銚子

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銚子(ちょうし)

  • 中国の注ぎ口と取っ手のある加熱器具。薬缶中国語でディアオズ(拼音: diàozi)。別名「薬銚」、「沙銚」。入り口は大きく、蓋付きで、生薬を煎じて湯液を作る時、湯を沸かす時に使われた。
    • 日本酒を燗してに注ぐための日本の酒器。取っ手が付いており、直接加熱できる金属製の他、陶器製、木製のものもある。両方に注ぎ口があるものを諸口(もろくち)、片方だけに注ぎ口のあるものを片口(かたくち)という。神道結婚式などでは長い柄のある長柄銚子(ながえのちょうし)を用い、屠蘇器などには土瓶状のものを用いる。鹿児島県薩摩地方では芋焼酎黒じょかと呼ばれる銚子を用いる。
    • 神社の儀式で使用される銚子は、木製朱塗松竹梅蒔絵付銚子、錫銚子、長柄銚子などに松竹梅金銀水引を装着したものが一般的である[1]
    • 徳利(とくり、とっくり)。日本酒を入れて加熱する((かん)をする)ための瓶状の器に対する誤用。
    • さしなべ、さすなべ。注ぎ口のある
    • 前方後円墳の通称。主に江戸時代考古学地誌学において、銚子塚と通称された。
  • 千葉県の地名。銚子市を参照。

長柄の銚子はもともと銅製で、松竹梅、鶴亀などのめでたい模様が彫られ、これに金メッキされており、かならず「加えの銚子(くわえのちょうし)」とともに儀式の場合は使用される。 銚子の口の上にチョウ(蝶)を紅白の襲紙で折って、松竹梅の造花を添えて飾り付け、長柄は奉書で包んで奴元結でくくる。 長柄銚子の酒が減ったときは、加えの銚子の酒を注ぎ加える。

脚注

  1. ^ 『神祭具便覧40巻』民俗工芸平成28年9月発行全438頁177頁