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小児慢性特定疾病対策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

小児慢性特定疾病対策(しょうにまんせいとくていしっぺいたいさく)とは、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の5の規定および持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成25 年法律第112 号)に基づく措置として、公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立を図り、また、小児慢性特定疾病の児童等の自立を支援するための事業を法定化する等の措置を講ずることとし、小児慢性特定疾病対策の充実を目指すものである。 1974年(昭和49年)度に開始された小児慢性特定疾患治療研究事業から引き継がれ、2015年1月1日より施行されている。実施主体は都道府県指定都市及び中核市である。

概説

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小児慢性特定疾病対策において、慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の在り方を下記のように定めている。

  1. 小児慢性特定疾病にかかっている児童等について、健全育成の観点から、患児家庭の医療費の負担軽減を図るため、その医療費の自己負担分の一部を助成(医療費助成を義務的経費として位置付け)
  2. 研究の推進と医療の質の向上
  3. 慢性疾患児の特性を踏まえた健全育成・社会参加の促進、地域関係者が一体となった自立支援の充実(成人移行に当たっての支援を含む)

小児慢性特定疾患治療研究事業として1974年に開始された。かつては法律に定められたものではなかったが、児童福祉法の改正により2005年4月1日から法制化された。児童福祉法の一部を改正する法律(平成26年法律第47号)が難病の患者に対する医療等に関する法律と併せて2015年1月1日に施行され、対象が11疾患群514疾患から14疾患群704疾病に拡大され、小児慢性特定疾病対策として自立支援事業とともに扱われることとなった。

対象となる者は、厚生労働大臣が定める慢性疾患にかかっており、疾患の状態が厚生労働大臣が定める程度となっている18歳未満の児童である。ただし、18歳に到達した後も引き続き治療が必要であると認められる場合は、20歳に到達するまで延長が認められる。

医療費の自己負担上限額については、所得の状況に応じて6階層の区分がある。高額な医療な医療が長期的に継続する者や療養に係る負担が特に重い者については、重症患者認定基準により上限額が別途規定されている。

小児慢性特定疾病とは

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医療費助成の対象となる「小児慢性特定疾病」は、以下の要件の全てを満たすもののうちから、厚生労働大臣が定めるもの。

  • 慢性に経過する疾病であること
  • 生命を長期に脅かす疾病であること
  • 症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
  • 長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること

対象疾患

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各疾患ごとに対象基準が別途定められている[1][2][3]

  1. 悪性新生物群(白血病リンパ腫神経芽腫 等)
  2. 慢性腎疾患(ネフローゼ症候群慢性糸球体腎炎アミロイド腎 等)
  3. 慢性呼吸器疾患(気管支喘息気道狭窄 等)
  4. 慢性心疾患(ファロー四徴症単心室 等)
  5. 内分泌疾患(成長ホルモン分泌不全性低身長症尿崩症 等)
  6. 膠原病若年性特発性関節炎英語版全身性エリテマトーデス 等)
  7. 糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病)
  8. 先天性代謝異常(フェニルケトン尿症ウィルソン病 等)
  9. 血液疾患(巨赤芽球性貧血血友病再生不良性貧血 等)
  10. 免疫疾患(高IgE症候群慢性移植片対宿主病 等)
  11. 神経・筋疾患(もやもや病点頭てんかんウエスト症候群)、結節性硬化症 等)
  12. 慢性消化器疾患(潰瘍性大腸炎クローン病胆道閉鎖症先天性胆道拡張症 等)
  13. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群(歌舞伎症候群18トリソミー症候群ダウン症 等)
  14. 皮膚疾患群(眼皮膚白皮症(先天性白皮症)、色素性乾皮症 等)

脚注

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  1. ^ ご存じですか?小児慢性特定疾患対策 (PDF)
  2. ^ 小児慢性特定疾病情報センター 疾患一覧厚生労働省告示(第四百七十五号) (PDF)
  3. ^ 小児慢性特定疾病の対象疾病リスト” (PDF). 小児慢性特定疾病情報センター. 2021年8月30日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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