Wikipedia:翻案作品
この文書はウィキペディア日本語版のガイドラインです。多くの利用者が基本的に同意しており、従うことが推奨されますが、方針ではありません。必要に応じて編集することは可能ですが、大きな変更を加える場合は、先にノートページで提案してください。 |
このガイドラインでは作品記事や関連する記事において、その作品の翻案作品やそれに類する作品を記述する際の基準や書き方についてまとめています。
なお、主として「翻案作品」としていますが、パロディ、オマージュ、リスペクト、インスパイア、パスティーシュ、トリビュート、サンプリングなど、記事の主題に影響を受けて制作(製作)されたとして挙げられるような作品全般を含みます。
このガイドラインの趣旨
[編集]小説や映画、漫画、ドラマ、演劇などの創作物の記事においては、しばしば翻案など、影響を受けて制作(製作)された作品について言及することがあります。あるいは創作物以外の記事においても、著名な創作家や製作者の記事などにおいて、その影響について説明する時にそういった作品に触れることはあるかもしれません。しかし、それには常識で考えて言及すべきものとしなくてもいいものがあります。
例えば、シェイクスピアの代表作である『ロミオとジュリエット』を翻案した演劇作品について言及するとき、著名な劇団である宝塚歌劇団や東宝が上演したものは特筆性があり、言及する価値があるかもしれません。しかし、同じ舞台作品だからといって無名の市民劇団や高校の演劇部の学生が演じたものまで言及する必要は普通ないでしょう。同様にある古典小説について著名な漫画家が商業ベースで漫画化した場合には言及する価値があるかもしれませんが、無名な作家が同人作品として出版したものは一々挙げる必要がありません。
ウィキペディアにはある主題の記事を作成すべきかどうかの判断基準として「独立記事作成の目安」(以下、特筆性と記述)という観点があります。しかし、これはあくまで「独立記事」の目安であり、既に特筆性が認められている記事の中身の記述について規定されたものではありません。この曖昧さはしばしば翻案作品や関連作品と称した無分別な情報収集や宣伝目的が疑われる作品情報の一覧が形成されてしまうことになります。
本ガイドラインはそうした問題に陥らないように、掲載すべき基準と書き方を記しています。
翻案作品とは
[編集]翻案作品とは、小説・映画・漫画などといった作品を原作や原案として製作された作品のことです。例えば小説や漫画の映画化やドラマ化などを指します(もちろん反対に映画やドラマの小説化、漫画化なども含みます)。また、同一メディアでもリメイクやローカライズ[注釈 1]という形で製作されたものも含みます。パロディ作品なども翻案作品に含められることがありますが、作品の一部をモチーフにしているだけの場合は普通、翻案とは呼びません。
翻案か否か判断が難しいケースについてはWikipedia:関連作品の規定も参考にしてください。
掲載基準
[編集]基本的な考えはその主題を説明する上で言及する意味がある作品か?です。これを満たすとみなせる一般的な基準を以下に示します。
- 「独立記事作成の目安」を満たしている作品
- 「独立記事作成の目安」を満たしている製作者による作品
- その記事の主題となる作品を、主題的に扱っている信頼できる情報源で、特筆的に言及されている作品
解説
[編集]「独立記事作成の目安」を満たしている翻案作品(あるいは広い意味で影響を受けたとする作品)に言及することは問題ないでしょう。これは既に独立記事が作成されているもののみならず、基準は満たしていても未作成のもの(赤リンク)も含みます。あるいは、その翻案作品自体は独立記事作成の目安を満たしておらずとも、その翻案作品の製作者が独立記事作成の目安を満たしている場合も問題ありません。
そして信頼できる情報源で特筆すべき作品として言及されているものは、それを出典にして記述することができるでしょう。ただし、あくまで「元作品を主題的に取り扱った信頼できる情報源」であることに注意してください。例えば主題と直接関係のない話題でたまたま翻案作品が軽く触れられた程度はこの条件を満たしません。また、その翻案作品を製作した当事者やそれに準じる者の宣伝目的と考えられる情報源も当然認められません。
上記いずれも満たしていない場合でも、あくまで基本とする考えはその主題を説明する上で言及する意味がある作品か?です。おそらく稀でしょうが基準を満たしていなくても認められるケースはあるかもしれません。一方で、たまたま基準を満たしていても、普通に考えれば言及する必要がないというケースもあるでしょう。本ガイドラインの趣旨を歪曲して引用することは、規則の悪用にあたり、処罰されることもあると注意してください(Wikipedia:規則の悪用)。
箇条書きではない形も検討する
[編集]翻案作品について言及する場合、単純な箇条書きになりがちですが、文章で説明する方法もあるということは念頭に置いてください。特に数が少ない場合にあえて箇条書き形式に拘る必要はありません。
関連作品との違い
[編集]本ガイドラインで扱う事柄に似たものとしてWikipedia:関連作品があります。翻案作品と関連作品のルールは共通する部分も多いですが、異なる部分も多いです。
脚注
[編集]- ^ ここでいうローカライズは、人物や場所などの設定も現地に変えるものを指します。単純に翻訳しただけの場合は翻案に含めません。
関連項目
[編集]- Wikipedia:関連作品
- Wikipedia:関連項目
- Wikipedia:スタイルマニュアル/フィクション関連
- Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか#ウィキペディアは情報を無差別に収集する場ではありません