大隅清治

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大隅 清治(おおすみ せいじ、1930年7月12日[1] - 2019年11月2日[2][3])は、日本の水産動物研究者・評論家。特に鯨類の権威。農学博士。

略歴

群馬県伊勢崎市出身[2]旧制群馬県立前橋中学校東京陸軍幼年学校(49期[4])、旧制新潟高等学校を経て[2]東京大学農学部卒業[1]1964年、東京大学 農学博士 「A study on age determination of the fin whale(ナガスクジラの年令査定法に関する研究) 」。[5] 日本鯨類研究所・水産庁などで鯨の研究に従事。水産庁遠洋水産研究所長・日本鯨類研究所専務理事・日本鯨類研究所理事長(1995年 - 2004年)[4]・日本鯨類研究所顧問などの要職を歴任した。

2019年11月2日、急性心筋梗塞のため死去。89歳没[2]

捕鯨の在り方については、利潤を追求する「商業捕鯨」を否定し、資源としての鯨を管理しつつ捕鯨をおこなう「持続捕鯨」を唱えていた[3][6]

妻は電子顕微鏡学者の大隅正子、娘は神経科学者大隅典子

著作『クジラの飲み水』は、中学一年の国語の教科書に採用された[7]

著書

  • 「クジラは昔 陸を歩いていた」
  • 「クジラ 海を泳ぐ頭脳」
  • 「くじら―海の哺乳類」
  • 「鯨物語」(1999)朝日新聞科学欄に連載
  • 「クジラと日本人」
  • 「海と川の狩人たち」(共著)
  • 「世界の海洋における鯨類の食物消費量」

論文

賞詞

脚注

  1. ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.398
  2. ^ a b c d 大隅清治先生(1930年7月~2019年11月)の研究略歴と研究業績(『大隅清治先生を偲ぶ』より)”. 日本鯨類研究所. 2020年11月15日閲覧。
  3. ^ a b 鯨類研究の第一人者、大隅清治氏の“遺言”(上)「持続捕鯨」が最良の選択肢 (1/2)”. 産経ニュース. 産経デジタル (2019年11月25日). 2020年11月15日閲覧。
  4. ^ a b c d 鯨類研究の第一人者、大隅清治氏の“遺言”(上)「持続捕鯨」が最良の選択肢 (2/2)”. 産経ニュース. 産経デジタル (2019年11月25日). 2020年11月15日閲覧。
  5. ^ 博士論文書誌データベース
  6. ^ 鯨類研究の第一人者、大隅清治氏の“遺言”(下)「捕鯨は自然の生産力を活用する営み」 (2/2)”. 産経ニュース. 産経デジタル (2019年11月26日). 2020年11月15日閲覧。
  7. ^ 平成14年度版『現代の国語』1 - 教科書クロニクル 三省堂「ことばと学びの宇宙」, 2015-8-5閲覧
  8. ^ 日本鯨類研究所顧問大隅清治博士がノルウェー国王より叙勲 鯨類資源の科学技術研究振興に貢献した永年の功績が評価された”. 日本鯨類研究所 (2006年5月11日). 2020年11月15日閲覧。