テクニカラー (企業)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。240f:3a:6600:1:e812:f9b5:3b96:8934 (会話) による 2021年1月2日 (土) 03:54個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

テクニカラー
Technicolor SA
種類 公開会社
市場情報 EuronextTCH
OTC Pink TCLRY
本社所在地 フランスの旗 フランス
フランスイシー=レ=ムリノー
設立 1893年(トムソンSAとして)
1914年(テクニカラーInc.として)
業種 メディア産業
代表者 リチャード・モートCEO、ブルース・ハック会長
売上高 約39億8800万ユーロ(2018年)
従業員数 14,639人(2012年末)
主要株主 ベクター・キャピタル
主要子会社 トムソン技術研究所(日本法人)
ムービング・ピクチャー・カンパニー
外部リンク https://www.technicolor.com/
テンプレートを表示

テクニカラー(Technicolor, SA)は、フランスパリ西部郊外イシー=レ=ムリノーに本社を置くマルチメディア家電企業。旧名はトムソン社(Thomson SA)、トムソン・マルチメディア(Thomson Multimedia)。

ユーロネクスト・パリ(旧:パリ証券取引所)に株式を上場しており、またOTCピンク店頭取引)でも株式が取引されている。

MP3フォーマットの特許ライセンスを保持している。またDVDフォーラムBlu-ray Disc Associationの創立メンバーに名を連ね、映像分野において世界的に影響力を持つ企業である。

米国ではRCAのブランドで家電事業を行っている。また、放送機器はグラスバレー(grass Valley)、映画関連機器はテクニカラー(Technicolor)のブランド名で全世界で事業を行っていた。

2010年1月に社名をトムソンからテクニカラーに変更した。

なお、情報サービス業のトムソン(現:トムソン・ロイター)や、ニードルベアリングやメカトロニクスの日本トムソン(Nippon THOMPSON)との関連性はない。

沿革

創業

1853年にイングランドマンチェスターで生まれた発明家エリフ・トムソンは、5歳でアメリカ合衆国フィラデルフィアに家族と共に移住し、その後1880年、エドウィン・J・ヒューストンと共にトムソン・ヒューストン社を創業。1892年、同社がエジソン総合電気社(Edison General Electric Company)と合併し、ゼネラル・エレクトリック社となった。

1893年、フランス・パリでコンパニー・フランセーズ・トムソン・ヒューストン社(Compagnie Française Thomson-Houston(CFTH))がゼネラル・エレクトリック関連会社として創業された。1966年にオチキス・ブラント(Hotchkisss-Brandt)と合併し、トムソン・ヒューストン・オチキス・ブラント(Thomson-Houston-Hotchkiss-Brandt)社となり、またすぐにトムソン・ブラントと改名した。トムソン・ブラントの電機部門は無線電信公社(Compagnie Générale de Télégraphie Sans Fil(CSF))と合併し、トムソン-CSF英語版フランス語版社となった。

国営化と防衛産業分離、家電事業撤退

1982年にトムソン・ブラントとトムソンCSFは共に社会党ミッテラン大統領政権下で国営化された。トムソン・ブラントはトムソンSA(Thomson SA)と改称され、トムソンCSFと再合併した。

1988年、傘下のトムソン・コンスーマーエレクトロニクス(後にトムソンSAに改称)はGEからRCAおよびGEブランドのテレビや他の家電製品の製造販売権を獲得し、交換として医療機器事業をGEに譲渡した。関連商品のGEブランドは3年間、RCAブランドは永久使用を条件とした。

1995年、フランス政府はトムソンの家電部門(トムソン・マルチメディア)と防衛産業部門(トムソンCSF)を分離、1999年に民営化をした。トムソンCSF社は2000年にイギリスの防衛機器企業レイカル(Racal Electronics)を買収しタレス・グループに改称。

2004年に中華人民共和国TCLグループと合弁企業「TTE」を設立、RCAブランドとトムソンのテレビDVD生産事業を担当させる。TTEはテレビ生産で国際的・飛躍的に成長し、2005年にはトムソンは販売権もTTEに譲渡した。さらにトムソンはインドのビデオコン・グループにブラウン管生産事業を売却。2006年にはTTEのフランス拠点を閉鎖し、欧州市場向けトムソンブランドのテレビ生産を中止した。

デジタル映像事業と財務危機

2000年にトムソン・マルチメディアはイギリスのカールトン・テレビジョンからテクニカラー社(Technicolor)を買収、放送管理・施設機器事業に参入した。2002年にはグラスバレー・グループ(Grass Valley Group)を買収。さらにITVからムービング・ピクチャー・カンパニーを買収[1]。2004年にはPRNも買収。2005年にタレス・グループから放送・マルチメディア機器部門を買い戻した。

2009年に財務状況が悪化し、倒産を避けるための合理化案としてグラスバレーとPRNの売却を示唆した[2]

2010年にはテクニカラー(Technicolor SA)に社名を変更。多角化した子会社への投資縮小を行ない、グラスバレー及び放送機器は投資ファンドのフランシスコ・パートナーズに売却した[3]。PRNを含む放送事業は仏系投資ファンドFCDEに売却した[4]

近年、トムソンブランドでの家電製品の販売を再開。2012年、投資集団のベクター・キャピタルがテクニカラーに16.7億-19.1億ユーロの規模で資本注入(29.94%までの少数株主を維持)を受ける。ベクター・キャピタルから取締役を受入れた[5]

株式会社トムソン技術研究所
種類 テクニカラーの日本法人
本社所在地 日本の旗 日本
103-0027
東京都中央区日本橋3-8-4
日本橋さくら通りビル
設立 1954年
事業内容 日本国内における技術移転および知的財産業務・ライセンス活動に関連するサービスの提供
代表者 ボリス・テクスラー (代表取締役社長)
資本金 9000万円
主要株主 Thomson Licensing SAS (100%)
テンプレートを表示

グループ企業

日本

  • 株式会社トムソン技術研究所
1954年RCAの日本国内における同社の知的財産を管理する日本法人として「アメリカン・エレクトロニック・エンタープライゼス・リミテッド社」を設立。その後、RCAがゼネラル・エレクトリック(GE)に吸収合併され、更にGEの映像・音響部門がトムソンに売却されながらも日本法人は存続。1999年に「株式会社RCA技術研究所」から「株式会社トムソン マルティメディア技術研究所」に名称変更。2003年には本社の名称変更に伴い現在の「株式会社トムソン技術研究所」となった。

イギリス

イギリスの大手VFX制作会社。2004年、当時社名がトムソン・マルチメディアだった時に本国の放送局ITVより買収した。

脚注

  1. ^ The Moving Picture Company Sold CGSociety (2004年12月13日)
  2. ^ “Thomson to Sell Grass Valley”. Tv Technology. (2009年1月29日). https://www.tvtechnology.com/article/73816 2009年1月29日閲覧。 
  3. ^ PE Firm Makes Binding Offer for Grass Valley Tv Technology (2010年7月27日)
  4. ^ Technicolor sells head-end business to FCDE, keeps PRN Telecompaper (2011年2月24日)
  5. ^ France's Technicolor Gets New Chairman, Seals Deal to Sell Stake to U.S. Firm The Hollywood Reporter (2012年6月21日)

関連項目

  • mp3PRO
  • グラスバレー (企業):2002年から2010年、トムソン社の傘下にあった米グラスバレー・グループ(Grass Valley Group)の日本子会社。

外部リンク