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'''改造社'''(かいぞうしゃ)は、[[日本]]の[[書店]]。[[大正]]期から[[昭和]]中期にかけては[[出版社]]であり、総合雑誌『[[改造 (雑誌)|改造]]』や[[円本]]文学全集『現代日本文学全集』を発行するなど大きな影響力を持った。 |
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[[1919年]]([[大正]]8年)4月、[[山本実彦]]により創業。総合雑誌『[[改造 (雑誌)|改造]]』を創刊し、[[バートランド・ラッセル]]、[[マーガレット・サンガー]]、[[アルベルト・アインシュタイン]]を相次いで日本に招いて話題を集めた。 |
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[[1926年]](大正15年)からは1冊1円の全集本『現代日本文学全集』(全63巻)の刊行を開始、昭和初年の出版界に「[[円本]]ブーム」を引き起こした。[[岩波書店]]の[[岩波文庫]](1927年創刊)に対抗し、[[1929年]]([[昭和]]4年)から[[文庫本]]「[[改造文庫]]」を発行した。『マルクス・エンゲルス全集』(最終的に全27巻(30冊(7-2、7-3、16-2があるため)、別巻1、補巻1)を刊行し、岩波書店などの五社連盟版と競合する事になったが、実際に刊行できたのは改造社版だけであった。[[1944年]](昭和19年)に軍部の圧力により解散させられた。 |
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第二次世界大戦後に改造社は再建され、雑誌『改造』も復刊したが、「改造文庫」は復興しなかった。ただし、改造文庫として出版していた書目を中心にB6型の「改造選書」を刊行していた。[[1955年]]、労働争議から雑誌『改造』を休刊することとなった。 |
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現在では改造社書店、改造図書出版販売株式会社として[[東京都]]内、及び[[山梨県]]・[[長野県]]の[[駅ビル]]([[甲府駅]]([[エクラン]])・[[松本駅]]([[ステーションビルMIDORI#MIDORI松本店|MIDORI松本店]])・[[長野駅]]([[ステーションビルMIDORI#MIDORI長野店|MIDORI長野店]]))等、複数店舗で書籍の販売業などを営んでおり、書籍の編集、出版は行っていない。 |
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[[山本七平]]によると、若社長がアメリカ式経営を強行して社内が大混乱に陥ったのが出版社として衰退した大きな理由の一つだという。 |
[[山本七平]]によると、若社長がアメリカ式経営を強行して社内が大混乱に陥ったのが出版社として衰退した大きな理由の一つだという。 |
2011年6月27日 (月) 04:22時点における版
改造社(かいぞうしゃ)は、日本の書店。大正期から昭和中期にかけては出版社であり、総合雑誌『改造』や円本文学全集『現代日本文学全集』を発行するなど大きな影響力を持った。
沿革
1919年(大正8年)4月、山本実彦により創業。総合雑誌『改造』を創刊し、バートランド・ラッセル、マーガレット・サンガー、アルベルト・アインシュタインを相次いで日本に招いて話題を集めた。
1926年(大正15年)からは1冊1円の全集本『現代日本文学全集』(全63巻)の刊行を開始、昭和初年の出版界に「円本ブーム」を引き起こした。岩波書店の岩波文庫(1927年創刊)に対抗し、1929年(昭和4年)から文庫本「改造文庫」を発行した。『マルクス・エンゲルス全集』(最終的に全27巻(30冊(7-2、7-3、16-2があるため)、別巻1、補巻1)を刊行し、岩波書店などの五社連盟版と競合する事になったが、実際に刊行できたのは改造社版だけであった。1944年(昭和19年)に軍部の圧力により解散させられた。
第二次世界大戦後に改造社は再建され、雑誌『改造』も復刊したが、「改造文庫」は復興しなかった。ただし、改造文庫として出版していた書目を中心にB6型の「改造選書」を刊行していた。1955年、労働争議から雑誌『改造』を休刊することとなった。
現在では改造社書店、改造図書出版販売株式会社として東京都内、及び山梨県・長野県の駅ビル(甲府駅(エクラン)・松本駅(MIDORI松本店)・長野駅(MIDORI長野店))等、複数店舗で書籍の販売業などを営んでおり、書籍の編集、出版は行っていない。
山本七平によると、若社長がアメリカ式経営を強行して社内が大混乱に陥ったのが出版社として衰退した大きな理由の一つだという。
参考文献
- 水島治男『改造社の時代〈戦前篇〉』 図書出版社(1976年)
- 水島治男『改造社の時代〈戦中篇〉』 図書出版社(1976年)
- 松原一枝『改造社と山本実彦』南方新社 (2000年)
- 太田哲男『若き高杉一郎—改造社の時代』未來社 (2008年)