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シラネニンジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シラネニンジン
福島県一切経山 2009年8月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: シラネニンジン属
Tilingia [1]
: シラネニンジン
T. ajanensis [2]
学名
Tilingia ajanensis Regel (1858) [2][3]
シノニム
和名
シラネニンジン
英名
False Snowparsley [6]

シラネニンジン(白根人参、学名:Tilingia ajanensis)はセリ科シラネニンジン属多年草。別名、チシマニンジン高山植物

特徴

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は直立し、上部は分枝し、高さは10-30cmになる。根出葉と下部の葉には長い葉柄があり、葉は2-3回羽状複葉になり、小葉は不ぞろいに分裂する。3出複葉とはならない。茎につく葉は互生し、葉柄の基部が赤みを帯びた鞘状に膨らむ。

花期は7-9月。茎頂か、分枝した先端に小型の複散形花序をつける。は小さく、白色の5弁花で、花弁は内側に曲がる。複散形花序の下にある総苞片は線形で1-2個、小花序の下にある小総苞片は線形で数個ある。果実はやや扁平で、卵形または長楕円形になる。油管は分果の表面側の各背溝下に1個、分果が接しあう合生面に2個ある。

分布と生育環境

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日本では、北海道、本州中部以北に分布し、高山の日当たりの良い草地、岩礫地、砂礫地などに生育する。アジアではシベリア東部、ロシア極東部、中国、朝鮮などに分布する。

和名の由来は、日光白根山で最初に採集されたことによる。

下位分類

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  • ヒロハシラネニンジン Tilingia ajanensis Regel f. latisecta (Takeda) Kitag. [7]
  • ホソバシラネニンジン T. ajanensis Regel f. pectinata (Koidz.) Kitag. [8]
  • ヒメシラネニンジン T. ajanensis Regel var. angustissima (Nakai ex H.Hara) Kitag. [9]

ギャラリー

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脚注および参考文献

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  1. ^ 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2 
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tilingia ajanensis Regel”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月16日閲覧。
  3. ^ "'Tilingia ajanensis Regel & Tiling". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 1700554. 2012年8月16日閲覧
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ligusticum ajanense (Regel) Koso-Pol.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月16日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cnidium ajanense (Regel) Drude”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月16日閲覧。
  6. ^ False Snowparsley in Encyclopedia of Life
  7. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tilingia ajanensis Regel f. latisecta (Takeda) Kitag.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月16日閲覧。
  8. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tilingia ajanensis Regel f. pectinata (Koidz.) Kitag.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月16日閲覧。
  9. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tilingia ajanensis Regel var. angustissima (Nakai ex H.Hara) Kitag.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月16日閲覧。
  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎(他編)『日本の野生植物』 草本II 離弁花類、平凡社、1982年。 
  • 林弥栄(編)『日本の野草』山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、1983年。 

外部リンク

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