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* 開山期間 毎年5月1日~10月31日
* 開山期間 毎年5月1日~10月31日
* 開門時間 午前6時~午後6時
* 開門時間 午前6時~午後6時
* 入山料 500円(2006年現在)
* 入山料 500円(2009年現在)
* 大祭典 毎年7月20日~24日
* 大祭典 毎年7月20日~24日
* 秋祭典 毎年10月9日~11日
* 秋祭典 毎年10月9日~11日

2009年5月10日 (日) 12:40時点における版

恐山

恐山菩提寺 山門
所在地 青森県むつ市田名部字宇曽利山3-2
位置 北緯41度19分37.39秒 東経141度5分24.97秒 / 北緯41.3270528度 東経141.0902694度 / 41.3270528; 141.0902694
山号 恐山
宗派 曹洞宗
本尊 延命地蔵菩薩
創建年 貞観4年(862年
開基 慈覚大師円仁
正式名 恐山 伽羅陀山菩提寺
札所等 津軽三十三観音番外札所
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恐山 奥に見えるのは宇曽利湖
恐山周辺地図

恐山(おそれざん、おそれやま)は、下北半島の中央部に位置する外輪山霊場であり、高野山比叡山と並ぶ日本三大霊場の一つである。

概要

恐山は、カルデラ湖である宇曽利湖(うそりこ)を中心とした外輪山の総称である。外輪山は釜臥山大尽山小尽山北国山屏風山剣の山地蔵山鶏頭山の八峰。「恐山」という名称の単独峰はない。火山岩に覆われた「地獄」と呼ばれる風景と、美しい宇曽利湖の「極楽浜」との対比が特徴である。

寺名は恐山菩提寺、本坊はむつ市田名部にある曹洞宗円通寺である。本尊は延命地蔵菩薩

地理でいう恐山山地とは、下北半島のまさかり部分にある山地全体を指すので、いわゆる霊場恐山 とは区別される。

開山

開山は貞観4年(862年)。開祖は天台宗を開いた最澄の弟子である慈覚大師円仁

円仁に留学中、 夢で「汝、国に帰り、東方行程30余日の所に至れば霊山あり。 地蔵尊一体を刻しその地に仏道を広めよ」という御告をうけた。 円仁はすぐに帰国し、夢で告げられた霊山を探し歩いた。苦労の末、 恐山にたどり着いたといわれる。

その中に地獄をあらわすものが108つあり、全て夢と符合するので、円仁は6尺3寸の地蔵尊を彫り、 本尊として安置したとされている。

地元の恐山信仰と言い伝え

地蔵信仰を背景にした死者への供養の場として知られる。下北地方では「人は死ねば(魂は)お山(恐山)さ行ぐ」と言い伝えられている。

恐山大祭や恐山秋詣りには、イタコマチ(イタコがテントを張って軒を連ねている場所)に多くの人が並び、イタコの口寄せを聞く。

恐山の温泉

恐山自体が火山であるため、境内には温泉が湧いている。古滝の湯(男湯)、冷抜の湯(女湯)、薬師の湯花染め湯の4つの浴場があり、無料(参拝料は必要)である。

火山としての恐山

恐山には史料に残された噴火記録はなく、地質調査の結果からも、最後の噴火は1万年以上前と見られている。しかし、カルデラ内の一部には水蒸気火山性ガスの噴出が盛んで、気象庁2007年12月1日より開始した、噴火災害軽減のための噴火警報及び噴火予報の対象となっている。ただし、現在のところ、噴火警戒レベルを導入した16火山には含まれていない。

温泉沈殿物としての異常濃集体が発見されており、2007年、日本の地質百選に選定された(「恐山の金鉱床」)。

交通手段

  • JR東日本大湊線下北駅から下北交通バス恐山線で40-43分(下記の開山期間のみ運行。1日4往復。ただし恐山大祭期間中と秋詣り期間中は増発あり)。以前は下北交通大畑線(旧国鉄大畑線)で市街地の田名部駅まで行くことができて便利であったが、下北交通の鉄道事業からの撤退により大畑線は廃止され、市街地を外れた下北駅からバスを利用しなければならなくなった。
  • むつ市田名部より恐山街道青森県道4号)。山門前に約300台駐車可能の駐車場有り。無料。

その他

  • むつ市街より恐山に至る恐山街道(青森県道4号)には途中、整備された湧き水冷水(ひやみず)があり旅人の喉を潤している。この湧き水を1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返ると言われている。道の反対側にはトイレがある。
  • 恐山の「地獄」付近には火山性ガス(亜硫酸ガス)が充満していて特有の硫黄臭が鼻を突く。初めて行く人は注意が必要である。
  • 観光ガイドブックには観光地として紹介されているが、霊場であり、信仰の地でもあるので、観光客が観光気分で行くと祟られるという。
  • 開山期間 毎年5月1日~10月31日
  • 開門時間 午前6時~午後6時
  • 入山料 500円(2009年現在)
  • 大祭典 毎年7月20日~24日
  • 秋祭典 毎年10月9日~11日

関連項目

参考文献

  • 鳴海健太郎 『下北の海運と文化』 北方新社〈青森県の文化シリーズ10〉、1977年。
  • 宮崎ふみ子 / ダンカン・ウィリアムズ 「地域からみた恐山」『歴史評論』第629号、2002年9月。
  • 青木正博 「〈私の推薦する天然記念物〉”恐山型”金鉱床」『地質ニュース』453号、24頁、1992年5月。PDF

外部リンク