人民共和国

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人民共和国(People's Republics)を称する、あるいは過去に称した国々:
  人民共和国を称する国
  かつて人民共和国を称した国

人民共和国(じんみんきょうわこく、: People's Republic, 稀にPopular Republic: République populaire)は、国号に用いる政体を表す言葉(以下本項において、「政体称」と仮称)であり、主に、マルクス・レーニン主義を標榜したり、ソ連型社会主義体制を布く政府によって、用いられていた、又は、現在において用いられているもの。

考え方としては、最終的ゴールである共産主義社会を目指すのが社会主義社会であり、社会主義社会の実現を目指すのが人民共和制であるとされていた。体制としてはブルジョワ民主主義国家と社会主義国家の移行期とされ、形式的には与党が共産党である(かつ事実上政権交代のない)議院内閣制であった。

マルクス・レーニン主義諸国[編集]

この用語を使用する動機は、マルクス・レーニン主義者は、人民一般の利益のための統治を行なう、即ち、マルクス・レーニン主義者の共和国は人民の共和国であるという主張にある。この用語は、18世紀から19世紀における、政治学・憲法学上の国民主権論において議論された、ナシオン主権(souveraineté nationale、国民主権)論とプープル主権(souveraineté du peuple、人民主権)論の二者の対立の影響がかいま見える。但し、民主主義ファシズムを問わず、マルクス・レーニン主義に敵対する論者[誰?]は、「人民共和国」の名は羊頭狗肉の「詐欺商法」であり、宣伝目的のために使われていると主張する。

なお、「共和国(英語:republic)」の語源は、ラテン語の"res publica"であり、これは、「人民のもの」を意味しているものであり、重畳的表現ともいえる。

人民共和国を称する国[編集]

  • 中華人民共和国
    現在のマスメディアや現代政治学者が、単に「人民共和国(People's Republic)」と言う場合は、中華人民共和国を指していることがある。とくに現代の台湾中華民国1945年~現在)と対比する場合、英文のニュースなどでは、中華人民共和国を略して"The People's Republic"と呼ぶ。但し、現代の日本(日本国。1945年~現在)では、このような政体による使い分けは稀であり、多くの場合、「中国」は現代の中国である中華人民共和国(1949年~現在)を指しており、国共内戦後の中華民国については「台湾」というように地理的名称を用いて区別している。
  • 朝鮮民主主義人民共和国
  • ラオス人民民主共和国

かつて人民共和国を称した国[編集]

以下の国においては、マルクス・レーニン主義の下、「人民共和国」を称したが、ソビエト連邦に併合されたり、東欧民主化革命によって倒された国家も多く、現在では「人民共和国」を称していない。

マルクス・レーニン主義以外の国[編集]

「人民共和国」の他、マルクス・レーニン主義諸国に用いられた政体称として、「民主主義共和国」(例:ドイツ民主共和国ユーゴスラビア民主連邦1943年 - 1946年))と「社会主義共和国」(例:ベトナム社会主義共和国チェコスロバキア社会主義共和国ルーマニア社会主義共和国)がある。

しかしながら、民主主義社会主義人民政治といった政体称は、マルクス・レーニン主義者ではなくとも用いる一般的な政治用語であり、従って、これらを標榜しているからといって、その政府がマルクス・レーニン主義の政府であることを必ずしも意味しない。

従って、現時点で、マルクス・レーニン主義ではないが「人民共和国」(People's Republic)の称を用いている国として、以下の2カ国がある。

なお、2011年まで、大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国もこの範疇にあったが、リビア内戦を経て、2011年8月に崩壊、現在はリビア国となっている。また国際社会に承認されていないが、2014年ウクライナ騒乱の混乱の最中に建国したドネツク人民共和国ハリコフ人民共和国もこの範疇に含まれる。

関連項目[編集]