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2008年8月27日 (水) 20:56時点における版
ウォータージェット推進(ウォータージェットすいしん)は、船舶の推進方式の一つ。後方に高圧のウォータージェットを噴出する事で推進力を得る方式である。
概要
ウォータージェット、またはハイドロジェット推進は、船底から汲み上げた水を、主機(動力源)により動作する高圧ポンプで、後方のノズルから勢い良く吐出する事で推進力を得る。
一般的なプロペラ推進では到達しがたい40~50ノットでの高速航行を可能にする推進方式であり、しかも設計、製造が比較的容易ではあるものの、エネルギー効率は大きく劣る。小型のものはガソリンエンジン、より大型のものはガスタービンエンジンや高速ディーゼルエンジンを動力源とし、レジャー用の水上オートバイ(ジェットスキーなど)から、旅客船、高速巡視船・巡視艇、ミサイル艇などに採用されている。また、スクリューに巻き込む危険性が少ない事からダイバー支援船にも採用される。また、静粛性にも優れており、出力に余裕のある原子力潜水艦では推進効率の低さを補えるので使用されつつある。
プロペラ(スクリュー)と異なり、船底部に突出部分が無く、浅水面での航行が容易である。またノズルの噴射方向を変える事で船の向きを変えられるため舵の必要が無く、ノズルの逆噴射機構を用いた急制動が可能である。
低速航行時の方向安定性、操縦性、及びエネルギー効率が良くない点が欠点とされる。25ノット程度の速度域ではスクリュープロペラの効率が65%に達するのに対し、ウォータージェットは45%程度にとどまる。このためスペースに余裕のある船では低速操船用ディーゼルエンジンとプロペラを別に備えるものも多い。