無理ゲー
無理ゲー(むりゲー)は、コンピュータゲームの分類や評論用語の一つ。ここから転じて社会の物事を表す場合にも用いられるようになる。
概要
[編集]存在するコンピュータゲームのタイトルの中でも、その難易度が高過ぎるようなもののことを意味する言葉。ゲーはゲームの略である[1]。コンピュータゲームには単にスキルや経験不足のためにクリアが難しい場合があり、このようなソフトの場合には無理ゲーとはされない反面、スキルが高く経験があるような人でもクリアをすることが困難であったり時間がかかるような作品のことが無理ゲーとされている[2]。
この無理ゲーというのは、SNSやインターネット掲示板や動画配信サイトなどでは頻繁に使われている有名なインターネットスラングである[3]。
ファミリーコンピュータが普及していた時代には、クリアをすることがほぼ不可能な作品が特に多く存在しており、この頃に無理ゲーという言葉が使われるようになっていた[3]。
派生用法
[編集]ゲームの難易度を表す言葉から転じて、社会において状況的や物理的に実現することが不可能だったり、達成することが困難な物事を表す場合にも無理ゲーという言葉が用いられるようになる。だが若い世代の人たちにおいては、大それたことがなく日常生活のちょっとしたことに対して難しいと感じたときでも若者独特の形で無理ゲーという言葉を使う傾向がある。若者がこのような使い方をしている背景には、SNSなどではよりインパクトのある表現をするということが好まれるという傾向もある[2]。
インターネットスラングなのであるが、これに留まらずに様々なメディアでもこの無理ゲーという言葉が用いられるようになっている。
社会情勢が厳しくなった時代[いつから?]では、それまでの時代[いつ?]に生きた人ならば普通にできていたこと[要追加記述]ができなくなっているために、このようなことを無理ゲーと表現するニュース記事もある。現代の日本では、当たり前に過ごしていた人が突然[要追加記述]仕事も住む場所も失い生活苦になり、経済成長も止まってしまっているために日本で生きること自体が無理ゲーとなっている場合がある[4]。現代の日本の中間管理職というのは無理ゲーであるとされることがある。ステップアップしていかないからである。中間管理職に就いている人[要追加記述]は日々やるべきことが山積しており、その業務をさばくだけで1日の大半が終わっている上、相応の評価も賞与も得られていない。ゲームで言うならば次々と現れる敵を倒し続けてHPばかりが減り続けているのに、ステージも変わらずレベルも上がらない状況である[5]。
令和の日本での結婚もまた、結婚歴のない未婚者から無理ゲーと捉えられることがある。結婚する人は減り、生涯未婚率は上がり少子化も加速している。結婚活動をしている人は存在するものの、マッチングアプリに登録していても誰とも出会えなかったり、何人もの女性と出会っているものの結婚まで至れなかったり、付き合っている女性はいるものの経済的に難しいため結婚を踏み出せないなどという人[誰?]は多い[6]。無理ゲーという言葉が書籍のタイトルに含まれている場合もある。このような書籍では社会情勢が厳しくなっていることから人々は生き辛くなっている現状が述べられている[7]。
コンピュータゲームの無理ゲーを取り扱った書籍
[編集]- 『死ぬ前にクリアしたい200の無理ゲー ファミコン&スーファミ編』マイウェイ出版、2018年8月29日。ISBN 978-4865119855。
- 『懐かしの激ムズ名作ゲーム大全!ファミコン・スーファミの無理ゲー』スタジオグリーン、2019年3月8日。 ※電子書籍
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 「無理ゲー」『デジタル大辞泉』 。コトバンクより2024年9月24日閲覧。
- ^ a b “SNSなどでよく見かける言葉「無理ゲー」ってどういう意味?”. @DIME. 小学館 (2021年11月14日). 2024年9月24日閲覧。
- ^ 雨宮処凛、高木香織 (2024年7月25日). “日本で「普通に生きる」は、もはや無理ゲーです…将来を《搾取》されないために知るべき『死なないノウハウ』”. 現代ビジネス. 講談社. 2024年9月24日閲覧。
- ^ “月200時間働いても評価されない...そんな無理ゲー攻略のカギは「見るべき景色」を認識すること”. Newsweek日本版. CCCメディアハウス (2024年6月3日). 2024年9月24日閲覧。
- ^ “結婚は無理ゲーですか? 結婚をめぐる令和時代の男女の物語”. 中日新聞Web. 中日新聞社 (2024年8月29日). 2024年9月24日閲覧。
- ^ “『無理ゲー社会』橘玲に聞く 「自分らしく生きる」が生んだ絶望”. 日経BOOKプラス. 日経BP (2023年7月10日). 2024年9月24日閲覧。