「中央政府」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
イギリス帝国イギリス連邦の混同の修正。“独自研究が懸念される記述”、“帰属化されていない所感”と“非事典的表現”の記述を含んでいた中立的な観点に適合していない文章の削除。
1行目: 1行目:
{{出典の明記|date=2020年3月}}
{{Tone|date=2020年3月}}
'''中央政府'''(ちゅうおうせいふ、{{Lang-en-short|central government}})とは、[[国家]]を階層別に分けたとき、国家の全体に対応する[[行政機関|行政府]](政府)である。主に国全体を範囲として行政を行う<!--制定するのは立法府-->。
'''中央政府'''(ちゅうおうせいふ、{{Lang-en-short|central government}})とは、[[国家]]を階層別に分けたとき、国家の全体に対応する[[行政機関|行政府]](政府)である。主に国全体を範囲として行政を行う<!--制定するのは立法府-->。


6行目: 8行目:
例えば[[アメリカ合衆国]]の中央政府は[[アメリカ合衆国連邦政府]]であり[[フランス]]の中央政府はフランス共和国政府(Gouvernement de la République française)であり、[[イギリス]](the United Kingdom 連合王国)の中央政府は連合王国政府(Government of the United Kingdom<ref group="注">直訳すると「連合王国政府」</ref>)である。 また例えば[[中国]]の中央政府は中央人民政府である<ref>[[人民共和国]]などでは「政府」の前に「人民」という用語をつけ、「中央人民政府」という用語が使用される。中央である、国家全体の政府である、という点ではほぼ同様である。</ref>。
例えば[[アメリカ合衆国]]の中央政府は[[アメリカ合衆国連邦政府]]であり[[フランス]]の中央政府はフランス共和国政府(Gouvernement de la République française)であり、[[イギリス]](the United Kingdom 連合王国)の中央政府は連合王国政府(Government of the United Kingdom<ref group="注">直訳すると「連合王国政府」</ref>)である。 また例えば[[中国]]の中央政府は中央人民政府である<ref>[[人民共和国]]などでは「政府」の前に「人民」という用語をつけ、「中央人民政府」という用語が使用される。中央である、国家全体の政府である、という点ではほぼ同様である。</ref>。


ただし、中央政府と各州政府、中央政府と地方政府との優先関係や力関係は、さまざまである。
ただし、中央政府と各州政府、中央政府と地方政府との優先関係や力関係は、さまざまである。たとえば米国では[[1788年]]の9州による憲法批准以降、正式に連邦政府となり、個々の州の承認によって中央政府が存在する、と決められた。まず、第一に各州の政府に高度な主体性や行政権があり、中央政府も各州の高度な主体性や行政権を認めることで、はじめてその存在が認められている。もし州政府の高い主体性や自律性を認めないようなことがあれば、各州政府も「中央政府」を拒絶する可能性があり、そうなれば「中央政府」と呼ばれるものも実際には中央政府としては認められなくなる、という関係にある。
欧州連合は[[国家連合]]に近いもので、各国の独立性はかなり高いわけだが、様々な[[欧州連合の機構|機構]]が設置されてその政治が行われており、その中で[[欧州委員会]]が行政機能を担い、その欧州委員会が欧州連合の中央政府の機能をおおむね)荷っている。


たとえば米国では[[1788年]]の9州による憲法批准以降、正式に連邦政府となり、個々の州の承認によって中央政府が存在する、と決められた。まず、第一に各州の政府に高度な主体性や行政権があり、中央政府も各州の高度な主体性や行政権を認めることで、はじめてその存在が認められている。もし州政府の高い主体性や自律性を認めないようなことがあれば、各州政府も「中央政府」を拒絶する可能性があり、そうなれば「中央政府」と呼ばれるものも実際には中央政府としては認められなくなる、という関係にある。
他の国では、米国ほどではなく、中央政府が各州や各自治体に対して優越するしくみになっていることも多い。中央政府があまりに各州や各自治体の政府の主体性や各州(各自治体)の住民の幸福をないがしろにするなどすると、対立が生じ、緊張関係に陥り、それが高じると各州や各自治体が[[独立]]に向けた運動([[独立運動]])や[[独立戦争]]を起こすことにもなる。たとえば米国は、現在ではひとつの独立した国家として認められているが、もともと米国というのも、[[イギリス連邦]]の中の一国だった時期があり、イギリス連邦(の中央政府)がアメリカ大陸に移住した人々の意向や事情を軽視・無視したり蹂躙したことによって、アメリカでイギリス連邦から独立しようとする運動が起き、[[アメリカ独立戦争|独立戦争(アメリカ独立戦争)]]となり、イギリス連邦(の中央政府)の側が敗北したことによって米国は成立している。つまり、アメリカに住む人々にとって、イギリス連邦政府(中央政府)は拒絶され、アメリカ人にとっては「中央政府」ではなくなり、あくまで「他国の政府」となった。たとえばスペインでも、(スペインというのは、(他の多くの国の統治体同様に)もともと周囲の国を暴力で侵略・併合・抑圧しておいて強引にひとつの国家の形にしている国であって)、たとえば侵略され組み込まれ蹂躙されることが続いている側の[[カタルーニャ]]では[[カタルーニャ独立運動]]が何度も起きており、[[カタルーニャ独立宣言|カタルーニャ政府は独立を宣言]]しており、最近でも独立宣言が出され、「スペイン中央政府」(=もともと周辺国をただ暴力・軍事力で侵略して自国に組み込んでおり、距離を置いて客観視すれば、そもそも中央政府としてはあまり正当性があるとは言い難い歴史を持ち、しかも全く反省をすることのない歴史を繰り返している政府)の側は、最近もまたカタルーニャ政府の独立宣言を一方的に拒絶する、という緊張関係にあり、事態は今も進行中である。

欧州連合は[[国家連合]]に近いもので、各国の独立性はかなり高いわけだが、様々な[[欧州連合の機構|機構]]が設置されてその政治が行われており、その中で[[欧州委員会]]が行政機能を担い、その欧州委員会が欧州連合の中央政府の機能をおおむねっている。

他の国では、米国ほどではなく、中央政府が各州や各自治体に対して優越するしくみになっていることも多い。中央政府があまりに各州や各自治体の政府の主体性や各州(各自治体)の住民の幸福をないがしろにするなどすると、対立が生じ、緊張関係に陥り、それが高じると各州や各自治体が[[独立]]に向けた運動([[独立運動]])や[[独立戦争]]を起こすことにもなる。

たとえば米国は、現在ではひとつの独立した国家として認められているが、もともと米国というのも、[[イギリス帝国]]の中の一領土だった時期があり、イギリス(の中央政府)がアメリカ大陸に移住した人々の意向や事情を軽視・無視したり蹂躙したことによって、アメリカでイギリスから独立しようとする運動が起き、[[アメリカ独立戦争|独立戦争(アメリカ独立戦争)]]となり、イギリス(の中央政府)の側が敗北したことによって米国は成立している。つまり、アメリカに住む人々にとって、イギリス政府(中央政府)は拒絶され、アメリカ人にとっては「中央政府」ではなくなり、あくまで「他国の政府」となった。


== 主要な国の中央政府 ==
== 主要な国の中央政府 ==

2020年3月24日 (火) 21:27時点における版

中央政府(ちゅうおうせいふ、: central government)とは、国家を階層別に分けたとき、国家の全体に対応する行政府(政府)である。主に国全体を範囲として行政を行う。

概要

「中央政府」という用語・概念は、連邦国家の各「州」の政府や、連合国のひとつひとつの「国」の政府、各「自治体」の政府、各「地方」の政府などと対比されて用いられている。

例えばアメリカ合衆国の中央政府はアメリカ合衆国連邦政府でありフランスの中央政府はフランス共和国政府(Gouvernement de la République française)であり、イギリス(the United Kingdom 連合王国)の中央政府は連合王国政府(Government of the United Kingdom[注 1])である。 また例えば中国の中央政府は中央人民政府である[1]

ただし、中央政府と各州政府、中央政府と地方政府との優先関係や力関係は、さまざまである。

たとえば米国では1788年の9州による憲法批准以降、正式に連邦政府となり、個々の州の承認によって中央政府が存在する、と決められた。まず、第一に各州の政府に高度な主体性や行政権があり、中央政府も各州の高度な主体性や行政権を認めることで、はじめてその存在が認められている。もし州政府の高い主体性や自律性を認めないようなことがあれば、各州政府も「中央政府」を拒絶する可能性があり、そうなれば「中央政府」と呼ばれるものも実際には中央政府としては認められなくなる、という関係にある。

欧州連合は国家連合に近いもので、各国の独立性はかなり高いわけだが、様々な機構が設置されてその政治が行われており、その中で欧州委員会が行政機能を担い、その欧州委員会が欧州連合の中央政府の機能をおおむね担っている。

他の国では、米国ほどではなく、中央政府が各州や各自治体に対して優越するしくみになっていることも多い。中央政府があまりに各州や各自治体の政府の主体性や各州(各自治体)の住民の幸福をないがしろにするなどすると、対立が生じ、緊張関係に陥り、それが高じると各州や各自治体が独立に向けた運動(独立運動)や独立戦争を起こすことにもなる。

たとえば米国は、現在ではひとつの独立した国家として認められているが、もともと米国というのも、イギリス帝国の中の一領土だった時期があり、イギリス(の中央政府)がアメリカ大陸に移住した人々の意向や事情を軽視・無視したり蹂躙したことによって、アメリカでイギリスから独立しようとする運動が起き、独立戦争(アメリカ独立戦争)となり、イギリス(の中央政府)の側が敗北したことによって米国は成立している。つまり、アメリカに住む人々にとって、イギリス政府(中央政府)は拒絶され、アメリカ人にとっては「中央政府」ではなくなり、あくまで「他国の政府」となった。

主要な国の中央政府

脚注

  1. ^ 直訳すると「連合王国政府」
  1. ^ 人民共和国などでは「政府」の前に「人民」という用語をつけ、「中央人民政府」という用語が使用される。中央である、国家全体の政府である、という点ではほぼ同様である。

関連項目