西舞鶴道路
西舞鶴道路(にしまいづるどうろ)は、京都府舞鶴市で整備中の国道27号のバイパス道路である。同市上安から同市京田に至り、延長は4.9 kmである。西舞鶴市街地の渋滞緩和、舞鶴港へのアクセス向上を目的としている。1991年2月に都市計画決定、2007年度に事業化され、2013年度に用地着手された。
目的
西舞鶴道路に並行する国道27号の現道区間は、西舞鶴地域の主要交差点において混雑している[注 1]。また、同区間の死傷事故率は、同区間を除く京都府の国道27号全体の約1.7倍にのぼる。西舞鶴道路の開通により交通が分散され、渋滞緩和と安全性の向上が期待されている[2]。
2010年4月に供用された舞鶴国際埠頭の属する舞鶴港は、貨物取扱量が2010年から8年連続で1000万トンを超えている。西舞鶴道路を経由することで、舞鶴若狭自動車道舞鶴西インターチェンジと舞鶴国際埠頭の間が10分で結ばれるとされる[1]。また、沿線には倉谷工業団地が立地しており、福知山河川国道事務所のヒアリングに対し、立地企業は「舞鶴西ICまでは国道27号の代替路がない」とし、早期開通を期待していると述べた[2]。
国道27号現道は第一次緊急輸送道路に指定されているが、洪水時想定浸水域を通過する。2004年には台風23号により70 cm浸水した他、高潮により36回冠水した。西舞鶴道路は路面計画高が6.0 mと、現道より高い位置を通るため、災害時の交通路が確保される見込みである[2][3]。
整備
- 沿革[2]
- 1991年2月:都市計画決定
- 2007年度:事業化
- 2013年度:用地着手
- 道路規格等[2]
- 起点:京都府舞鶴市上安
- 終点:同市京田
- 延長:4.9 km
- 道路区分:第3種第2級
- 設計速度:60 km/h
- 幅員:23.25 m(4車線)
- 計画交通量:17,900台/日
事業費
設計に先立つ地質調査の結果、事業費全体で155億円の増額が見込まれている。
上安久高架橋(仮称)の舞鶴線線路に近接する橋脚にはニューマチックケーソン基礎[注 2]を採用することとなった。万願寺トンネル(仮称)区間のボーリングにより同区間の地下が砂岩・頁岩主体と分かり、亀裂が多いため補助工法が必要と判断された。今田地区では法面崩落の可能性があることから、法面対策工が変更された。倉谷地区では軟弱地盤が見つかり、地盤改良の追加が必要となった。
他方で、橋梁の支承構造を見直すことでコスト削減も図られた[2]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “国道27号 西舞鶴道路” (PDF). 福知山河川国道事務所 (2012年3月). 2019年6月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g “資料No.5 一般国道27号西舞鶴道路” (PDF). 国土交通省 近畿地方整備局 (2018年9月12日). 2019年6月8日閲覧。
- ^ “西舞鶴道路の概要と整備効果”. 舞鶴市 (2018年1月31日). 2019年6月8日閲覧。
- ^ “ニューマチックケーソン工法”. 大豊建設. 2019年6月8日閲覧。
関連項目
- 国道177号 - 舞鶴港へ向かう港国道
- 京都府道28号小倉西舞鶴線 - 西舞鶴道路と同じく、4車線化事業が行われている。