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2,4-ジクロロフェノキシ酢酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸
2,4-dichlorophenoxyacetic acid
2,4-dichlorophenoxyacetic acid
Ball-and-stick model of 2,4-dichlorophenoxyacetic acid
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.002.147 ウィキデータを編集
KEGG
UNII
性質
C8H6Cl2O3
モル質量 221.04 g/mol
外観 白色から黄色の粉末
融点 140.5 °C (284.9 °F; 413.6 K)
沸点 160 °C (320 °F; 433 K) 0.4 mm Hg
900 mg/L
危険性
GHS表示:[3]
急性毒性(低毒性) 腐食性物質
H302, H317, H318, H335, H412
P261, P273, P280, P305+P351+P338
引火点 不燃性[1]
致死量または濃度 (LD, LC)
500 mg/kg (経口, ハムスター)

100 mg/kg (経口, イヌ)
347 mg/kg (経口, マウス)
699 mg/kg (経口, ラット)
[2]

NIOSH(米国の健康曝露限度):
TWA 10 mg/m3[1]
TWA 10 mg/m3[1]
100 mg/m3[1]
安全データシート (SDS) ICSC 0033
関連する物質
関連物質 2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸ジクロルプロップ
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-ジクロロフェノキシさくさん、2,4-dichlorophenoxyacetic acid、略称 2,4-D)は、除草剤の一種である。植物ホルモンであるオーキシン様の作用を持つため、植物ホルモン剤としても使用されることがある。双子葉植物の茎頂に作用して異常な細胞分裂を発生させることによって枯らす作用があり、温度が高いほど除草効果が著しい。一方、イネ科単子葉植物には影響を与えず(選択性除草剤)、水田の除草に広く用いられている。

除草剤として市販される際には、無機塩類ナトリウム塩類など)や有機塩類アミン塩類)、およびエステルの製剤で提供される。

概要

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第二次世界大戦中に英国ハートフォードシャー州のロザムステッド農事試験場で生化学者のジューダ・ハーシュ=カステル (Juda Hirsch Quastel) らによって、農産物の収量増加を目的として合成された。1946年には、小麦トウモロコシ用の除草剤として販売が開始された。

現在 2,4-D は選択性・低価格・低毒性であることを利点としてさまざまな商品名で除草剤として販売が行われ、広範囲に使用されている。

毒性については、ラットでのLD50 = 375 または 666 mg/kg が得られている。人間に対する毒性としては、肝毒性・生殖毒性などが指摘されている。

クロロ酢酸2,4-ジクロロフェノールの反応から合成される。このとき、副生成物として、2,4-D 以外のクロロフェノキシ酢酸類が発生する。

ベトナム戦争では、2,4,5-T などとともに枯葉剤として用いられた。この際、製造過程で副生したダイオキシン類が混在していたため、社会問題の原因となった。

水への溶解度は 0.9 g/100 mL (25 ℃)。

出典

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  1. ^ a b c d NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0173
  2. ^ 2,4-D”. National Institute for Occupational Safety and Health (2014年12月4日). 2015年2月26日閲覧。
  3. ^ Sigma-Aldrich Co., 2,4-D. Retrieved on March 17, 2022.

関連項目

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