慈眼寺 (徳島県上勝町)

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慈眼寺

本堂エリア
所在地 徳島県勝浦郡上勝町正木
位置 北緯33度56分24.73秒 東経134度25分50.68秒 / 北緯33.9402028度 東経134.4307444度 / 33.9402028; 134.4307444座標: 北緯33度56分24.73秒 東経134度25分50.68秒 / 北緯33.9402028度 東経134.4307444度 / 33.9402028; 134.4307444
山号 月頂山
院号 宝珠院
宗派 高野山真言宗
本尊 十一面観音
創建年 (伝)延暦年間(782年 - 805年
開基 (伝)空海(弘法大師)
正式名 月頂山 宝珠院 慈眼寺
別称 穴禅定の寺
札所等 四国八十八箇所20番奥院
四国別格二十霊場3番
公式サイト 穴禅定の寺 慈眼寺
法人番号 6480005002442 ウィキデータを編集
慈眼寺 (徳島県上勝町)の位置(徳島県内)
慈眼寺
慈眼寺
地図
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慈眼寺の山

慈眼寺(じげんじ)は、徳島県勝浦郡上勝町に所在する高野山真言宗の寺院。山号は月頂山、院号は宝珠院と号す。本尊は十一面観世音菩薩四国八十八箇所霊場第二十番札所奥の院、四国別格二十霊場三番札所。

  • 本尊真言:おん まか きゃろにきゃ そわか
  • 御詠歌:天(あま)とふや 鶴の奥山 おくたへて 願ふ功力に 法(のり)ぞ通はむ

概要[編集]

「穴禅定の寺」と知られ、上勝町正木の集落(標高150 m付近)より山道を上った標高320 m付近の車道脇から見上げると灌頂滝が臨め、さらに上がった標高550 m付近に本坊・駐車場があり、そこから徒歩で約20分登った標高約700 m付近の石灰岩質の山腹に本堂と穴禅定がある。

寺伝によれば平安時代初期の延暦年間(782年 – 805年四国を巡錫中の空海(弘法大師)が、邪気の漂う不思議な鍾乳洞を発見した。洞窟の入口で数日間、加持祈祷を行ったところ悪が洞窟より出て空海を襲った。空海は法力で悪龍を洞窟の壁に封じ込めた。また、十一面観音を刻んで洞窟の前に堂宇を建立し安置した。これが慈眼寺の開創と伝えられている。

境内[編集]

  • 本堂:大師堂と護摩堂のある本坊より山道を徒歩で約20分登った場所にある。(線香に火をつけお堂の周りを3周し祈願する習わしがある。)
  • 大師堂:本坊にあり、大師像が拝顔できる。
  • 護摩堂:中に入って不動像を拝顔して参拝できる。
  • 蔵王権現堂:2015年新築。蔵王権現が本尊で両脇に不動明王と毘沙門天。その前に双羽権現と蔵王権現を参拝できる。御影には本尊の脇侍として両権現が描かれているが、由緒は不明[注釈 1]
  • 本堂への参拝登山道沿いにミニ八十八箇所が点在している。
  • 本坊:納経所の空間には2019年冬より暖炉がある。
  • 穴禅定:本堂の更に上部にある鍾乳洞。最も奥に弘法大師石像。修行用の白衣と藁草履(有料)を借り、寺の案内人(先達)の指示によりロウソク1本で入洞する。洞窟の距離は100 m程と短いが拝観におおむね2時間を要し、試しの2本の支柱の間28 cmを通過できない体格の大きい人と閉所恐怖症の人は入洞できない。入洞期間は3月1日より11月30日まで(ただし、8月13日から15日と悪天候時は入洞できない)。3人以上であれば一人当たり1000円、一人のみであれば3000円、二人であれば一人1500円という費用で案内してくださる。(2016/8月現在)

文化財[編集]

鍾乳洞(穴禅定)の入り口
上勝町指定有形文化財
  • 十一面観音菩薩立像(本尊):像高70 cm、1976指定
上勝町指定天然記念物
  • 鍾乳洞(穴禅定)

前後の札所[編集]

四国八十八箇所
20 鶴林寺 --(20.1 km)-- 20番奥の院 慈眼寺 --(23.4 km)-- 21 太龍寺
四国別格二十霊場
2 童学寺 --(48.0 km)-- 3 慈眼寺 --(阿南市経由 78.5 km)-- 4 鯖大師本坊

周辺[編集]

灌頂ヶ滝
  • 灌頂ヶ滝(かんじょうがたき):「御来仰の滝」とも呼ばれる。寺院へ向かう車道脇ににあり、落差約70 mの直瀑。渇水時は非常に流水が少ない。車道からの入口すぐには竜神を祀る岩の祠があり、最も左上方には覚鑁(興教大師)作と伝わる不動明王を安置している。
  • 雄(おん)淵・雌(めん)淵:灌頂ヶ滝の下方に位置し、藤川谷川の支流である関ケ谷川にある。淵神の塔のカーブから入って行く。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 先代住職から由緒を引き継いでなく、文書も火災で焼失のため名前以外は今となっては知るよしもない

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 徳島史学会 編『新版 徳島県の歴史散歩』(1刷)山川出版社、1995年、163-164頁。 NCID BN13061014 
  • 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』 解説編(第7版)、へんろみち保存協力会、2007年。 
  • 『四国第二十番奥の院 別格霊場第三番 慈眼寺』 現地配布パンフレット

外部リンク[編集]