「ダブルウィッシュボーン式サスペンション」の版間の差分
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== 市販車での発展 == |
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<!-- 本田技研工業株式会社が開発した「変形式ダブルウィッシュボーン」は有名である。 --> |
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この形式は前輪に用いられることが多いが、[[1960年]]、[[日野・コンマース]]が日本車として初めて四輪ダブルウィッシュボーンサスペンション(リアロワアームは横置きリーフスプリング兼用+縦置きトションバースプリング併用)を採用した。 |
この形式は前輪に用いられることが多いが、[[1960年]]、[[日野・コンマース]]が日本車として初めて四輪ダブルウィッシュボーンサスペンション(リアロワアームは横置きリーフスプリング兼用+縦置きトーションバースプリング併用)を採用した。 |
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[[1982年]] [[ホンダ・プレリュード]]にてアップライト上部をくの字状にタイヤ・ホイールを避わして延長し、アッパーアームとの連結部がタイヤ上端より上方になる変形ダブルウィッシュボーンとしてフロントサスペンションに採用した。その後、この変形型は[[1985年]]に[[ホンダ・アコード]]の前後両輪に採用されるなどして広まっていった。 |
[[1982年]] [[ホンダ・プレリュード]]にてアップライト上部をくの字状にタイヤ・ホイールを避わして延長し、アッパーアームとの連結部がタイヤ上端より上方になる変形ダブルウィッシュボーンとしてフロントサスペンションに採用した。その後、この変形型は[[1985年]]に[[ホンダ・アコード]]の前後両輪に採用されるなどして広まっていった。 |
2011年5月13日 (金) 12:29時点における版
ダブルウィシュボーン式サスペンション(Double wishbone suspension)とは、自動車の独立懸架方式のひとつである。語源は、Double(2つの)Wishbone(叉骨)で、上下に置かれたアームの形状から。
概要
この方式は、路面に対してほぼ水平に取り付けられた上下(アッパーアーム,ロワアーム)2本のアームによりアップライト(車軸やハブを含む)を挟むように支える構造になっている。 構造上、サスペンションの剛性を確保する事が容易である点、サスペンションがバンプしたときのキャンバー変化を最小限に抑える事が可能である事から、タイヤと路面の間の摩擦力(接地面の変化の少なさ)グリップ力の変化が少ない事が利点となる。
似たような構造のものにロッキングアーム式サスペンションがあるが、ロッキングアーム式の場合は、上下どちらかのアームをテコにしてスプリングを作動させるので、アーム自体にかなりの強度が必要になる。また、スプリングを作動させる側のアームにはピボット(支点)が必要で、その内側にダンパーやスプリングを取り付る等設計にはそれなりの制約がある。
ダブルウィッシュボーンは、上下のロッド長や、アームの取り付け角度等を変えることにより自由且つ容易にジオメトリーの変更が出来る。サスペンションの設計に制約が比較的少なく、操縦特性等を任意に変えることが出来る為フォーミュラカーを始めとするレーシングカーに向いているのはこの為である。
弱点としては、機構上の複雑さによるコスト高と、高さを必要とする為にエンジンルームやトランク容積への制約があげられる。
市販車での発展
この形式は前輪に用いられることが多いが、1960年、日野・コンマースが日本車として初めて四輪ダブルウィッシュボーンサスペンション(リアロワアームは横置きリーフスプリング兼用+縦置きトーションバースプリング併用)を採用した。
1982年 ホンダ・プレリュードにてアップライト上部をくの字状にタイヤ・ホイールを避わして延長し、アッパーアームとの連結部がタイヤ上端より上方になる変形ダブルウィッシュボーンとしてフロントサスペンションに採用した。その後、この変形型は1985年にホンダ・アコードの前後両輪に採用されるなどして広まっていった。
変形ダブルウィッシュボーンを元にアッパーアーム・ロワアームとアップライトの連結部が形成していた(両アームの寸法および取り付け位置に制約される)キングピン軸機能を分離し、車軸付近にアームの寸法制限とは別個に設定できるよう新設したものが1989年 日産・スカイラインのフロントサスペンションに採用。くの字部分は(サード)リンクとして分離されたことから、これをマルチリンク形式に分類している。
特性
アッパーアームとロアアームの長さ・取り付け位置によって特性が変化する。アーム長は一般的に、アッパーアームよりロアアームの方が長い。
初代ユーノス・ロードスターはこの特性を利用し、アームのピボット部に偏心カムを使ってサスペンションジオメトリーを簡単に変化させられるようにしていた。