松商学園対四日市工延長16回
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松商学園対四日市工業延長16回(まつしょうがくえんたいよっかいちこうぎょうえんちょう16かい)とは、1991年8月18日に甲子園球場で行われた第73回全国高等学校野球選手権大会3回戦、長野県代表・松商学園対三重県代表・四日市工の試合である。試合時間は3時間46分。
試合経過
[編集]まず四日市工が5回表2死3塁から、2点ホームランと井手元のタイムリーで3点を挙げる。その後7回ウラには、松商学園が連続四球で無死満塁のチャンスに3点を挙げる。試合は9回で決着着かずに、そのまま同点で延長戦に突入して、大会屈指の好投手上田佳範と井手元健一朗の投げ合いとなった。
その後両チームともにチャンスは掴むものの、あと1本が出ずにゼロ行進が続いた。しかし延長16回ウラ松商学園の攻撃で、1死満塁から上田への初球(井手元の238球目)が、上田の利き腕となる右肩に当たって死球となり、押し出しのサヨナラ勝ちで松商学園が勝利を収めた。その瞬間、井手元はマウンドに両手両膝をついてガックリとうなだれ、上田はバッターボックスに倒れ込んだが左手を上げて喜んだ。
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四日市工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
松商学園 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1x | 4 |
- [審判](球)山名(塁)相沢・生越・三宅
出場選手
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試合後
[編集]- 上田投手は翌日の準々決勝・星稜(石川県代表)に備えて、死球で痛めた右肩を病院で診察を受けていた。翌朝起床後も、デッドボールを受けた箇所はボールの縫い目がはっきりとわかるくらいに、酷い状態になっていた。それでも上田は中原監督に『投げさせてください』と直訴して登板した。準々決勝の星稜戦は四日市工戦翌日の第2試合(当時は準々決勝を1日4試合行っていたため午前中の試合開始)だったため、上田は24時間の間に328球を投げた。試合は星稜に2-3と、1点差の惜敗で甲子園を去った。然し、上田は試合後のインタビューで「右肩は痛くないと言えばウソになるが、それを負けた理由にはしたくない」と、四日市工戦のことを一切言い訳にはしなかった。だが、当時星稜の2年生で4番打者だった松井秀喜は、「やっぱり上田さんは本調子の投球ではなかった」とも語っている。
- 大会後、軟式の全国大会にも松商学園が出場。準決勝で類似した学校名の四日市(ただしこの学校は三重県代表では無く大分県代表)と対戦したが、またまた延長16回まで試合がもつれ込み、最後押し出しの四球で勝利を収めると言う飛んだ偶然が起こった。
参考資料
[編集]- 洋泉社MOOK 甲子園 激闘!「最終回」伝説 p24-25(2010年6月28日発行)ISBN 978-4-86248-578-6