみに、道路ではパーセント(百分率)を用いる([[日本の道路標識#警戒標識]]の「上り急勾配あり (212の3)」など)のに対して、鉄道では[[パーミル]](千分率、‰)が用いられる(5 %の代わりに50 [[パーミル|‰]]を用いる)。


== 計算式 ==
== 計算式 ==

2020年8月29日 (土) 08:53時点における版

主要な無次元量単位
1単位 指数
1 % 0.01 10−2
1 0.001 10−3
1 0.0001 10−4
1 ppm 0.000001 10−6
1 ppb 0.000000001 10−9
1 ppt 0.000000000001 10−12
1 ppq 0.000000000000001 10−15
「%」:百分率

パーセント: percent, percentage, %)、百分率(ひゃくぶんりつ)は、割合を示す単位で、全体をとして示すものである。

割合を示す単位には、他に全体をとするパーミル(千分率、‰)や、万とするパーミリアドベーシスポイント、万分率、‱)などがある。

語源

"ラテン語: per centum"が語源であり、perは「毎に」、centumは「百」を意味する。また、パーセント記号そのものは"イタリア語: per cento"を縮めて書いたものがもとになっている。ドイツ語ではProzentといい、このため古い文献ではプロセントと表記されている。

用例

例えば、ある会社のその年の売上高が、前年の100億円から120億円に増加したとき、「売上高が前年から20 %増加」などと表記する。パーセントは100を越えることもあり、「今年の売上高は前年比120 %」と表記しても良い。

しかし、「支持率が50 %から10 %増加して60 %になった」などという表現は誤用である。50 %から10 %の増加であれば、 0.50 + (0.50×0.10) = 0.55 = 55 %だからである。正しくは「支持率が50 %から10パーセントポイント増加して60 %になった」と表記する。なお、「パーセントポイント」は単に「ポイント」と言われることも多く、日本では「パーセントポイント」と言われることは稀である。

なお、パーセントポイントの100分の1はベーシスポイント(bp)と呼ばれ、金融分野で金利スプレッドや利上げ・利下げ幅などの表示にしばしば用いられる(例えば金利が0.1 %から0.15 %に上がった場合は「5 bpの利上げ」のように表現する)。

道路の傾き(勾配)を示す場合にも用いる。水平方向に100 m進むと5 m上がる(又は下がる)坂道の勾配は5 %である。ちなみに、道路ではパーセント(百分率)を用いる(日本の道路標識#警戒標識の「上り急勾配あり (212の3)」など)のに対して、鉄道ではパーミル(千分率、‰)が用いられる(5 %の代わりに50 を用いる)。

計算式

パーセント表記をするときの値は、次のとおりに計算する。

(対象となる数値 ÷ 基準となる数値)× 100

英語表記

イギリスでは、イギリス英語: "per cent"と2語で書かれることが多い(しかし、"percentage" や "percentile" は1語である)。一方アメリカ合衆国ではアメリカ英語: "percent"と1語で書かれる。またEU諸国では一般的にイギリス英語の方が好まれる傾向にあるが、英語で書くときには "percent" と1語で表記される。なお、20世紀の初め頃までは、2語で書く場合は"per cent."のように最後にピリオドを付けていた。この表記法は今でも契約書の中などに見られることがある。

スペース

数値とパーセント記号との間にスペースを入れる流儀と入れない流儀がある("100 %" か "100%" か)。Chicago Manual of Styleシカゴ大学出版局)ではスペースなしを奨励している。一方、国際単位系ISOの規格では、角度の度分秒の記号(° ' " )以外の全ての単位記号(℃、%を含めて)の前にスペースを入れると定めている[1]。したがって科学論文でも本来はスペースを入れるのが正式であるが、実情では国際誌においてもスペースを入れない表記が多くみられる。詳細は、パーセント記号#スペースを参照。

出典

  1. ^ 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際文書 国際単位系 (SI)』(第 8 版日本語版)、2006年、47頁http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf 

関連項目

単位

  • パーミル(‰、千分率)
  • ベーシスポイント(‱、万分率)
  • ppm(パーツ・パー・ミリオン、百万分率)
  • ppb(パーツ・パー・ビリオン、十億分率)
  • ppt(パーツ・パー・トリリオン、一兆分率)
  • ppq(パーツ・パー・クアッドリリオン、千兆分率)
  • パーセンテージポイント(パーセントで表された2つの値の差)