電照菊
表示
電照菊(でんしょうぎく)とは、菊の栽培方法の1種であり、この栽培方法で栽培された菊の総称である。抑制栽培の1種で、昭和12年に愛知県豊橋市で日本で最初の電照菊が栽培された[1]とされている。
栽培方法
[編集]
出荷前の様子 2018.12.09

- 菊は、日照時間が短くなると花芽を形成し、やがて蕾となり開花するという性質がある。その性質を利用し、花芽が形成される前に人工的に光をあてることにより、花芽の形成と開花時期を遅らせる方法が電照菊である。
- 使用する菊は秋に開花する「秋菊」を使用することが多い。
- 温室を使用して栽培する地域が多く、秋菊が花芽を形成する前の5月~8月頃の夜間(午後10時~翌日午前2時が多い)に、電球などを用いた照明を菊にあてて、花芽を形成させないようにする。9月以降は照明をあてずに、通常と同じ栽培を行なう。これにより開花時期を数ヶ月遅らせ、1月~3月に開花、出荷する。
- 技術の向上によって、秋菊のみでなく夏菊もこの方法で栽培されており、開花時期を9ヶ月までずらすことが可能である。また、温室で覆うことで太陽光を遮る方法も併用することで、様々な菊を様々な時期に開花、出荷を可能としている。
- 照明は白熱電球が主流であったが、電照菊専用の電灯も開発され、現在はこちらが主流である。近年は省エネルギーや地球温暖化防止の観点から、省電力の照明が開発・実用化されている。例えば、蛍光球や発光ダイオードなども使われている。
- なお、温室を用いず路地で栽培する地域[どこ?]もある。
歴史
[編集]産地
[編集]全国でこの電照菊は栽培されているが、田原市や豊橋市を中心とした渥美半島で全国の生産量の約30%を占めている。この地域は水不足の問題があったが、1968年 昭和43年、豊川用水の完成によりほぼ解消されている。
2010年における東京市場向けの菊の年間出荷量は、本数では愛知県が9,128万本(1位)、沖縄県が4,400万本(2位)、出荷額では愛知県が67億円(1位)、沖縄県が17.6億円(2位)だった[7]。愛知県は年間を通じて出荷しているが、冬季の暖房費を抑えることができる沖縄県は3月と12月に集中して出荷している。沖縄県の電照菊の畑は県内全域でみられる[8]。
品種
[編集]- 輪ギク
- (秋菊)
- 神馬(じんば)
- 精輿の誠
- (夏秋菊)
- 精の一世
- 岩の白扇
- (秋菊)
- スプレー菊
- レミダス(黄)
- エルザ (白)[9]
出荷量
[編集]- 愛知県の出荷量は全国の3割を占めており、そのうち田原市は80%以上を占めている。出荷量の推移は以下の通りである。[10]
| 年 | 出荷量 |
|---|---|
| 平成13年 | 5.5億本 |
| 平成14年 | 5.4億本 |
| 平成15年 | 5.4億本 |
| 平成16年 | 5.2億本 |
| 平成17年 | 5.4億本 |
| 平成18年 | 5.2億本 |
| 平成19年 | 5.2億本 |
| 平成20年 | 5.1億本 |
| 平成21年 | 4.9億本 |
| 平成22年 | 4.7億本 |
電照菊を扱った作品
[編集]音楽
[編集]出典
[編集]- ↑ “あいちの地場産業 第10版 株式会社 おかしん総研 2004年2月 p.6 岡崎信用金庫株式会社 企画調査部”. 東京都古書籍商業協同組合. 2025年5月9日閲覧。
- ↑ あいちの地場産業 (2013), pp. 204–205, 菊
- ↑ 施設型農業の展開 - 豊川用水流域の場合 - p.13
- ↑ 施設型農業の展開 - 豊川用水流域の場合 - p.13
- ↑ あいちの花 p.64
- ↑ 赤羽根町史 p.399
- ↑ 伊藤智章 「電照菊」の出荷額の地図化 見えてくる産地の特徴とは? 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン、2017年7月14日
- ↑ 電照菊畑 糸満市
- ↑ 第53回日本花き生産者大会あいち記念誌 あいちの花 第53回日本花き生産者大会あいち実行委員会 平成22年
- ↑ 『あいちの地場産業』岡崎信用金庫 平成24年2月、205頁より参照
- ↑ “かりゆし58 アルバム発売記念ライブ開催!!(hotexpress music magazine)”. LINEヤフー株式会社. 2025年5月9日閲覧。
- ↑ http://www.hotexpress.co.jp/news/071015_kariyushi/[リンク切れ]
- ↑ “かりゆし58が初アルバム記念イベント(日刊スポーツ)”. 株式会社 日刊スポーツNEWS. 2025年5月9日閲覧。
参考文献
[編集]- 岡崎信用金庫 (2013), あいちの地場産業 (12 ed.) 2014年12月7日閲覧。
- 久野 重明 (1998), 施設型農業の展開-豊川用水流域の場合-愛大中産研研究報告第52号
- 第53回日本花き生産者大会あいち実行委員会 (2010), あいちの花
- 赤羽根町史編纂委員会 (1968), 赤羽根町史