阪堺電気軌道1001形電車

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阪堺電気軌道1001形電車
「堺トラム」
Hankai Electic Tramway 1001.JPG
阪堺電気軌道1001形電車
基本情報
運用者 阪堺電気軌道
製造所 アルナ車両
運用開始 2013年8月25日
主要諸元
編成 3車体連接固定編成
軌間 1,435 mm
最高速度 50 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.3 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
編成定員 76人(座席27人)
編成重量 23.0 t
全長 16,300 mm
全幅 2,450 mm
全高 3,750 mm
主電動機 三相かご型誘導電動機 (85kw)×2
駆動方式 車体装架カルダン駆動方式
編成出力 170 kw
制御装置 VVVFインバータ制御
備考 全金属製
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阪堺電気軌道1001形電車(はんかいでんききどう1001がたでんしゃ)は、2013年8月25日から営業運転が開始された、阪堺電気軌道が保有する路面電車車両である。車両の愛称は「堺トラム[1]

概要[編集]

堺市による阪堺線活性化支援策の一つとして、同市と国の補助により合計3編成導入された、阪堺電気軌道では初の超低床型車両である。

第1編成の1001号車(編成呼称「茶ちゃ」[1])は2013年2月に完成した。我孫子道車庫へ搬入された後、乗務員の習熟運転や関係者対象の試乗会などを経て、2013年8月25日から我孫子道 - 浜寺駅前間で営業運転を開始した。2014年2月には第2編成の1002号車(編成呼称「紫おん」)が完成。同年3月1日のダイヤ改正において1001形が天王寺駅前への乗り入れを開始すると同時に営業運転に就いた[2]。第3編成の1003号車(編成呼称「青らん」)は2015年2月に完成。同年3月1日より営業運転に就いた。なお、本形式は阪堺電気軌道の車両(旧南海大阪軌道線時代に製造された車両も含む)としては、初めてアルナ車両で製造された。

2017年(平成29年)度グッドデザイン賞を受賞[3]

特徴[編集]

運転台
車内
  • 車内の床面は、従来のモ701形等の車両に比べて高さが極めて低く、部分的に若干の傾斜があるものの段差はほとんどない。車両の出入口と停留場との高さの差が小さいため、車いすやベビーカーで利用する場合でも乗り降りがしやすくなっている。車両は3つの車体で1つの編成を構成する連接型で、製造を担当したアルナ車両が中心となって開発されたリトルダンサーシリーズと呼ばれる超低床型電車のうちの「タイプUa」に該当する。
  • 車外のカラーデザインは、堺市が公表した4つの案の中から公募による投票により決定した。側面下部の色は、堺にゆかりのある千利休の「わび」をイメージした白茶で、先頭部と側面最上部にアクセントとしてシャンパンメタリックを、また、先頭部側面には堺の伝統産業である「堺刃物」をイメージした黒をレイアウトしている。側面上部の色は編成ごとに異なり、色などにちなんだ呼称がそれぞれに付けられている。呼称は一般公募を元に愛称選考会議を経て決定している。
    • 第1編成(1001号車)の色は緑。呼称は「茶ちゃ(ちゃちゃ)」。緑は世界文化遺産百舌鳥古墳群や、長年にわたって阪堺電車の車体に使われている緑色をイメージしている。千利休が追求した「わび」をイメージとしていることから、「茶」にちなんだ呼称とした。
    • 第2編成(1002号車)の色は紫。呼称は「紫おん(しおん)」。紫は堺市出身の歌人である与謝野晶子が好んだ色で、かつ堺市の市花として制定しているハナショウブを表現している。また「しおん」という言葉の響きに温かみがあり、誰にでも優しい低床式車両にふさわしいことから命名された[4]
    • 第3編成(1003号車)の色は青。呼称は「青らん(せいらん)」。青は浜寺の海や堺市の市旗の色であり、日本の伝統色である「青藍(せいらん)」が堺市の市旗の色に近く、「らん」という言葉が「走る」「」といった様々な意味を持っていて堺トラムのイメージに合致することから命名された[5]
  • 内装は木材を随所に使用し、和をイメージしたものに仕上げている。化粧板には木目柄・和紙柄を、照明は電球色のダウンライトを用いている。座席はロングシートとクロスシートの組み合わせとなっており、柄はかつて堺の産業であった木綿地の染物「堺更紗」をモチーフにデザインされている。窓の日よけはすだれカーテンを使用している。
  • 堺市は、公共交通のバリアフリー化等への活用を目的とした基金を設立し、一般からの寄付を募っている。2012年度から2014年度にかけて集められた寄付金は、1001形を導入するための補助の一部に充てられた。車内には、一定額以上の寄付に協力した個人、企業、団体の名前を記したプレートが取り付けられている[6]
  • 運転台背面には液晶ディスプレイが設置されており、次駅・運賃・行先・日付と共に、堺市内の阪堺線沿線の観光施設が適宜表示される。
  • 車体の先頭部と側面にはLED式の電光行先表示装置を装備している。前面は日本語とローマ字を交互に表示(営業運転では駅番号も表示。回送や試運転の場合は日本語とローマ字を併記して表示)、側面は日本語(漢字)と日本語(ひらがな)・ローマ字・駅番号を交互に表示する。
「臨時」表示を出した1003号「青らん」
  • 車体中央にある入口ドアは両開き式、進行方向前方にある出口ドアは片開き式で、どちらもスイング式プラグドアとなっている。ドア開閉時にはチャイムが鳴動し、扉開閉予告ランプが点滅する。(いずれも阪堺電軌で初採用)
  • 1001形での車内案内放送には、他形式車両にはない英語による停留場案内が追加されているが、広告は流されていない。

ただし、一部期間では試験的なのか英語放送が外され広告放送が流されていた時期も存在した。

  • 阪堺電軌では初のミュージックホーンが付けられた。

現在の運用[編集]

上町線の天王寺駅前から住吉を経て阪堺線の浜寺駅前までの間で毎日定期運行されており、1001形3編成と1101形1編成の計4編成中2編成がその運用に充てられている。定期運行は、平日は上下合わせて31便、土休日は上下合わせて34便あり、時刻は各停留所の時刻表や阪堺電気軌道のホームページで確認できる。残りの2編成は従来車両との共通運用である。

阪堺線の住吉 - 恵美須町間では運行していない。理由は、今池停留所の場内踏切からはみ出して停車する形になり危険なため。ただし、試運転という形での入線実績はあり、行先表示に「えびす町」と表示させることは可能で、毎年6月に開催される阪堺電車まつりで展示される際は来場者向けの演出で、えびす町や天神ノ森を表示させることがある。

2015年3月1日より、阪堺電気軌道ホームページでTwitterによる1001形各編成の位置情報が配信されている[7]。(当初は試験配信だったが、その後メンテナンスのうえ、2017年1月現在は本格的に運用されている)

ラッピング[編集]

堺市カプコンのゲーム「モンスターハンターシリーズコラボレーションイベントの開催に合わせて、2022年6月23日から1001号の側面に「メルゼナ」を描いたラッピング列車を運行している。[8]

過去の運用[編集]

第1編成のみで運用されていた2013年8月25日から2014年2月10日までは、浜寺駅前 - 我孫子道間を火曜日・金曜日以外で昼間時に1日5往復(月曜日は車両点検のため4往復)運転されていた。2013年11月14日に自動車との接触事故が発生し、修理のため一時運行を休止した。2014年1月1日に運用復帰し、正月三が日の住吉大社への初詣客輸送のため我孫子道 - 住吉 - 浜寺駅前間で臨時運用され、これが我孫子道以北の大阪市内区間での最初の営業運転となった[9]。その後、2014年1月6日から通常運転を再開したが[10]、2014年2月12日(火曜日は運休日のため実質2月11日)から2月28日まで車両整備等のため再度運休となっていた。[11]

前述の通り、2014年3月1日から第2編成を導入、営業運転区間を浜寺駅前 - 天王寺駅前間に拡大し、毎日運転となった[12]。2016年1月30日までは平日は上下合わせて20便、土休日は上下合わせて17便運用されていた。なお、同日で廃止された上町線の住吉 - 住吉公園間では通常ダイヤでは運行していなかった。(2015年・2016年の正月特別ダイヤのみ運転された[13])

脚注[編集]

  1. ^ a b 阪堺線低床式車両の愛称が「堺トラム」に決定しました 堺市建築都市局 交通部 交通政策課、2012年12月19日
  2. ^ 3月1日(土)にダイヤ改正を実施します (PDF) - 阪堺電気軌道株式会社 2014年2月6日
  3. ^ 1001形「堺トラム」が2017年度 グッドデザイン賞を受賞しました。 (PDF) - 阪堺電気軌道株式会社 2017年10月4日
  4. ^ 「堺トラム」2編成目のカラーリング呼称が決定しました 堺市建築都市局 交通部 交通政策課、2013年12月20日
  5. ^ 「堺トラム」3編成目のカラーリング呼称が決定しました 堺市建築都市局 交通部 交通政策課、2014年8月8日
  6. ^ 公共交通活性化促進基金堺市建築都市局 交通部 交通政策課
  7. ^ 阪堺ファン|阪堺電気軌道株式会社
  8. ^ 阪堺電車「モンハンx堺」コラボラッピング車、期間限定運行!メル・ゼナも登場 | RailLab ニュース” (日本語). レイルラボ(RailLab). 2022年7月26日閲覧。
  9. ^ “阪堺電軌で三が日の増発”. railf.jp 鉄道ニュース. 鉄道ファン (交友社). (2014年1月2日). http://railf.jp/news/2014/01/02/185000.html 
  10. ^ “「堺トラム」(茶ちゃ)の運行再開について”. 堺市建築都市局 交通部 交通政策課. (2014年1月10日). http://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/doro/toshikotsu/hankaisen/sakaitram_saikai.html 
  11. ^ 堺トラムの運行休止について (PDF) - 阪堺電気軌道株式会社 2014年2月10日
  12. ^ “堺トラム・紫おん運行開始”. 堺市建築都市局 交通部 交通政策課. (2014年2月26日). http://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/doro/toshikotsu/hankaisen/sakaitram_20140301.html 
  13. ^ “阪堺電軌で正月の増便”. railf.jp. 鉄道ファン. (2015年1月2日). http://railf.jp/news/2015/01/02/174000.html