ルイ・ナポレオン (ナポレオン公)

ルイ・ジェローム・ヴィクトル・エマニュエル・レオポルド・マリー・ボナパルト（Louis Jerome Victor Emmanuel Leopold Marie Bonaparte, 1914年1月23日 - 1997年5月3日）は、ルイ・ナポレオンあるいはナポレオン6世として知られ、1926年からその死までフランス帝位の請求者であった。

ナポレオン公ナポレオン・ヴィクトル・ジェローム・フレデリック・ボナパルトの息子で、父の死後にその称号を継いだ。母はベルギー国王レオポルド2世と王妃マリー＝アンリエットの娘クレマンティーヌ王女である。

1939年に第二次世界大戦が勃発すると、ルイはフランス軍に志願するため、軍に入隊したい旨をダラディエ首相に手紙で打診したものの、軍への入隊を断られる。仕方なくルイは「ルイ・ブランシャール」という偽名でフランス外人部隊に入隊し、北アフリカの植民地で勤務していたが、1940年にフランスが侵攻してきたナチス・ドイツと休戦協定を結び、ルイが居た外人部隊も1941年に解散した。

外人部隊解散後、ルイはシャルル・ド・ゴール率いる自由フランス軍に参加するため、イギリスに向かおうとするがドイツ軍に逮捕される。釈放後も名前を「ルイ・モニエール」と変えてレジスタンス組織「軍事抵抗組織」（ORA）に加わり、レジスタンス運動に参加している。1944年7月には、ORAのシャルル・マルテル旅団に参加していた従兄弟にあたるジョアシャン・ミュラ7世を戦闘で失い、8月28日にはルイの居た同旅団の一群がドイツ軍の攻撃を受け、ルイ以外のメンバーは全員戦死した。ルイ自身は負傷したものの一命を取りとめ、怪我から回復すると、フランス軍の山岳師団に志願し、終戦もその師団で迎えた。　後にフランス政府からその功績を讃えられ、勲章を授与されている。

ルイは1949年8月16日にアリックス・ド・フォレスタ（Alix de Foresta）と結婚し、4人の子供をもうけた：

• シャルル・マリー・ジェローム・ヴィクトル（現ナポレオン公、1950年10月19日 - ）
• カトリーヌ・エリザベート（Catherine Elisabeth, 1950年10月19日 - ）
• ロール・クレマンティーヌ（Laure Clementine, 1952年10月8日 - ）
• ジェローム・グザヴィエ（Jerome Xavier, 1957年1月14日 - ）

1997年に亡くなった時、ルイは遺言で長男シャルル・ナポレオンを差し置いてその息子ジャン・クリストフ・ナポレオンを後継者に指名していた。このため現在、ボナパルト家の家長の座は両者の間で競合状態にある。