「ローバー・800」の版間の差分
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'''ローバー800'''は[[イギリス]]の[[オースチン・ローバー・グループ]](ARG)(現 [[MGローバー]])が販売していた高級乗用車である。日本では当時ローバーグループの日本法人だった、[[ローバージャパン|オースチン・ローバー・ジャパン(ARJ)]]が輸入元だった(後にローバー・ジャパンへ移行)。 |
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1980年代初頭、経営難に陥っていたARGは陳腐化した同社の高級車[[ローバー・SD1|SD1]]を刷新できない状態でいた。その一方、ラインナップの拡充を目指していた[[本田技研工業|ホンダ]]は[[ホンダ・アコード|アコード]]の上級車種を計画していた。しかし、後発メーカーであるため従来の日本製高級車([[トヨタ・クラウン|クラウン]]や[[日産・セドリック|セドリック]]など)とは違ったアプローチで設計する必要があった。ARGの作りの良さ、ホンダの効率性、そこで両社の技術提携が実現し新大型車プロジェクトを「'''XXプロジェクト'''」と名付けた<ref>後に開発される[[ホンダ・コンチェルト|コンチェルト]]/[[ローバー・400]]では「'''YYプロジェクト'''」と命名されている。</ref>。開発中はARGのエンジニアがホンダの施設へ常駐し、また、ホンダの技術者が英国まで出向いていたりした。 |
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[[1985年]]、ホンダ版XXの[[ホンダ・レジェンド|レジェンド]]が発売され、ローバー・800は翌[[1986年]]に発売される。2.5L [[V型6気筒|V6]] [[SOHC]]はホンダ製であったが、2L [[直列4気筒|直4]] [[DOHC]]は自社製である。プラットフォームはレジェンドと同一としながらエクステリアやインテリアは英国らしくよりエレガントな躾けがなされていた。英国王室御用達のコノリー社製レザーシートや熟練工がハンドメイドで製作するウォールナットパネル然りである。 |
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また、英国車らしくモデルライフが長く、レジェンドは[[1990年]]に[[モデルチェンジ (自動車)|モデルチェンジ]]を行ったが、ローバー・800は細かな変更を行いながら[[1999年]]まで販売されていた。中でも[[1992年]]のマイナーチェンジ(R17系)はフルスキンチェンジとも言うべき外板が一新され、従来のモデルに比べ丸みを帯びているのが特徴的である。 |
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[[1998年]]に生産中止され、[[1999年]]に[[ローバー・600]]と統合された後継車[[ローバー・75]]が発売された。 |
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== 日本仕様 == |
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[[1987年]]からARJが発売を開始。当初ホンダ製[[ホンダ・C型エンジン#C25A|C25A]]型 V6 2.5Lの「'''スターリング'''(''Sterling'')」が販売された。初期の日本向けローバー・800は、本田技研狭山工場で生産が行われており、当時の両社の蜜月ぶりが伺える。デビュー当初にはテレビCMも放送され、これには女優の[[浅野ゆう子]]が出演していた。なお、英国車でありながら左ハンドルも設定されていた。 |
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[[1989年]]にマイナーチェンジされ、V6エンジンが2.7L(ホンダ製C27A型)に拡大された。外装ではバンパーが延長され、アルミホイールの意匠変更を行った。また、従来モノグレードであったが「'''827スターリング'''」の他にSD1を彷彿させるような5ドア[[ハッチバック]]「'''827ビテス'''(''Vitesse'')」、スターリングをベースに布シートとするなど価格を抑えた「'''827Si'''」の2グレードが新たに加わった。 |
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[[1993年]]、フロントグリルの付くR17系へマイナーチェンジ。グレード体系も刷新され、特徴的であったハッチバック「ビテス」、廉価版「Si」はラインナップから外れる。従来の「スターリング」に相当する「'''827SLi'''」、新登場の[[クーペ]]ボディを纏う「'''827SLiクーペ'''」 、 |
[[1993年]]、フロントグリルの付くR17系へマイナーチェンジ。グレード体系も刷新され、特徴的であったハッチバック「ビテス」、廉価版「Si」はラインナップから外れる。従来の「スターリング」に相当する「'''827SLi'''」、新登場の[[クーペ]]ボディを纏う「'''827SLiクーペ'''」 、自社製の直4 DOHCを搭載した「'''820SLi'''」の3グレードとなる。また、全車右ハンドルのみの設定となり運転席[[エアバッグ]]を標準装備とする。 |
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[[1994年]]、両席エアバッグを標準装備とし、円高還元を実行、価格が引き下げられた。 |
[[1994年]]、両席エアバッグを標準装備とし、円高還元を実行、価格が引き下げられた。 |
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[[1996年]]、マイナーチェンジ。ホンダ製V6を廃止し、新たに自社製V6 DOHC 2.5Lへ換装する。外装では素材色であったラバーモールがカラーキー化されるなど少し変化が見られた。グレード体系も見直され「'''825SLi'''」、「'''825SLiクーペ'''」、布シート仕様の「'''825Si'''」が登場する。 |
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1997年、小変更。クーペ及び廉価版Siを廃止。モノグレード化に伴い825SLiを「'''800SLi'''」とした。 |
[[1997年]]、小変更。クーペ及び廉価版Siを廃止。モノグレード化に伴い825SLiを「'''800SLi'''」とした。 |
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== 脚注 == |
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2009年8月12日 (水) 10:39時点における版
ローバー800はイギリスのオースチン・ローバー・グループ(ARG)(現 MGローバー)が販売していた高級乗用車である。日本では当時ローバーグループの日本法人だった、オースチン・ローバー・ジャパン(ARJ)が輸入元だった(後にローバー・ジャパンへ移行)。
歴史
1980年代初頭、経営難に陥っていたARGは陳腐化した同社の高級車SD1を刷新できない状態でいた。その一方、ラインナップの拡充を目指していたホンダはアコードの上級車種を計画していた。しかし、後発メーカーであるため従来の日本製高級車(クラウンやセドリックなど)とは違ったアプローチで設計する必要があった。ARGの作りの良さ、ホンダの効率性、そこで両社の技術提携が実現し新大型車プロジェクトを「XXプロジェクト」と名付けた[1]。開発中はARGのエンジニアがホンダの施設へ常駐し、また、ホンダの技術者が英国まで出向いていたりした。
1985年、ホンダ版XXのレジェンドが発売され、ローバー・800は翌1986年に発売される。2.5L V6 SOHCはホンダ製であったが、2L 直4 DOHCは自社製である。プラットフォームはレジェンドと同一としながらエクステリアやインテリアは英国らしくよりエレガントな躾けがなされていた。英国王室御用達のコノリー社製レザーシートや熟練工がハンドメイドで製作するウォールナットパネル然りである。
また、英国車らしくモデルライフが長く、レジェンドは1990年にモデルチェンジを行ったが、ローバー・800は細かな変更を行いながら1999年まで販売されていた。中でも1992年のマイナーチェンジ(R17系)はフルスキンチェンジとも言うべき外板が一新され、従来のモデルに比べ丸みを帯びているのが特徴的である。
1998年に生産中止され、1999年にローバー・600と統合された後継車ローバー・75が発売された。
日本仕様
1987年からARJが発売を開始。当初ホンダ製C25A型 V6 2.5Lの「スターリング(Sterling)」が販売された。初期の日本向けローバー・800は、本田技研狭山工場で生産が行われており、当時の両社の蜜月ぶりが伺える。デビュー当初にはテレビCMも放送され、これには女優の浅野ゆう子が出演していた。なお、英国車でありながら左ハンドルも設定されていた。
1989年にマイナーチェンジされ、V6エンジンが2.7L(ホンダ製C27A型)に拡大された。外装ではバンパーが延長され、アルミホイールの意匠変更を行った。また、従来モノグレードであったが「827スターリング」の他にSD1を彷彿させるような5ドアハッチバック「827ビテス(Vitesse)」、スターリングをベースに布シートとするなど価格を抑えた「827Si」の2グレードが新たに加わった。
1993年、フロントグリルの付くR17系へマイナーチェンジ。グレード体系も刷新され、特徴的であったハッチバック「ビテス」、廉価版「Si」はラインナップから外れる。従来の「スターリング」に相当する「827SLi」、新登場のクーペボディを纏う「827SLiクーペ」 、自社製の直4 DOHCを搭載した「820SLi」の3グレードとなる。また、全車右ハンドルのみの設定となり運転席エアバッグを標準装備とする。
1994年、両席エアバッグを標準装備とし、円高還元を実行、価格が引き下げられた。
1996年、マイナーチェンジ。ホンダ製V6を廃止し、新たに自社製V6 DOHC 2.5Lへ換装する。外装では素材色であったラバーモールがカラーキー化されるなど少し変化が見られた。グレード体系も見直され「825SLi」、「825SLiクーペ」、布シート仕様の「825Si」が登場する。
1997年、小変更。クーペ及び廉価版Siを廃止。モノグレード化に伴い825SLiを「800SLi」とした。