Fluentd

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Fluentd
開発元 Treasure Data, Inc.
初版 2011年10月10日
(12年前)
 (2011-10-10)
最新版
1.15.2 / 2022年8月22日 (20か月前) (2022-08-22)[1]
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C言語, Ruby
対応OS Linux (Amazon Linux, CentOS, RHEL), macOS (10.9以上), Ruby, Windows (7以降)
種別 Logging tool
ライセンス Apache 2.0
公式サイト www.fluentd.org ウィキデータを編集
テンプレートを表示

Fluentdは、クロスプラットフォームオープンソースのデータ収集ソフトウェアプロジェクトである。もともとはTreasure Data, Inc.で開発されていた。主にRubyで記述されている。

概要[編集]

Fluentdは、半構造化または非構造化データセット用のビッグデータツールである。イベントログアプリケーションログ、clickstreamの分析に使用できる。SuonsyrjäとMikkonenは「Fluentdの基本的なアイデアは、さまざまなタイプのログ入力と出力を統合するレイヤーになることである」と述べている[2]。Fluentdは、Linux、macOS、およびWindowsで使用できる[3]

歴史[編集]

Fluentdは、マウンテンビューを拠点とするTreasure Data, Inc.のプロジェクトとして古橋貞之によって作成された[4]。主にRubyで書かれており、そのソースコードは2011年10月にオープンソースソフトウェアとしてリリースされた[5][6]。同社は2013年に500万ドルの資金提供を発表した[7]

2016年、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)のプロジェクトに加わった[8]。その後、2019年にはCNCFプロジェクト内のレベルのうちグラデュエーションに認定された[9]

ユーザー[編集]

Fluentdは、Apache FlumeまたはScribe類似のソフトとして、2013年にAmazon Web Servicesによって推奨されたデータ収集ツールの1つとなった[10]Google Cloud PlatformのBigQueryは、デフォルトのリアルタイムデータ取り込みツールとしてFluentdを推奨し、デフォルトのロギングエージェントとしてgoogle-fluentdと呼ばれるGoogleのカスタマイズされたバージョンのFluentdを使用している[11][12]

Fluent Bit[編集]

Fluent Bitは、Fluentd傘下のCNCFサブプロジェクトとして開発が行われている、ログの処理と転送を行うソフトウェアである[13]。FluentdはCとRubyでRuby gemとして書かれているため、依存関係が多くメモリ使用量も大きかった。一方、Fluent BitはCのみで依存関係なしで作られているため、メモリ使用量が大幅に小さくなっており、コンテナ環境や組み込みLinuxでも利用しやすくなった[14]

脚注[編集]

  1. ^ Releases - fluent/fluentd”. 2022年8月28日閲覧。
  2. ^ Suonsyrjä, Sampo and Mikkonen, Tommi "Designing an Unobtrusive Analytics Framework for Monitoring Java Applications", pp. 170–173 in Software Measurement. Springer. ISBN 3319242857
  3. ^ Fluentd.org. "Download Fluentd". Retrieved 10 March 2016.
  4. ^ 古橋貞之 (2011年9月29日). “イベントログ収集ツール fluent リリース!”. Blog by Sadayuki Furuhashi. 2021年1月25日閲覧。
  5. ^ Mayer, Chris (30 October 2013). "Treasure Data: Breaking down the Hadoop barrier". JAXenter
  6. ^ Fluentd.org. "What is Fluentd?". Retrieved 10 March 2016.
  7. ^ Derrick Harris (2013年7月23日). “Treasure Data raises $5M, fuses Hadoop and data warehouse in Amazon's cloud”. GigaOm 
  8. ^ 中田敦 (2016年11月9日). “データ収集ソフト「Fluentd」が有力OSSの仲間入り、「CNCF」のプロジェクトに”. 日経クロステック(xTECH). 2021年7月23日閲覧。
  9. ^ 階戸アキラ (2019年4月12日). “2019年4月12日 Fluentd,CNCFで6番目の"卒業"プロジェクトに認定:Linux Daily Topics”. gihyo.jp. 2021年7月23日閲覧。
  10. ^ Parviz Deyhim (2013年8月). “Best Practices for Amazon EMR”. Amazon Web Services. p. 12. 2016年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月24日閲覧。
  11. ^ Google Cloud Platform (2016). "Real-time logs analysis using Fluentd and BigQuery". Retrieved 10 March 2016.
  12. ^ Google Cloud Platform (2016). "The Logging Agent". Retrieved 10 March 2016.
  13. ^ Fluent Bit”. fluentbit.io. 2021年12月5日閲覧。
  14. ^ Fluentd & Fluent Bit - Fluent Bit: Official Manual”. 2021年12月5日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]