「超特急」の版間の差分

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====戦後の「超特急」と「スーパー」列車====
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特急列車自体、戦時下の[[1944年]](昭和19年)に廃されて[[1949年]](昭和24年)に「[[東海道本線優等列車沿革|へいわ]]」の復活まで運行されることが無かった。しかし「へいわ」→「[[つばめ (列車)|つばめ]]」の成功や、[[1956年]](昭和31年)に[[東海道本線]]が全線[[電化]]されたことに伴い、特急列車の速達化を計る上で「超特急列車構想」が生まれ、「ビジネス特急」と設計時通称された「[[こだま_(列車)|こだま]]」用車両"20系電車"(称号改正により後に[[国鉄181系電車|151系→181系]]となる)がその構想に基づいて誕生したといわれている。結果的に同線を運行する特急・[[急行列車]]の大部分は[[電車]]化されることになるが、[[東海道新幹線]]開業に伴い、特急列車は新幹線列車に移行する形で廃されることになる。
特急列車自体、戦時下の[[1944年]](昭和19年)に廃されて[[1949年]](昭和24年)に「[[東海道本線優等列車沿革|へいわ]]」の復活まで運行されることが無かった。しかし「へいわ」→「[[つばめ (列車)#太平洋戦争後の展開|つばめ]]」の成功や、[[1956年]](昭和31年)に[[東海道本線]]が全線[[電化]]されたことに伴い、特急列車の速達化を計る上で「超特急列車構想」が生まれ、「ビジネス特急」と設計時通称された「[[こだま_(列車)|こだま]]」用車両"20系電車"(称号改正により後に[[国鉄181系電車|151系→181系]]となる)がその構想に基づいて誕生したといわれている。結果的に同線を運行する特急・[[急行列車]]の大部分は[[電車]]化されることになるが、[[東海道新幹線]]開業に伴い、特急列車は新幹線列車に移行する形で廃されることになる。


なお、[[JR]]発足前後より運行される特急列車の中で新型車両の導入や速達列車には「スーパー」と列車名に冠される列車が運行されることがあるが、多くの場合設定時には停車駅の精選などが行われる事例が見受けられる。これは、[[1980年代]]前半のJR発足直前までに急行列車を統合し、[[優等列車]]が特急列車のみとなった関係で、格上の列車にこの名称を用いるざるを得なかったことが考えられるが、かつての「超特急」とは異なり、単なる車両の違いなどで使い分けられる場合もダイヤの設定上ままありえた。
なお、[[JR]]発足前後より運行される特急列車の中で新型車両の導入や速達列車には「スーパー」と列車名に冠される列車が運行されることがあるが、多くの場合設定時には停車駅の精選などが行われる事例が見受けられる。これは、[[1980年代]]前半のJR発足直前までに急行列車を統合し、[[優等列車]]が特急列車のみとなった関係で、格上の列車にこの名称を用いるざるを得なかったことが考えられるが、かつての「超特急」とは異なり、単なる車両の違いなどで使い分けられる場合もダイヤの設定上ままありえた。

2008年3月2日 (日) 03:55時点における版

超特急ちょうとっきゅう)は、特別急行列車(特急)よりも更に速い列車。また、「超特急で仕事する」等、列車以外のものの速さを強調する時にも使われる。

列車種別・愛称としての「超特急」

日本

21世紀初頭の現在の日本の鉄道では、「超特急」という種別の列車は正式には存在しない。但し、過去にはそう称された列車が存在した。現在存在していない理由は不明だが、おそらく下記の新幹線の登場が大きいのではないかと思われる。現在、「特急」以上の種別としては「快速特急」と名づけられているケースが見受けられる。

戦前の「超特急」

通称としての「超特急」

戦前に日本で「超特急」と呼ばれていた列車として著名な列車として、1930年昭和5年)10月に東京駅神戸駅間で運行を開始した特別急行列車」号が挙げられる。これはダイヤ設定にあたって編成を他の特急列車に比べ短縮したものとし、停車駅を運転上必要なものと大都市のみに絞り、かつ使用する蒸気機関車に補助給水車を連結するなどして、蒸気機関車牽引列車であっても最大限に速度設定が出来るように設定された。しかし、「燕」に対する「超特急」の呼称はあくまでも通称であって、「特別急行」が正式な列車種別だった。

正式名称としての「超特急」

戦後の「超特急」と「スーパー」列車

特急列車自体、戦時下の1944年(昭和19年)に廃されて1949年(昭和24年)に「へいわ」の復活まで運行されることが無かった。しかし「へいわ」→「つばめ」の成功や、1956年(昭和31年)に東海道本線が全線電化されたことに伴い、特急列車の速達化を計る上で「超特急列車構想」が生まれ、「ビジネス特急」と設計時通称された「こだま」用車両"20系電車"(称号改正により後に151系→181系となる)がその構想に基づいて誕生したといわれている。結果的に同線を運行する特急・急行列車の大部分は電車化されることになるが、東海道新幹線開業に伴い、特急列車は新幹線列車に移行する形で廃されることになる。

なお、JR発足前後より運行される特急列車の中で新型車両の導入や速達列車には「スーパー」と列車名に冠される列車が運行されることがあるが、多くの場合設定時には停車駅の精選などが行われる事例が見受けられる。これは、1980年代前半のJR発足直前までに急行列車を統合し、優等列車が特急列車のみとなった関係で、格上の列車にこの名称を用いるざるを得なかったことが考えられるが、かつての「超特急」とは異なり、単なる車両の違いなどで使い分けられる場合もダイヤの設定上ままありえた。

また、整備新幹線の内、新幹線鉄道規格新線を通過する列車として「スーパー特急」という言い回しを用いるが、これはいわゆる「フル規格」と称される新幹線規格を使った列車が「超特急」と喧伝された関係で、それに近い言い回しを用いたものとされる。

新幹線列車種別としての「超特急」

東海道新幹線計画が実現に向かうにつれ、新幹線のことを「夢の超特急」と表現することが多くなった。これは構想当時の建設区間である東京大阪間の所要時間が当時の速達列車の6時間程度から3時間にまで速達化することからこの呼び名が用いられたと考えられる。

新幹線が開業した際には、「ひかり」号を最速列車として超特急、「こだま」号を在来線特急からの移行として特急というように、それぞれに違う呼称を与え、新幹線料金にも格差を設けた。しかし、1972年(昭和47年)3月から後に料金の差がなくなったこともあり超特急という呼称は使わなくなった。

1992年(平成4年)3月から運転を開始した「のぞみ」号は、2003年(平成15年)10月1日まで「ひかり」号・「こだま」号よりも高い特急料金を設定していたが、列車種別上の表記は「超特急」としていなかった。なお、300系として実現した超高速運転構想について、超々特急の呼称で言及していることがある。

しかし、新幹線車内の英語アナウンスでは、例えば"This is the NOZOMI Superexpress bound for Tokyo"(東京駅行「のぞみ」〈超〉特急)のように放送されており、在来線の特急を示すLimited Expressとは区別が残っている。この"Superexpress"は東海道山陽新幹線に限らず、東北上越長野九州新幹線の様に新幹線列車では共通に用いられている。

鉄道以外の「超特急」

鉄道以外では、高速バス路線バスの内「特急バス」等と称する場合にいわゆる直行便タイプのものをこう称する場合がある。その場合、運賃などで差がない場合が多い。

関連項目