丹後震災記念館

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丹後震災記念館
地図
施設情報
専門分野 北丹後地震
事業主体 京丹後市
開館 1929年
閉館 2012年4月
所在地 627-0024
京都府京丹後市峰山町室1198
位置 北緯35度37分32.9秒 東経135度3分22秒 / 北緯35.625806度 東経135.05611度 / 35.625806; 135.05611座標: 北緯35度37分32.9秒 東経135度3分22秒 / 北緯35.625806度 東経135.05611度 / 35.625806; 135.05611
外部リンク 丹後震災記念館
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丹後震災記念館(たんごしんさいきねんかん)は、京都府京丹後市峰山町室にある建築物日本建築学会による「近代日本の名建築」(1979年)[1]京都府指定文化財(2005年3月10日指定)[1]

1927年(昭和2年)の北丹後地震(丹後大震災)を記念して1929年(昭和4年)に竣工した[2][3]。耐震面を重視して鉄筋コンクリート造で建築されたが、現代の耐震基準を満たしていないことから、2012年4月に建物内への立ち入りが禁止された[4]

沿革[編集]

丹後震災記念館
情報
設計者 一井九平(京都府技師)
施工 山虎組
構造形式 鉄筋コンクリート造
階数 地上2階・地下1階建
開館開所 1929年
座標 北緯35度37分32.9秒 東経135度3分22秒 / 北緯35.625806度 東経135.05611度 / 35.625806; 135.05611 (丹後震災記念館)
文化財 京都府指定文化財
指定・登録等日 2005年3月10日
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1927年(昭和2年)3月7日には京都府丹後半島北部で北丹後地震(丹後大震災)が発生し、死者2,925人、負傷者7,806人の大災害となった。震災記念館の南側には、記念館より早く1929年(昭和4年)3月の震災2周年の際に峰山町役場が震災記念塔を建設している[2][3]。犠牲者の慰霊や記録資料の保存、地震に関する学術研究を目的に、1929年(昭和4年)12月に丹後震災記念館が竣工した[2][3]

震災1周年における大海原重義京都府知事の談話が建設のきっかけである[2][3]。震災2周年に際して震災義援金の残金を用いて京都府が建設を計画した。京都府は関係市町村の意向を汲み、もっとも被害が大きかった中郡峰山町の市街地を見下ろす丘の上に建設した[2][3]。震災を記念することから耐震面も重視しており、当時としては珍しかった鉄筋コンクリート造であるほか[2][3]、窓の開口部は極力減らされている。設計は京都府庁旧本館などにも携わった京都府技師の一井九平、施工は山虎組である[2][3]。当時の一井は京都府峰山出張所の責任者であり、峰山町では峰山町立峰山尋常高等小学校本館の設計も行っている[2]

震災3周年の1930年(昭和5年)から震災記念館講堂を会場にして、神式・仏式の双方で慰霊祭が行われている[2][3]。当初は財団法人丹後震災記念館が運営を行っていたが、1954年(昭和29年)に峰山町に無償譲渡されて運営が移管された[2][3]。この間の1949年(昭和24年)に社会教育法が施行されると、同年には震災記念館は峰山町中央公民館となった[2]。1955年(昭和30年)には峰山町立図書館となり、1980年(昭和55年)に現在地に移転するまで図書館であった[2]。1972年(昭和47年)からは毎年丹後地震記念展が開催されている[2]。壁面には洋画家の伊藤快彦が描いた油絵3枚が掛けられている[1]

1979年には日本建築学会によって「近代日本の名建築」に選ばれた[1]。2005年(平成17年)3月10日には建物が京都府指定文化財に指定された[1]。しかし耐震面で問題があることから、2012年(平成24年)4月から施設への立ち入りが禁止された[4][5]

各地の震災記念建築物[編集]

関東大震災を記念した東京都復興記念館

利用案内[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 丹後震災記念館 京丹後市
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 京丹後市教育委員会文化財保護課『丹後震災記念館 建築とその後の展開』京丹後市教育委員会、2009年
  3. ^ a b c d e f g h i 新谷勝行「丹後震災記念館の建築とその意義」『歴史地震』第28号、2013年、p. 164
  4. ^ a b 旧峰山町に建つ丹後震災記念館 京都旅屋、2017年3月6日
  5. ^ 「老朽記念館存廃の岐路 北丹後地震90年 保全費捻出難しく」読売新聞、2017年3月5日

参考文献[編集]

  • 京丹後市教育委員会文化財保護課『丹後震災記念館 建築とその後の展開』京丹後市教育委員会、2009年
  • 新谷勝行「丹後震災記念館の建築とその意義」『歴史地震』第28号、2013年、p. 164

外部リンク[編集]