「洗濯機」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Escarbot (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる 追加: ur:آلۂ دھلائی
Eskimbot (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる 変更: pt:Máquina de lavar roupas
92行目: 92行目:
[[no:Vaskemaskin]]
[[no:Vaskemaskin]]
[[pl:Pralka]]
[[pl:Pralka]]
[[pt:Máquina de lavar roupa]]
[[pt:Máquina de lavar roupas]]
[[ru:Стиральная машина]]
[[ru:Стиральная машина]]
[[simple:Washing machine]]
[[simple:Washing machine]]

2008年4月16日 (水) 00:42時点における版

国産一号機の洗濯機:Solar(1930年)
東芝科学館
ローラー式絞り機付き洗濯機昭和30年代後半

洗濯機(せんたくき、せんたっき)は、洗濯を半自動または全自動で行ってくれる機械。洗濯槽の回転を手動で行う手動式洗濯機も存在する。家事労働の省力化に貢献し、日本の近代化を支えてきた機械の一つである。

概要

電気式洗濯機は1907年アメリカで発明され、国産第一号は1930年東芝の前身である芝浦製作所から販売された。その後、1953年三洋電機から現在の洗濯機の原点とも言える噴流式洗濯機が低価格で発売され、一気に普及した。

白物家電と呼ばれている家電製品の代表格である。他の白物家電の例に漏れず、日本では一部の高付加価値製品を除き、アジア圏での海外生産品が多数を占めている。

固定資産としての法定耐用年数は6年だが、実際の家庭での平均使用年数は7~10年である。テレビ受像機エア・コンディショナー冷蔵庫とともに2001年より家電リサイクル法の対象となり、廃棄する場合には、適切な処理が義務付けられ、粗大ゴミとして処分できなくなった。

一部の農家などでは農作物を洗う為に使われることも多いが、故障を誘発する原因となるのであまり推奨されない使い道である。この他にもタコのヌメリを取るのに使われることもある。

種類

一槽式
脱水槽がない洗濯機。初期(1960年代まで)に利用されていたもの。脱水部分は手で絞るか、洗濯機傍についていたローラーで絞る。
二槽式洗濯機
「洗い」と「すすぎ」を行う槽と「脱水」を行う槽が分離している。それぞれの作業工程のみを行い、作業工程間を手動で行う。1970年代から1980年代前期までの主流。現在では少数派であるが、洗濯・すすぎと脱水を同時並行で行えるため時間あたりに洗える量は全自動洗濯機に比べて多く、構造的にも単純で丈夫なため、理容店などでの業務用として根強い需要がある。
三槽式洗濯機
日立製作所がかつて製造していた、二槽式洗濯機の亜種。同社が製造していたかくはん棒付異型パルセータ「からまん棒」(後述)の特長を生かしたもので、洗濯槽の上部中央に、もうひとつ小さなバケツ状の小型洗濯槽を取り付けている。「からまん棒」の内側に駆動軸を通し、小型洗濯槽のパルセータを駆動していた。
自動二槽式洗濯機
外見は二槽式洗濯だが、「洗い」と「すすぎ」を行う槽で「洗い」から「すすぎ」までの作業行程を自動進行ができる。機種によっては「脱水」を行う槽で「すすぎ」から「脱水」までの作業行程を自動進行ができる場合もある。現在国内メーカーでは日立しか製造していない。
全自動洗濯機
「洗い」、「すすぎ」、「脱水」をすべて1つの槽で行うもの。注水から最後の脱水までをすべて自動で行う。1960年代後半頃から存在していたらしいが、使用する水の量が多くなる問題があり、普及は遅れた。1980年代以降改良が重ねられ、現在までの主流となっている。
乾燥機付洗濯機
全自動洗濯機にさらに乾燥機能がついたもの。「洗い」「すすぎ」「脱水」「乾燥」まで1つの槽で全自動で行うことが可能。一般的に家庭用の乾燥機付洗濯機は、洗濯できる量より乾燥できる量が少ないため、洗濯物全てを乾燥させる場合は、乾燥手前で、洗濯物を取り出し、乾燥は、複数回行う。もし、乾燥可能な量の洗濯物であっても全自動で乾燥させると衣類がクチャクチャのまま乾燥されたり、乾燥ムラがおきるなどの問題が発生することもある。このため、加熱をせず、送風のみで簡易乾燥を行い、ある程度水分を飛ばしてから自分で干すといった使い方をすることもできる。
なお、乾燥機能は、室温が低すぎるといった場合性能が発揮できず完全に乾燥できない場合がある。そういった場合は暖房して室温を調整すればよい。
基本的には、熱に耐える素材で仕上がりがしわになっても支障ないものであれば洗濯から乾燥まで全自動でよい。前述のとおり乾燥も配慮した量の範囲で洗濯するようにする。

構造

かくはん式
槽と同じ程度の高さのある大型の羽根をゆっくり反転させて水流を発生させる方式で、初期~1950年代まで利用されていたもの。構造的に大型となるため日本では業務用の一部に限られるが、アメリカでは現在も主流。
パルセータ式
槽の底部(初期には槽の側面)に小型の羽根を持ち、高速回転させて水流を発生させる方式。1960年代以後、現在まで長年の主流方式。昭和~平成初期に建てられたアパートや賃貸マンションに住む者は洗面台の入り口が狭小の為、ドラム式が設置できない事から、このパルセータ式を購入することが多い。また、下記の異型パルセータによるかくはん方式と区別する為、通常のパルセータ方式を「渦巻式」と呼ぶこともある。
からまん棒
日立製作所が開発した方式で、本来は同社の登録商標であったが、現在は使われていない。パルセータの軸部分を垂直に延長し、羽のついたかくはん棒を持たせた方式。名前から解るとおり、当初は衣類の絡みを抑止する目的で開発されたが、この意味ではあまり役立たなかった。その後、それまで手洗いに限定されていたおしゃれ着やウールの洗濯のできる機種が現れ始めると、電子制御と併用する事で、従来のパルセータよりも一歩抜きん出た。欠点として、本体のサイズの割りに洗濯容量が小さくなる。この欠点の為、その後の家庭用洗濯機大容量化の波についていけなくなり、順次廃止され、通常のパルセータ方式となった。
かくはん棒方式は他に三菱電機の「Mr.かくはん」が、また様式は異なるがパルセータ方式にかくはん式の特徴を取り入れた方式としては東芝の「最洗ターン」、三洋電機の「手もみL」が存在したが、いずれも現在までに廃止されている。
ビートウォッシュ
日立製作所が開発した方式。基本構造はパルセータ式と同様であるが、波状の形状をしたパルセータを洗濯物に直接接触させ洗濯する点が異なる。
ドラム式
使用水量が少ない。槽は横を向いた機種が多い。洗剤液の中で、洗濯物を入れたドラムごと回転させ叩き洗いが出来る。クリーニング店の洗濯機ではこの方式が良く使われているが、重量が重いために家庭用では乾燥機付き洗濯機に限られる。また古い(昭和戦後~平成初期の)アパートや賃貸マンションでは洗面台の入口が55cm~59cmと狭小の為、最小59.5cmのドラム式洗濯機を設置することが不可であり、古いアパート、賃貸マンションに入居している世帯ではどうしてもパルセータ式かビートウォッシュ式などといった従来の直立式しか選ぶことが出来ない。

技術

注水ポンプ
おもに風呂の残り湯を使うためのポンプ。風呂水ホース付属機種は、ホースの先端にポンプがある機種と、洗濯機本体にポンプを内蔵している機種に分かれる
制振鋼板
脱水時のモータの振動を抑えるため、鉄板と鉄板の間にプラスチック等を挟んで、振動を抑制するようにした鋼板。
ニューロファジー
洗濯の制御を行うマイコンの動作に使われていたキャッチフレーズ。
ダイレクトドライブ
槽とモーターを直結し、低騒音化をはかったもの。

関連項目

外部リンク