プラグドア

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鉄道車両の側扉に採用されたスライド式プラグドアの例(JR東海371系電車)。リンク機構式は前面への使用例も多い。
バスのプラグドアの例

プラグドアとは、ドアの形式のひとつであり、通常の引き戸とちがい、締め切った状態で車体外壁と面一になるものをいう。プラグとは「」という意味である。

一般的には鉄道車両バス車両で用いられるものを指す。近年は建築用途のものも登場している。

構造[編集]

構造としては、戸袋が無くボディー外側を移動して最後に内側に沈み込む「外プラグ式」と、(船体機体を含む)ボディー内を移動して最後に外側に押し出される「内プラグ式」がある。それぞれの方式でリンク機構でドアがスウィングするものと、レールやガイドに沿ってスライドするものがある。多くの新幹線電車のように、内プラグ、かつスライド式のものは戸袋を持っているが、構造材()との干渉、見栄え、有効床面積などに問題が無ければ、これも必須ではない。

利点と欠点[編集]

利点としては、ボディー外壁と面一になるため美観にすぐれ、空気抵抗と風切り音などの騒音低減や、着雪防止に効果があることである。また、外吊り式の場合は開扉時にドアが車体外側に逃げるため戸袋が不要となり、(特にステップ付き構造で)補強を省いて軽量化でき、閉扉時の車体外寸に比して車内空間や他機器のためのスペースをやや広く取れる。路面電車の場合、特に最近製造されている超低床電車では戸袋を設けると台車などに干渉したり、構造上の弱点となるため、ヨーロッパのライトレールを中心に主流となっている。

欠点としては、作動時必ず移動してから押し出す(又は引き込む)2段動作となるため、構造が複雑で、破損や動作不良などのリスクが高いこと。そして一般的な引き戸と比べて構成部品が多いため製造および維持コストが高いことがあげられる。実際、土讃線 讃岐財田駅 - 坪尻駅間でボルトが緩んだプラグドアが時速120キロの風圧で外へ開き、トンネル面にドアが当たり、戸が約80度回転する事故があった[1]。そのため、試作車では採用されても量産車では採用されない例(新幹線1000形試作車: プラグドア → 0系: 引き戸)や、初期形で採用されても増備時に引き戸に戻されてしまった例(国鉄クモハ451・クモハ471形1次車、新幹線300系初期車: プラグドア → 後期車: 引き戸)もみられる。また、デッキが無く、乗車率が高くなる(乗客が強い力で扉を外へ押し付ける)日本の通勤電車でも採用されていない。

内側に開くもので降雨・降雪への対策がなされていないものは、開けた時に室内に水や雪が落ちることがある(開けた時にドア内側が濡れることは外開きのプラグドアに限らず、ヒンジドアスライドドアでも起こりうる)。

日本国内での採用例[編集]

鉄道車両[編集]

特記のないものは外吊り式

このほかに地下鉄車両や地下鉄へ乗り入れる車両などにおいて非常口として使用する前面貫通扉にこの方式を採用していることも多い。(東京地下鉄都営地下鉄など)

バス車両[編集]

現在、日本国内の長距離高速バスや観光バス車両においては標準的なドアである。

建築用途[編集]

自動ドア・ステンレス建材を扱う神奈川ナブコ社が、建築用のプラグドアを扱っている。[2]

関連項目[編集]