雄飛 (漫画)

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雄飛
ジャンル 青年漫画
スポーツ漫画ボクシング
漫画
作者 小山ゆう
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスペリオール
レーベル ビッグコミックス
発表号 2014年8号 - 連載中
巻数 既刊12巻(2017年10月30日現在)
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雄飛』(ゆうひ)は、小山ゆうによる日本漫画小学館の『ビッグコミックスペリオール』に、2014年8号より連載中。柴田雄飛その後養子となり改名後に大垣雄飛となる人物を主人公としている。

時代は、1944年昭和19年)の満洲国での主人公が幼児の時代から話が始まるが、昭和30年代の主人公の青年の時が主に取り上げられている。

登場人物[編集]

大垣雄飛 / 柴田雄飛
主人公。出生時の名前は「柴田雄飛」であったが、「大垣の親分」の養子となり、「大垣雄飛」となる。1945年(昭和20年)8月に、ソ連軍満州侵攻の混乱の際に、母親と姉が日本人男性に絞殺される。父親は、ソ連軍の収容所で亡くなる。親戚に預けられるものの、家出して野宿生活を送り、奥野まち子の扶養を受けるが、「大垣の親分」の養子となり、高校に進学し、プロボクサーとしてデビューする。
頭脳は明晰で判断力も卓越しており、ボクサーとしてのみならず企業経営者としてのセンスにも優れ、若いながらも部下や取引先からの信頼も厚く、着実に社会的地歩を築きつつある。
実の家族のみならず育ての親でもある大垣の親分の仇として峻堂巌への復讐を誓っており、高森由美と一時の別離を余儀なくされてからは、闘争を本格化させ、合法的なあらゆる手管を駆使して峻堂の事業を突き崩し、決定的な衰退へ追い込んだ。
高校卒業をきっかけに正式な侠客として歩み始めるが、恋人の高森由美や恩人の奥野まち子を救ってくれた大恩人の水川烈を為すすべもなく暗殺されたことをきっかけに、峻堂の死に物狂いの反撃への備えを徹底するためにも、侠客としての片手間でボクサーをやる余裕は無いと密かに引退を決意し、その最後の試合相手に北原慎一を選ぶ。
大垣の親分
侠客である。息子2人が、神風特攻隊に志願し戦死する。奥野まち子が拉致された際に、現場に赴いて拉致したヤクザを叱責し、「柴田雄飛」なる少年と出会う。後に、柴田雄飛を養子とする。
後に台頭してきた峻堂巌に命を狙われ、雄飛がかたぎとして歩むことを願いつつもそれを周囲に伝える暇も無いまま暗殺されてしまう。
高森由美
雄飛の恋人でシャンソン歌手になる夢を持つ絶世の美女。
大垣の親分の仇討ちとして峻堂を殴り殺そうとしたが果たせなかった雄飛が絶望の中で出会った女性。
彼女のほうが年上だが雄飛とすぐに惹かれ合って結ばれたほど相思相愛の関係にある。
雄飛への憎悪に燃える峻堂が徹底的に嬲り者にしようと誘拐するが、怒りを爆発させた水川烈の助けで虎口を免れる。
正式に雄飛にプロポーズされるが、峻堂巌との闘いで自分が雄飛の致命的な弱点になることを懸念し、苦悩の末に置手紙を残して姿をくらます。
奥野まち子
雄飛が出会った当初、戦争で両親を亡くして売春婦として弟を育てていた芯の強く愛情深い女性。野宿生活を送っていた「柴田雄飛」が、奥野まち子の弟の奥野剛士がいじめられたのを助けたのが縁で雄飛を引き取り、家族として面倒を見る。自分に暴力を振るった男から懸命に庇ってくれた雄飛を家族同然に思っている。売春婦を辞めた後は定食屋で働き、職場の近所の寿司屋で働く青年「岡田正行」にプロポーズをされる。一回目は自身の過去に対する後ろめたさから断るも、岡田が自分の過去を承知の上で自分を必要としてくれたのを知り、彼からの二回目のプロポーズを承諾して結婚する。後に、「柴田雄飛」に彼の将来を案じる気持ちから「大垣の親分」の養子となることを勧める。
雄飛の関係者としてその高校卒業式に立会い、その成長を涙ながらに振り返り、侠客として清濁併せ呑む生き方を貫かねばならない将来に思いをはせる。
高森由美に続いて水川烈に窮地を救われたがその直後にその水川が暗殺されたことで心に深い傷を負う。
奥野剛士
まち子の弟で雄飛と同年齢。頭が弱く、姉のことでいじめられていたが、その現場に「柴田雄飛」が現れて助けられる。それが縁で雄飛と友達になり、姉のまち子の三人家族となる。手先が器用なため、中学を卒業後に左官となる。
岡田正行
ボクシングジムに通っていた寿司職人で、奥野まち子が拉致された際、大垣雄飛とともに救出に向かう。雄飛にボクシングを教えた最初の人物である。奥野まち子に想いを寄せ、彼女の過去を承知の上でプロポーズをした末に結婚する。
才能豊かな雄飛の人生が峻堂のような凶人との抗争に費やされていく状況を惜しんでいる。
橘青葉
大垣雄飛の幼馴染で、後に女優となる。敗戦のドサクサに峻堂巌が雄飛の家族を惨殺した事実を知る人物。母親の交際相手を嫌って家を出ている。
峻堂巌に目を付けられ、峻堂の屋敷で襲われる危機にあったが、大垣の親分の仇を討とうと峻堂を襲撃した雄飛によって結果的に助けられる。
後に恋人となった北原慎一に峻堂巌が凶悪極まりない犯罪者であると警告する。
峻堂巌
大垣雄飛の姉と母を絞殺した犯人(顔の傷はその時、雄飛に斬りつけられてついたものと同じ)とされる。極道として登場する。
自己の欲望と権益拡大のためなら脅迫や陵辱も行い、拷問の上、殺人さえする。関わる人間を破滅させることが多いため周辺に黒い噂が絶えず、警察関係者から大量殺人者の嫌疑を受けつつある。
大垣組関係者を拉致し、拷問にかけた時、半ば無意識の内に吐き出された言葉から大垣雄飛こそ自分にとっての不倶戴天の敵であることを知ると根深い憎悪を抱き、雄飛の恋人・高森由美に狙いを定めて誘拐するが、度重なる非道な行いに愛想をつかしていた部下の水川烈の怒りを買ってしまい、由美を逃がしてしまう。
その結果、脅しをかけようとした雄飛に徹底的な抗争を決意させるはめとなり、その畳み掛けるような策の数々によって頼みとなる人材を奪われると同時に活動拠点の廃業を強いられて、主力となる事業を切り崩されて追い詰められてしまい、決定的な報復を図るべく、側近と共に国外へ逃亡し、中国から幾人もの暗殺者を引き連れて帰国した。
北原慎一
プロボクサー。橘青葉の友人。ボクサーとしての才能にあふれ、雄飛とも親しい好青年。西洋人の父親と売春婦の母親を持つ混血児。互いに男運が悪く厄介者の母親が存在する青葉と恋人同士の関係となる。
後に自分を育ててくれたジムのオーナーが事故死したことで峻堂巌の軍門に下ることを余儀なくされるが、その峻堂がオーナーを謀殺していた事実を知るも、まだ自分に対抗する力は無いとしてプロとしての道に徹することとなる。
一度は世界タイトルをかけた試合で無念の敗北を喫するも再びボクサーとしての地歩を固めて出直しつつあり、さらに雄飛の策で有力トレーナー諸共、峻堂の支配から脱する機会を手にしたものの、自分を引退試合の相手に決めた雄飛の挑戦を受けることとなる。
水川烈
元プロボクサーで峻堂の部下。喧嘩の強さを買われてボクサーとして峻堂巌のジムからデビューするが、喧嘩とボクシングの差異からくる試合運びのまずさを克服できず挫折してしまう。
子供のころから酒と女に入り浸っていた父親のいる荒れた家庭で育った影響ですさんではいたが、輝くものを見つめ続ける心までは失っておらず、自分と同年ながら大人顔負けの活躍をする雄飛に憧憬にも似た感情を抱き、その恋人の由美に対しても犯しがたい気高さを感じていた。その一方で、ボスの峻堂巌の下劣な言動のエスカレートぶりにとうとう怒りを爆発させて由美を窮地から救い出し、そのまま大垣組の庇護下に入る。
雄飛の周囲の人々の暖かな人間関係で子供時代から負っていた心の傷を癒し、加えて雄飛の豊かな知略と決断力に満ちた策の下で働くことでその人生を大きく変えつつあったが、奥野まち子を峻堂配下の魔手から救い出した矢先に逆恨みによる凶刃に不意を突かれ、無念の死を迎える。
坂東勝太郎
元プロボクサーで峻堂のジムに所属する選手だった。東日本新人戦で、柴田雄飛からダウンを奪うものの、その後ダウンを奪われKO負けとなる。その後、運輸会社を立上げ大垣組から仕事を回してもらう。雄飛と互いに第一印象が悪かったが、互いの人柄や境遇を知ることで信頼し合うようになる。
情け深く涙もろい人物で水川烈の非業の死を身内の出来事のように悲しみ、号泣した。
大垣組の構成員の若者。大垣雄飛を弟のようにかわいがっている。腕力が強く、酔っ払うと街灯などに腕だけで上ってヒューマンフラッグを行い、背中にある孔雀の入れ墨を見せびらかす癖がある。人情家で家を出た父親と浮気相手の間に生まれた異母弟に対して学費を仕送りするといった度量の広さを持っている。異母弟はそんな義兄・実の愛情を感じて成長し、峻堂と戦う雄飛の良き協力者となる。

書誌情報[編集]

外部リンク[編集]