花婿失踪事件

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花婿失踪事件
著者 コナン・ドイル
発表年 1891年
出典 シャーロック・ホームズの冒険
依頼者 メアリー・サザーランド
発生年 不明
事件 ホズマー・エンジェル氏失踪事件
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花婿失踪事件」(はなむこしっそうじけん、A Case Of Identity)は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち3番目に発表された作品である。『ストランド・マガジン』1891年9月号初出。1892年発行の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』(The Adventures of Sherlock Holmes) に収録された[1]

あらすじ[編集]

シャーロック・ホームズは、久しぶりに会ったワトスンと話しながら、手掛けている事件はどれも面白くないものだと愚痴をこぼしていた[2]。そこへ依頼人メアリー・サザーランドが訪れる。

彼女はホズマー・エンジェルという男と知り合い、間もなく婚約した。だがその結婚式の朝、エンジェルは何か良くない事が起こりそうだという様子を見せる。別々の馬車で教会に到着し、サザーランド嬢と母親はエンジェルが馬車から出てくるのを待つが、彼は一向に出てこない。御者が降りて中の様子を見ると、そこにエンジェルの姿はなく、忽然と失踪してしまったのだった。

執筆と発表の順番[編集]

ドイルの原稿や書簡の調査などから、短編で3番目に発表された「花婿失踪事件」は2番目の「赤毛組合」より先に書かれたことが判明している。発表順が前後したのは、ドイルの著作権代理人A・P・ワットから『ストランド・マガジン』編集部へこの2編が同時に送られたため、編集部が順番を取り違えて「花婿失踪事件」を後に掲載してしまったのだと考えられている。「赤毛組合」の冒頭で「花婿失踪事件」について触れる場面があり、そこで「花婿失踪事件」が発表済みのような言い回しになっているのは、これが原因である[3]

脚注[編集]

  1. ^ ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、263頁
  2. ^ この台詞はのちに、ジェームズ・モリアーティを倒した後に引き受ける事件『ノーウッドの建築業者』の中でも飛び出す。
  3. ^ コナン・ドイル著、リチャード・ランセリン・グリーン注・解説『シャーロック・ホームズ全集 第3巻 シャーロック・ホームズの冒険』小林司・東山あかね、高田寛訳、河出書房新社、1998年、507頁・671-672頁

外部リンク[編集]