TRADOS

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SDL TRADOS(トラドス)は、元々はトラドス社が開発した翻訳支援ツールである。現在は、SDL インターナショナル社より販売されている。

概要[編集]

  • Microsoft Windows OSが動作するコンピュータ上で動作し、テキスト文書RTFHTMLSGMLXMLなどのタグ付き文書、マイクロソフト社のワード文書エクセル文書パワーポイント文書、アドビ社のフレームメーカー文書インデザイン文書などの文書の翻訳を支援する。
  • 翻訳メモリという機能は原文と訳文のペアをデータベースに登録しながら翻訳を行い、同一か類似の原文が登場した時にデータベース登録済み訳文を再利用することにより、翻訳のスピードと正確性を向上させるものである。マニュアルやカタログなど、加筆・修正が繰り返される文書の翻訳に適する。
  • SDL Tradosを使用して翻訳すると、タグ付き文章のタグを壊さないで翻訳できるため、もとのレイアウトを維持したまま翻訳ができる。このため結果的には翻訳後のレイアウト作業をなくしたり軽減できる。従って、ページ数の多いものに最適なソフトといえる。
  • SDL Tradosは慣れれば使いにくいソフトではないが、初心者が利用するのは一般に困難であると言われ、講習や書籍などで使い方を習得する必要がある。特にタグの処理など、経験が必要とされる点である。
  • 元々は言語的に多様なヨーロッパでの翻訳を意図して設計されている。よって、日本語-英語のみならず、各種言語に対応している。
  • 翻訳自体はSDL TRADOSではなく利用者が手作業で行う。

原理[編集]

  1. This is the book he bought yesterday at 1000 Yen.
  2. This is the book he bought 2 days ago at 1500 Yen.
  3. This is the book he bought 4 days ago at 1500 Yen.

この1.と2.の文章は似ているが異なるため、Wordの「置換」のような処理では対応できない。しかしSDL Tradosは類似候補を自動的に表示するため、1.の文章を一度翻訳し翻訳メモリに取り込んであれば、2.の翻訳時に「昨日1000円で買った」と表示される。そこで「2日前1500円で買った」と修正して翻訳が完了する。3.を訳す時は、2.との類似性がより高いため、1.の「昨日1000円で買った」ではなく、2.の「2日前に1500円で買った」と表示される。そこで3.の「4日前に1500円で買った」と修正して翻訳が完了する。

翻訳するのは人間でありSDL TRADOSではないため、翻訳ソフトとは本質的に異なる。

開発元 トラドス社の経歴[編集]

対応するファイル形式[編集]

最新のSDL Trados Studio 2015は、下記のファイル形式を含めて70種類以上のファイル形式に対応している

中間ファイル[編集]

どのファイル形式でも、編集した直後のファイルは原文と訳文が混在するバイリンガルファイルという形式になっている。バイリンガルファイルは、SDLXLIFFファイル形式で保存される。これらのバイリンガル ファイルを訳文の生成機能にかけることにより、訳文のみが含まれる完成されたファイルになる。

構成モジュール[編集]

「SDL TRADOS」とは以下のソフトの総称であり、単一のアプリケーションを指すわけではない。

SDL Trados Studio
主モジュールであり、翻訳メモリを管理するアプリケーション。SDL TRADOSを使った翻訳とは、SDL Trados Studioを使う作業を意味する。
SDL MultiTerm Desktop
用語集管理ツール。
SDL MultiTerm Extract
用語作成支援ツール(オプション製品)。

外部リンク[編集]