行安茂
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行安 茂(ゆきやす しげる、1931年4月 - )は、日本の倫理学者、教育哲学者。文学博士(広島大学・論文博士・1965年)(学位論文「グリーンにおける自我実現の研究」)。岡山大学名誉教授。
経歴
[編集]岡山県生まれ。1961年広島大学大学院文学研究科博士課程満期退学。1965年岡山理科大学助教授、同年2月「グリーンにおける自我実現の研究」[1]。で文学博士(広島大学)の学位を取得。1975年岡山大学教育学部助教授、1980年教授。1997年定年退官、名誉教授、くらしき作陽大学教授。2002年退職。
日本イギリス哲学会名誉会員、日本ピューリタニズム学会、日本イギリス理想主義学会会長、日本デューイ学会、比較思想学会、日本道徳教育学会、広島哲学会会員。
学風
[編集]イギリス理想主義のトーマス・ヒル・グリーン、アメリカ・プラグマティズムのジョン・デューイを研究、その思想の近代日本への影響をもテーマの一つとし、綱島梁川と河合栄治郎に焦点を当てている。
道徳教育について研究を進め、主として価値選択の道徳教育、自己実現の道徳教育を主テーマとし、さらには生命倫理の問題にも取り組んでいる。
著書
[編集]- 『グリーンの倫理学』(明玄書房) 1968年
- 『トマス・ヒル・グリーン研究 - その思想形成と哲学』(理想社) 1974年
- 『価値選択の道徳教育』(以文社) 1985年
- 『デューイ倫理学の形成と展開』(以文社) 1988年
- 『自己実現の道徳と教育』(以文社) 1993年
- 『デューイとフロム - 人間疎外の問題を中心として』(日本教育研究センター) 1993年
- 『綱島梁川 - その人と思想』(大空社) 1997年
- 『21世紀に生きる力 - その哲学と教育』(北樹出版) 1998年
- 『社会生活と心の教育の内容』(日本図書センター、「心の教育」実践大系9) 1999年
- 『生命倫理の問題と人間の生き方』(北樹出版) 2000年
- 『人間形成論入門』(北樹出版) 2002年
- 『近代日本の思想家とイギリス理想主義』(北樹出版) 2007年
- 『道徳「特別教科化」の歴史的課題 - 近代日本の修身教育の展開と戦後の道徳教育』(北樹出版) 2015年
編著
[編集]- 『H・シジウィク研究 - 現代正義論への道』(以文社) 1992年
- 『近代イギリス倫理学と宗教 - バトラーとシジウック』(晃洋書房) 1999年
- 『イギリス理想主義の展開と河合栄治郎 - 日本イギリス理想主義学会設立10周年記念論集』(世界思想社) 2014年
共編著
[編集]- 『道徳教育の探究』(虫明竌, 木原孝博共著、誠信書房) 1966年
- 『綱島梁川の生涯と思想』(虫明竌共編、早稲田大学出版部) 1981年
- 『T・H・グリーン研究』(藤原保信と責任編集、御茶の水書房、イギリス思想研究叢書) 1982年
- 『戦後道徳教育を築いた人々と21世紀の課題』(廣川正昭共編、教育出版) 2012年
参考
[編集]脚注
[編集]- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ “平成24年春の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 20 (2012年4月29日). 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月2日閲覧。