テトラサイクリン

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テトラサイクリン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • AU: D
  • US: D
法的規制
  • (Prescription only)
投与経路 経口、局所(皮膚、目)、imiv
薬物動態データ
生物学的利用能60-80% 経口、食間
<40% 筋肉
代謝代謝無し
半減期6-11 時間
排泄便および腎臓
識別
CAS番号
60-54-8
ATCコード A01AB13 (WHO) D06AA04 (WHO)J01AA07 (WHO)S01AA09 (WHO)S02AA08 (WHO)S03AA02 (WHO)
PubChem CID: 643969
DrugBank APRD00572
KEGG D00201
化学的データ
化学式C22H24N2O8
分子量444.435 g/mol
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テトラサイクリンテトラサイクリン系に属する抗生物質である。軟膏は商品名アクロマイシンポーラファルマ製造販売。数種の放線菌から産生された広範囲抗菌性抗生物質。黄色結晶、無臭。塩酸塩(塩酸テトラサイクリン)は黄色結晶性粉末。

薬理

30Sリボゾームサブユニットに作用し、蛋白合成初期複合体の形成を阻害する。

カエルウサギの摘出心臓細胞に対して1µg/mLで抑制を示し、ウサギに対し0.05mg/mLで心電図は徐波を示す。ウサギの摘出腸管細胞に対して100µg/mLで亢進を示す。ウサギの血管灌流は10µg/mLで収縮を示す。ウサギに対し0.5mg/kgで血圧低下呼吸増加を示す。ウサギに対し0.1mg/kgで中枢神経痙攣を示す[1]

効果

ブドウ球菌肺炎球菌などのグラム陽性菌赤痢菌大腸菌などのグラム陰性菌リケッチアクラミジアなどの感染症に適用。

副作用

菌交代症胃腸障害光線過敏症などが挙げられる。

長期間使用した場合、消化管障害あるいはビタミンKビタミンB群欠乏に注意する必要がある。

経時変化によって変質したテトラサイクリンを使用した場合、ファンコーニ症候群の原因になることがある。

従来、乳幼児・小児期には歯牙黄染をきたすため禁忌とされていたが、研究の結果、歯牙黄染がみられなかったため[2]、この添付文書記載を見直す提言がなされている。(歯牙黄染が見られなかったとの報告は、テトラサイクリンではなく、ドキシサイクリンである。)

脚注

  1. ^ テトラサイクリン塩酸塩 アクロマイシン末 インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. Pharmaceuticals and Medical Devices Agency. 2016年3月11日閲覧。
  2. ^ Suzanne R, et al. No Visible Dental Staining in Children Treated with Doxycycline for Suspected Rocky Mountain Spotted Fever. The Journal of pediatrics., doi:10.1016/j.jpeds.2015.02.015

関連項目

外部リンク