愛情は深い海のごとく (1955年の映画)
愛情は深い海のごとく | |
---|---|
The Deep Blue Sea | |
監督 | アナトール・リトヴァク |
脚本 | テレンス・ラティガン |
原作 |
テレンス・ラティガン 『深く青い海』 |
製作 | アレクサンダー・コルダ |
出演者 |
ヴィヴィアン・リー ケネス・モア エリック・ポートマン |
音楽 | マルコム・アーノルド |
撮影 | ジャック・ヒルドヤード |
編集 | バート・ベイツ |
製作会社 | ロンドン・フィルムズ |
配給 |
20世紀フォックス 東和 |
公開 |
1955年8月23日 1955年10月13日 1955年10月29日 |
上映時間 | 96分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
『愛情は深い海のごとく』(あいじょうはふかいうみのごとく、原題:The Deep Blue Sea)は、1955年のイギリスのドラマ映画。監督はアナトール・リトヴァク、出演はヴィヴィアン・リーとケネス・モアなど、配給は20世紀フォックス。テレンス・ラティガンによる1952年の戯曲『深く青い海』を原作とし、ラティガン自身が脚本も手がけている。熱情のない結婚で不幸せの中、夫を残して若く魅力的な男性と恋に落ちていく女性を描く。
2011年には再映画化された。その際は『愛情は深い海の如く』と日本題名の「ごとく」が漢字表記になっている。
ストーリー
この作品記事はあらすじの作成が望まれています。 |
キャスト
※括弧内は日本語吹替(初回放送1975年5月12日『月曜ロードショー』)
- へスター・コリヤー: ヴィヴィアン・リー(武藤礼子)- 判事夫人。
- フレディ・ペイジ: ケネス・モア(小林修)- ヘスターの愛人。戦時中は空軍の英雄だった。
- ミラー: エリック・ポートマン
- ウィリアム・コリヤー卿: エムリン・ウィリアムズ(和田文夫)- ヘスターの夫。判事。
- ドーン・マックスウェル: モイラ・リスター
- ケン・トンプソン: アレック・マッコーエン
- エルトン夫人: ダンディ・ニコルズ(斎藤昌子)- 下宿屋の女主人。
- ダイサー・ダーストン: ジミー・ハンリー
- 女性バーテンダー: ミリアム・カーリン
- レディ・ドーソン: ヘザー・サッチャー
- ジャッキー・ジャクソン: アーサー・ヒル
製作
アレクサンダー・コルダは観賞者に認識されやすい有名人を使うことを望んだため、唯一のオリジナルキャストだったケネス・モア(彼は1954年のBBCによるテレビ版でも出演している)は本作においてもキーメンバーとなった。しかしモア自身は、キャスティングがペギー・アシュクロフトではなくヴィヴィアン・リーとなったことも含め、常に失敗だと感じていた。モアはさらに、シネマスコープの使用や原作の戯曲に加わった変更がストーリーの馴染み深さを損なっていると感じ、撮影を楽しめなかったと述べており、またリーとの相性も悪かったと語っている[1]。
現在DVDは入手不可能だが、2013年にはBFIのヴィヴィアン・リー・シーズンの一環として、テレンス・デイヴィス監督の2011年版の映画のプロデューサー、ショーン・オコナーの紹介で上映が行われた[2]。
邦題の表記について
『キネマ旬報』で『愛情は深い海の如く』と「ごとく」を漢字で誤表記されたためか[3]、その後の本やネットの映画専門サイトでも「ごとく」を漢字表記しているものが多いが[4][5]、東和配給の正式な名称は『愛情は深い海のごとく』と「ごとく」は平仮名表記である[6][7][8]。ネットで配給会社の製作したポスターやプレスシートを見ることが出来る[9]。また、正確な平仮名表記になっている本もある[10]。
評価
本作ではアメリカでは興行的に失敗に終わっており、モアは「アメリカの観客には難しい話題だった」と語っている[11]。
受賞
- 1956年 ケネス・モア - 英国アカデミー賞 英国男優賞 ノミネート
- 1956年 テレンス・ラティガン - 英国アカデミー賞 英国脚本賞 ノミネート
- 1955年 ケネス・モア - ヴェネツィア国際映画祭 男優賞(ヴォルピ杯)受賞
- 1955年 アナトール・リトヴァク - ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞 ノミネート
出典
- ^ Kenneth More, More or Less, Hodder & Staughton, 1978 p 163-167
- ^ Josephine Botting (2013年11月26日). “Vivien Leigh adrift: The Deep Blue Sea” (英語). BFI. 2019年4月16日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』1955年10月下旬号および11月上旬号
- ^ 『シネアルバム17 「風と共に去りぬ」ヴィヴィアン・リー』. 芳賀書店. (1973年9月6日)
- ^ 『情熱の美女 ヴィヴィアン・リー』. 近代映画社. (2005年12月10日発行)
- ^ 『キネマ旬報』が「愛情は深い海の如く」と誤表記している1955年10月下旬号の裏表紙の配給会社東和の広告では、『愛情は深い海のごとく』と平仮名表記になっている。また、『キネマ旬報』1955年12月下旬号p121では『愛情は深い海のごとく』と平仮名表記に戻している。また誤表記されている『キネマ旬報』には邦画の『野菊の如き君なりき』という、漢字表記の作品のシナリオや映画紹介が載っている。
- ^ 『スクリーン』1955年12月号裏表紙、配給会社東和の『愛情は深い海のごとく』広告
- ^ 同時期の1955年12月号(10月発売)の『スクリーン』や1955年11月号(9月発売)の『映画の友』でははじめから平仮名表記で紹介されている。
- ^ “『愛情は深い海のごとく(1955)』ポスター”. 映画ポスター協会 キネアートネットワーク. 2019年10月16日閲覧。
- ^ 双葉十三郎 (1990年10月15日初版発行). 『ぼくの採点表1 1940年1950年代』p14. トパーズプレス
- ^ Schallert, E. (18 August 1957). English star amazes in chaneylike portrayal. Los Angeles Times (1923-Current File).