「ディリクレの関数」の版間の差分
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を表示できれば、''f''(''x'') = lim[''n''→∞] F(''n''!''x'') となって決着がつく。(''F'' は単独で考えても興味深い関数である。) ''F'' は、[[不連続]]でありながらも[[周期的]]である。一定の[[周期]]を持つ関数として[[三角関数]]を考える。cos<sup>2</sup>(π''x'') は、''x'' が整数であれば 1 を返し、それ以外であれば [0, 1) 内の実数を返す。[0, 1) 内の実数は、無限回[[冪乗]]することによって 0 に収束させることが出来る。また、1 はいくら冪乗しても常に 1 となって変化しない。これより、 |
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: <math>F(x)=\lim_{k\to \infin} \cos^{2k} (\pi x)</math> |
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2015年11月29日 (日) 13:25時点における版
ディリクレの関数(ディリクレの-かんすう)とは、実数全体の成す集合 R 上で定義される次のような関数のことである。
ただし、Q は有理数全体の成す集合である。 式から分かるように、この関数はいたるところで不連続である。さらに、
が成り立つから、(sup∫ を上積分、inf∫ を下積分という)ディリクレの関数はリーマン積分不可能であることが分かる。(ルベーグ積分は可能で、その値は 0 である。これは、可算無限集合である Q はルベーグ測度に関して零集合であることによる)
周期性
この関数は、任意の有理数aに対して となる。これは有理数全体の集合が加法について閉じていることによる。
また、この関数は無限個の周期を持ち、かつ定数関数とならない一例である。
連続関数の極限としての表示
ディリクレの関数は、ディリクレ本人によって、
と表せることが示されている(したがってディリクレ関数は 2 階のベール関数の一例である)。その方法は次による。
任意の有理数 q を考える。n! q は、十分大きな n に対して恒等的に整数である。それに比べ、無理数 r は、いくら n を大きく取っても n! r が整数にならない。従って、ディリクレの関数は、次のように変形できる。
ただし、Z は整数全体の成す集合。さてここで、関数
を表示できれば、f(x) = lim[n→∞] F(n!x) となって決着がつく。(F は単独で考えても興味深い関数である。) F は、不連続でありながらも周期的である。一定の周期を持つ関数として三角関数を考える。cos2(πx) は、x が整数であれば 1 を返し、それ以外であれば [0, 1) 内の実数を返す。[0, 1) 内の実数は、無限回冪乗することによって 0 に収束させることが出来る。また、1 はいくら冪乗しても常に 1 となって変化しない。これより、
が結論付けられる。従って、
となる訳である。