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近代に入り、タチアオイ属と同じ[[アオイ科]]に属する別の仲間=フヨウ属を指す[[学名]]へと転用された。
近代に入り、タチアオイ属と同じ[[アオイ科]]に属する別の仲間=フヨウ属を指す[[学名]]へと転用された。
日本では、なかでもいくつかの種がとくに「'''ハイビスカス'''」として知られ、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれていて観賞用としての需要もある。このため愛知県や徳島県でハイビスカス栽培されていて、その栽培量は亜熱帯性気候の沖縄県よりも多い。
日本では、そのなかでも園芸用のいくつかの種がとくに「'''ハイビスカス'''」と呼ばれ、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれている<ref name=matsuoka/>。このため[[愛知県]][[徳島県]]ハイビスカス栽培かんで、その栽培量は亜熱帯性気候の[[沖縄県]]よりも多い。


== 植物名としてのハイビスカス ==
== 植物名としてのハイビスカス ==
[[ファイル:Hibiskus rosa-sinensis - Kwiat.JPG|right|thumb|280px|ブッソウゲ]]
[[ファイル:Hibiscus schizopetalus 2.jpg|right|thumb|190px|フウリンブッソウゲ]]
=== 広義の用法 ===
=== 広義の用法 ===
*[[アオイ目]][[アオイ科]]の下位分類たる'''[[フヨウ属]]''' {{sname|'''Hibiscus'''}} のこと。また、そこに含まれる植物の総称。
*[[アオイ目]][[アオイ科]]の下位分類たる'''[[フヨウ属]]''' {{sname|'''Hibiscus'''}} のこと。また、そこに含まれる植物の総称。


=== 狭義の用法 ===
=== 狭義の用法 ===
*上記「フヨウ属」には[[フヨウ]]や[[ムクゲ]]、[[モミジアオイ]]、[[ケナフ]]といった植物も含まれるが、[[日本語]]では通常、これらを「ハイビスカス」とは呼ばない。 [[日本]]で通常「'''ハイビスカス'''」と称されるのは、フヨウ属のなかでも、熱帯亜熱帯性のいくつかの種に限られている。その代表的なものは'''[[ブッソウゲ]]'''(仏桑華、{{sname|Hibiscus rosa-sinensis}})である。
*上記「フヨウ属」には[[フヨウ]]や[[ムクゲ]]、[[モミジアオイ]]、[[ケナフ]]といった植物も含まれるが、[[日本語]]では通常、これらを「ハイビスカス」とは呼ばない。 [[日本]]で「'''ハイビスカス'''」と称されるのは、フヨウ属のなかでも、熱帯および亜熱帯性のいくつかの園芸種に限られる。その代表的なものは'''[[ブッソウゲ]]'''(仏桑華、{{sname|Hibiscus rosa-sinensis}})である<ref name=matsuoka/>
*「'''ハイビスカスティー'''」に用いられる花は、通常、'''[[ローゼル]]'''({{sname|Hibiscus sabdariffa}})と呼ばれる別種のものである。
*「'''ハイビスカスティー'''」に用いられる花は、通常、'''[[ローゼル]]'''({{sname|Hibiscus sabdariffa}})と呼ばれる別種のものである。


== その他 ==
== その他 ==
*[[ハイビスカス (MINMIの曲)]]
*[[ハイビスカス (MINMIの曲)]]
*[[ハイビスカス (D-51の曲)]]
* Hibiscus Coast - ニュージーランド[[北島 (ニュージーランド)|北島]]・[[オークランド市]]の北にある海岸。
* Hibiscus Coast([[:en:Hibiscus Coast|en]]) - [[ニュージーランド]][[北島 (ニュージーランド)|北島]]・[[オークランド市]]の北にある海岸。
* Hibiscus Island([[:en:Hibiscus Island|en]])- [[アメリカ合衆国]][[フロリダ州]][[マイアミビーチ]]サウスビーチに隣接する[[人工島]]。


==脚注==
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== 参考文献 ==
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2012年5月29日 (火) 13:07時点における版

Hibiscus arnottianus(ハワイ)

ハイビスカス(Hibiscus)は、アオイ科フヨウ属の総称[1]熱帯亜熱帯温帯の各地方に広く分布し、約200種が存在する[1]。その多くは、食用、繊維用、観賞用などとして栽培される[1]。学名のhibiscum (ヒビスクム)または hibiscus (ヒビスクス)は古いラテン語で、タチアオイの仲間を指す言葉であったとされる[注釈 1]。 近代に入り、タチアオイ属と同じアオイ科に属する別の仲間=フヨウ属を指す学名へと転用された。 日本では、そのなかでも園芸用のいくつかの種がとくに「ハイビスカス」と呼ばれ、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれている[1]。このため愛知県徳島県ではハイビスカスの栽培がさかんで、その栽培量は亜熱帯性気候の沖縄県よりも多い。

植物名としてのハイビスカス

ブッソウゲ
フウリンブッソウゲ

広義の用法

狭義の用法

  • 上記「フヨウ属」にはフヨウムクゲモミジアオイケナフといった植物も含まれるが、日本語では通常、これらを「ハイビスカス」とは呼ばない。 日本で「ハイビスカス」と通称されるのは、フヨウ属のなかでも、熱帯および亜熱帯性のいくつかの園芸種に限られる。その代表的なものはブッソウゲ(仏桑華、Hibiscus rosa-sinensis)である[1]
  • ハイビスカスティー」に用いられる花は、通常、ローゼルHibiscus sabdariffa)と呼ばれる別種のものである。

その他

脚注

注釈

  1. ^ 大プリニウス博物誌』では20巻14章(29節)に hibiscum を解説している。原典参照先は、シカゴ大学"Sir Thomas Browne"

出典

参考文献

  • 松岡清久 著「ハイビスカス」、小学館 編『日本大百科全書』小学館〈スーパーニッポニカProfessional Win版〉、2004年2月。ISBN 4099067459