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リッキー・ウィルソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リッキー・ウィルソン
Ricky Wilson
出生名 Ricky Helton Wilson
生誕 (1953-03-19) 1953年3月19日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ジョージア州アセンズ
死没 (1985-10-12) 1985年10月12日(32歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク
ジャンル ニュー・ウェイヴポストパンク
担当楽器 ギターほか
活動期間 1973年 - 1985年
レーベル ワーナー・ブラザースリプリーズアイランド
共同作業者 The B-52's
著名使用楽器
モズライト・マークⅤ

リッキー・ウィルソン(Ricky Wilson、1953年3月19日 - 1985年10月12日)は、アメリカ合衆国出身のギタリストThe B-52'sの創設メンバーの一人。メンバーのシンディ・ウィルソンは妹。AIDSによる合併症により死去した。

来歴

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ジョージア州アセンズ生まれ。父親のボビー・ジャック・ウィルソンは消防士だった[1]。3歳のときに妹のシンディが生まれた[2]。テレビ放送局「National Educational Television」の番組「Learning Folk Guitar」でフォークギターを覚えた[3]クラーク・セントラル高校に入学すると、シルバートーンのギターを手に入れ、夏休みに地元のごみ廃棄場でアルバイトしてためた金で2トラックのテープレコーダーを購入した。ウィルソンはこの頃に聴いた子ども用の音楽やママス&パパスエスケリータなどが音楽活動の源泉にあると述べている。

1969年半ばに地元のヘッドショップ(マリファナなどを売る店)でキース・ストリックランドと出会う[4] 。音楽の好みと東洋神秘主義への関心が一致していたため、二人はすぐに親しくなった[3] 。ウィルソンは、自身が同性愛者であることをストリックランドに密かに打ち明けた[5]。なおストリックランドは1992年に自身が同性愛者であることを公表している[6][注 1]

同年から1971年まで、ウィルソンは、ストリックランド、ルイスヴィルに住む同級生のピート・ラヴ、地元に住むオーウェン・スコット三世と4人で「Black Narcissus」というバンドを組み、音楽活動を行った。1976年にジョージア大学を卒業すると、ストリックランドを誘ってヨーロッパを巡った。帰国後、ストラックランドの父親がマネージャーとして働ていたサウスイースターン・ステージズ・バス・ステーションに勤務する。

1976年の終わり、ウィルソン、妹のシンディ・ウィルソン、ストリックランド、ケイト・ピアソン、フレッド・シュナイダーの5人は地元の中華レストランでカクテルの「Flaming volcano」を分け合い、意気投合。オーウェン・スコット三世の家でセッションを行い、かくてThe B-52'sは結成された。1977年、友だちのために開かれたバレンタインデーのパーティで彼らは最初の演奏を披露した[9][10]

1978年4月、The B-52'sは地元のレーベル会社、DBレコードからシングル「ロック・ロブスター」を発表した[11]。1979年、グループはワーナー・ブラザース・レコードと契約。クリス・ブラックウェルのプロデュースの下、同年7月6日にアルバム『警告! THE B-52'S来襲』を発表した。ウィルソンは、この年に発売されたトム・ヴァーレインのファースト・アルバム『醒めた炎』のレコーディングに参加し、「Breakin' in My Heart」でギターを弾いた。

ウィルソンの特異なギターのチューニング(3弦、または3弦と4弦の両方を外し、その他のいくつかの弦も通常とは異なる高さでチューニング)はグループの音楽に決定的な影響を及ぼした[9]

1983年4月に発売された3枚目のアルバム『Whammy!』の制作中、ウィルソンはHIVに感染していることに気づいた。そのことはストリックランドのみに告げられた[12][13]

1985年7月、グループはニューヨークのシグマ・サウンド・スタジオに入り、次のアルバムのためのレコ―ディングを行った。この頃にはウィルソンの体の衰弱は覆い隠せないものとなっていた。同年10月12日、ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリング癌センターAIDSによる合併症により死去した[13]。 32歳没。

4枚目のアルバム『Bouncing Off the Satellites』は1986年9月に発売されるが、ウィルソンの死に打ちのめされたメンバーはプロモーションをほとんど行わず、ツアーもしなかった。

脚注

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注釈

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  1. ^ The B-52'sのメンバーのフレッド・シュナイダーも同性愛者であることを公表している[7]。また、ケイト・ピアソンは2015年のインタビューで両性愛者であることを明かしている[8]

出典

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  1. ^ Bobby Jack Wilson – Online Athens”. 2023年4月19日閲覧。
  2. ^ Scott, Rosemary (June 25, 2017). “Cindy Wilson: Looking Back and Moving Forward”. The Red and Black. October 1, 2021閲覧。
  3. ^ a b Sexton 2002, p. 28.
  4. ^ Sexton 2002, p. 29.
  5. ^ Return to the love shack: the B-52s, the world's greatest party band, comes out (in more ways than one) with its first new album in 16 years. – Free Online Library”. 2023年4月19日閲覧。
  6. ^ Dagostino, Scott (March 5, 2008). “Bohemian Rhapsody: How some artsy queer kids in Georgia became the World's Greatest Party Band”. fab magazine. June 12, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月19日閲覧。 “…look at people like Marilyn Manson—it’s just so queer anyway. Does it really matter if people come out in rock ‘n’ roll? Do people really care? When Melissa Etheridge came out, her next album went through the roof! I think it’s just a good thing to do for your self. I came out publicly, in the press, for myself. Prior to that, I’d never been asked in the press if I was gay or not but I wanted to put it out there, just for myself.”
  7. ^ Staff (February 22, 2010). “The B-52s' Fred Schneider Was Inspired by Yoko Ono”. The Howard Stern Show. March 14, 2021閲覧。
  8. ^ May, Adam (April 30, 2015). “Kate Pierson Talks To Adam May”. Al Jazeera America. October 1, 2021時点のオリジナルよりアーカイブOctober 1, 2021閲覧。
  9. ^ a b Azerrad, Michael (March 22, 1990). “The B-52's”. Rolling Stone (574): 46. 
  10. ^ Rolling Stone Biography for The B-52s”. Rolling Stone. オリジナルのJuly 16, 2007時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070716102637/http://www.rollingstone.com/artists/theb52s/biography. 
  11. ^ Rock Lobster by The B-52s - Songfacts
  12. ^ Wener, Ben (August 11, 1998). “The B-52s party on!: Nearly 20 years after turning the pop world on its ear, the group is gaining in popularity”. The Spectator: p. D-10. https://pqasb.pqarchiver.com/thestar/access/509127881.html?dids=509127881:509127881&FMT=ABS&FMTS=ABS:FT&type=current&date=Aug+11%2C+1998&author=Ben+Wener&pub=The+Spectator&desc=The+B-52s+party+on!%3A+Nearly+20+years+after+turning+the+pop+world+on+its+ear%2C+the+group+is+gaining+in+popularity.&pqatl=google 2023年4月19日閲覧。 
  13. ^ a b Roberts, Jo (November 27, 2009). “Bouffant bombshell”. The Age: p. 2. http://www.theage.com.au/news/entertainment/music/bouffant-bombshell/2009/11/26/1258824784842.html?page=2 2023年4月19日閲覧。 

参考文献

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  • Johnson, Chad. CliffsNotes to Guitar Songs. Milwaukee, WI: Hal Leonard, 2014.
  • Perone, James E. The Album: A Guide to Pop Music's Most Provocative, Influential, and Important Creations, 4 Volumes. Santa Barbara, CA: ABC-CLIO, 2012.
  • Sexton, Mats (2002). The B-52's Universe: The Essential Guide to the World's Greatest Party Band. Minneapolis: Plan-B Books. ISBN 978-0-9652745-9-3 
  • Simmonds, Jeremy. The Encyclopedia of Dead Rock Stars: Heroin, Handguns, and Ham Sandwiches. Chicago, IL: Chicago Review Press, 2012.
  • Various Mojo Magazine. The Mojo Collection: 4th Edition. Edinburgh, UK: Canongate Books, 2007.
  • Ricky Wilson (B-52's), Danelectro Dano Pro Electric Guitar from Equipboard.com. Ricky Wilson (B-52's)'s Danelectro Dano Pro Electric Guitar.
  • Ricky Wilson and the Rock Lobster from Legacy.com.