「循環 (流体力学)」の版間の差分

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2012年5月23日 (水) 12:34時点における版

連続体力学


流体力学における循環 (じゅんかん、英語:circulation) とは閉曲線上での流体速度線積分である。循環は と表されることが多い。の強さを表し、非粘性バロトロピック流体保存外力下では流れにそって保存する。

閉曲線 に沿った循環 は、流体の速度を 、曲線の微小線要素ベクトルを として、線積分

で表せる。[1]

循環と渦度

ストークスの定理によって、循環は渦度と以下のように関連付けされる。

ただし、積分経路 は閉曲線であるだけでなく、面積要素 の境界 でなければいけない。ここで

は渦度である。

循環と渦定理

以下の定理が成り立つ。

  • ケルビンの渦定理 「非粘性バロトロピック流体の保存外力下での流れにおいて、流体とともに動く閉曲線に沿う循環は時間的に不変である。 [1]
  • ヘルムホルツの渦定理 「非粘性バロトロピック流体の保存外力下での流れにおいて、渦管は渦管として行動し、かつ、その強さは一定不変である。[2]
  • ラグランジュの渦定理 「非粘性バロトロピック流体の保存外力下での流れにおいて、渦は生成不滅である。[2]

循環と揚力

フレデリック・ランチェスターマーティン・ウィルヘルム・クッタ (en:Martin Wilhelm Kutta)、そして、ニコライ・ジュコーフスキーらがそれぞれ独立に、循環の概念を使って揚力を説明した。[3]

非粘性流体の2次元非回転非圧縮流れにおいて、水平方向( 方向)に一様な速度 の流れを考える。奥行き方向単位長さあたりの物体にかかる力の鉛直成分( 成分)、すなわち、揚力 は物体を囲む閉曲線に沿った循環 と流体の密度 とを使って

で表される。これはクッタ・ジュコーフスキーの定理と呼ばれる。[3]

関連項目

出典

  1. ^ a b 巽友正『流体力学』(1982年 4月15日初版発行)培風館。ISBN 456302421X 
  2. ^ a b 今井功『流体力学(前編)』(1973年11月25日発行)裳華房。ISBN 4785323140 
  3. ^ a b P.K. Kundu; I.M. Cohen; D.R. Dowling (2011). Fluid Mechanics Fifth Edition. Academic Press. ISBN 0123821002