ハスコヴォ

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ハスコヴォ

Хасково
都市
ハスコヴォの紋章
紋章
ハスコヴォの位置(ブルガリア内)
ハスコヴォ
ハスコヴォ
ハスコヴォの位置(バルカン半島内)
ハスコヴォ
ハスコヴォ
ハスコヴォの位置(ヨーロッパ内)
ハスコヴォ
ハスコヴォ
座標:北緯41度56分 東経25度34分 / 北緯41.933度 東経25.567度 / 41.933; 25.567座標: 北緯41度56分 東経25度34分 / 北緯41.933度 東経25.567度 / 41.933; 25.567
ブルガリアの旗 ブルガリア
ハスコヴォ州
政府
 • 市長 スタニスラフ・デチェフ
面積
 • 都市 25.555 km2
標高
203 m
人口
(2023年)[1]
 • 都市 64 564人
 • 都市部
83 682人
等時帯 UTC+2 (EET)
 • 夏時間 UTC+3 (EEST)
郵便番号
6300
市外局番 038
ナンバープレート X
ウェブサイト Official website
世界最大の生神女マリヤの像
イヴァン・ディモフ・ドラマ劇場(1921年)

ハスコヴォブルガリア語:Ха̀сково / Haskovoトルコ語ではハスキョイ:Hasköy)はブルガリア中南部の都市、およびそれを中心とした基礎自治体であり、ハスコヴォ州に属する。ギリシャトルコへの国境へも近く、その人口は2009年6月の時点で8万人強である。

1985年に町の1000周年が祝福され、この時のために新しい時計塔が建てられた。市内には、オスマン帝国時代の有名な国際交易市場のあったウズンジョヴォУзунджово / Uzundzhovo)村がある。

歴史[編集]

考古学的調査によると、ハスコヴォ地域には7千年前から人の居住が確認できる。ハスコヴォとその周辺には、先史時代からのトラキア人古代ギリシア古代ローマ東ローマ帝国の時代の人の居住の痕跡が保存されている。

9世紀第一次ブルガリア帝国の時代、ハスコヴォに要塞が築かれ、やがて町へと発展した。ハスコヴォ市内のクロコトニツァКлокотница / Klokotnitsa)とハルマンリイスカ川(Харманлийска / Harmanliyska)、マリツァ川Марица / Maritsa)にはさまれた一帯に最初の町が築かれた。

1395年、バルカン半島では最も初期の部類に入るエスキ・モスク(エスキ・ジャミ Eski cami、「古いモスク」の意)が築かれた。そのミナレットは傾いて立っている。

エスキ・モスク(1395年)のミナレット

1782年、この町はマルサ(Marsa)と呼ばれていた。「ハスキョイ」の名前は、アラビア語で所有地を意味するhasと、トルコ語で村を意味するköyに由来すると考えられている。一方、hasはもともとトルコ語で「清浄」を意味しているとの説もある。ブルガリア民族復興の時代、この町は「清浄な町」と呼ばれていたこともこの説の証左となっている。トルコ語で村を意味するköyの部分は、ブルガリア語(スラヴ諸語)での地名をあらわす接尾語の「-ovo」に置き換えられ、現在の「ハスコヴォ」の名前が形作られた。

19世紀に多くのブルガリア人がこの地に定住した。この当時、ハスコヴォはエディルネエノスEnos)、そしてイスタンブールへと続く交易路であった。やがて、この地はコットン製品、絹繊維、カーペットの産地として名声を得るようになっていった。

1878年ブルガリア解放以降、ハスコヴォは質の高いタバコの産地となった。しかし、有力なタバコ生産会社のBTハスコヴォが閉鎖して以降、この地域でタバコは生産されていない。今日、食品や機械、繊維の生産が産業の主力となっている。

南極大陸サウス・シェトランド諸島グリニッジ島ハスコヴォ洞窟Haskovo Cove)は、この街にちなんで命名された。

文化[編集]

ハスコヴォの生活文化の一翼を担うものとして、イヴァン・ディモフ・ドラマ劇場(Драматично-куклен театър „Иван Димов“)や、歴史博物館、画廊などがある。毎年、近隣のケナナ(Кенана / Kenana)公園にて、キトナ・トラキヤ(Китна Тракия / Kitna Trakiya)民族歌唱舞踊祭が催されている。

2003年に、高さ32メートルの生神女マリヤイエスの母マリア)と幼いイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の像が近くの青年の丘に完成した。像は、ハスコヴォの祭日である9月8日の生神女誕生祭の日に祝福された。像は、ギネス・ワールド・レコーズによって、世界最大の生神女の像として記載された。

街の中心は2000年代に入ってから多くの投資や開発が進められている。

市街地を外れたハスコヴォ市内の見所としては、古代トラキア人のアレクサンドロヴォ墳墓Aleksandrovo tomb)や、ウズンジョヴォУзунджово / Uzundzhovo)でオスマン帝国時代にモスクとして建てられた生神女就寝聖堂Church of the Assumption)などがある。

町村[編集]

ハスコヴォ基礎自治体(Община Родопи)にはその中心であるハスコヴォをはじめとする、以下の町村(集落)が存在している。

出身者[編集]

姉妹都市[編集]

画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^Главна Дирекция - Гражданска Регистрация и Административно Обслужване (2009年6月15日). “Таблица на населението по постоянен и настоящ адрес” (ブルガリア語). 2009年7月30日閲覧。

外部リンク[編集]