郡山飲食店ガス爆発事故

郡山飲食店ガス爆発事故
場所	日本・福島県郡山市島2丁目44番30号
座標	北緯37度23分53秒 東経140度20分50秒
日付	2020年（令和2年）7月30日
死亡者	1名
負傷者	19名

郡山飲食店ガス爆発事故（こおりやまいんしょくてんがすばくはつじこ）は、2020年（令和2年）7月30日に福島県郡山市島2丁目で発生したガス爆発事故。

概要

7月30日の午前9時頃、しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店（郡山駅から、さくら通り及び新さくら通りを西に約4km進んだ市街地内）において、爆発が発生した。当該店舗は鉄骨部分の骨組みを残して大破し、周辺の銀行、高校等の窓ガラスや壁面を損傷するなど、広範囲（半径570m）に被害が及んだ。爆発音は現場から東へ約4km離れた郡山駅付近でも確認され、民放テレビ各局が設置した情報カメラも爆発音を捉えた。

事故発生当時、当該店舗は新型コロナウイルス感染症の影響で4月22日をもって休業しており、8月3日に予定されていた営業再開を前に改装中であった。プロパンガス6本のうち3本の栓が開いた状態になっていたことや、爆発前日の7月29日には（故障が頻発していた従来型ガステーブルをIH調理器へ入れ替えるための）コンセント増設工事を急きょ行っていたことが明らかになっており、店内にガスが充満したのち、現場責任者の男性が入室したとほぼ同じ時刻に爆発したため、電気をつけた瞬間に引火した可能性が考えられている。

影響

改装工事の現場責任者で仙台市の設計施工会社に勤務する男性1名が、肺挫傷により死亡。7月30日現在、19名が負傷（うち、2名が重症）している。

当該店舗と道路を挟んで向かい側にある東邦銀行新さくら通り支店では、営業開始数分前に被災し、行員3名とATM利用者1名が爆発に巻き込まれ負傷したほか、窓ガラスが破損する被害を受けた。東邦銀行がこの支店を休業としたほか、福島銀行開成支店も事故当日の営業を取りやめた。その他、現場周辺にある多くの店舗・事務所は猛烈な爆風により天井・エアコン・照明器具が落下したりガラスが割れるなどの被害を受けた。このため営業再開時期が見通せない状態となったり、大量のガラス片や瓦礫を浴びた商品を廃棄処分せざるを得なくなった店舗も続出している。

爆発現場からおよそ100m離れた位置にある郡山女子大学附属高等学校では学内テスト（期末試験）を実施中であったが、爆発時に窓ガラスが割れるなどの被害を受け、負傷者の発生はなかったものの生徒の中には過呼吸となったり、その場で泣き出してしまったりした者が少なくとも10人確認され、これを受けて同校ではテストを続行することは難しいと判断し、保護者との連絡が取れ帰宅路の安全が確保された順に生徒を下校させる措置を執った。

現場周辺の400戸が停電した。現場付近でガス漏出が確認されたため、夕方まで停電となった。

周辺道路は約1km区間が通行止めとなり、福島交通の路線バスが迂回して運行している。

なお、現場近隣に於いては爆発時の衝撃（猛烈な爆風）により（ガラス割れ・サッシ外れ・ドア歪み・外壁や屋根が損傷するなどの被害を受けて）家屋が大破し、自宅に居住不能となった住民が存在するため、郡山市では避難所の開設や市営住宅への移住等の対応を行っている。

関連項目

• 静岡駅前地下街爆発事故 - メタンガスと都市ガスの充満による爆発事故