肘折希望大橋

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肘折希望大橋
Hijiori Nozomi Ohashi Bridge.jpg
基本情報
日本の旗 日本
所在地 山形県 最上郡大蔵村
着工 2012年8月
開通 2012年12月31日(仮開通)
2013年11月30日(本開通)
座標 北緯38度36分37.7秒 東経140度10分14.5秒 / 北緯38.610472度 東経140.170694度 / 38.610472; 140.170694
構造諸元
形式 鋼製ラーメン桟道橋
全長 240m
6~8.25m
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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肘折希望大橋の位置(山形県内)
肘折希望大橋
肘折希望大橋の位置(山形県)

肘折希望大橋(ひじおりのぞみおおはし)は山形県最上郡大蔵村山形県道57号戸沢大蔵線上にある肘折温泉国道458号を繋ぐ橋(鋼製ラーメン構造桟道橋)。ループ状の2階建てのような形をしており、国道458号からS字カーブを描きながら温泉街へと下っていく[1]2012年4月10日の地滑りによる道路崩落に伴い急きょ建設された。

橋の長さは約240m。これは鋼製ラーメン桟道橋としては日本最長である[2][3]

歴史[編集]

2012年4月と5月に大蔵村で土砂崩れが計8回発生[4]。その規模は拡大し、土砂と雪が肘折温泉近くの銅山川に流れ込み、温泉街が水没する危険が生じるまでになった[1]。肘折地区の自治会では急きょ臨時のFM局を開設、水位情報や除雪情報などを発信し続けた[1]

その後融雪期を越え、温泉街はようやく落ち着きを取り戻したが、地滑りの影響により温泉街と村の中心部を結ぶ県道の一部が通行不能に[5]。迂回路となった道は道幅が狭く、バスを含む大型車の乗り入れが出来ない[4][6]。また同地域は日本有数の豪雪地帯であるため、迂回路も冬は通行止めとなる[7]。おりしも東日本大震災や豪雪の影響で客足が落ち込んでいた温泉街にとって、この道路崩落は大きな打撃となっていた[1][6]

そのため、地元の強い要望で、県道57号上の土砂崩れの部分を避けた場所に新たな橋を急きょ建設することとなった[4][5]。ただし迂回路は冬季通行止めになるため、降雪前の完成が求められていた[7]。そのため橋は2012年8月に建設が始まり、24時間体制で工事が進められ[1]、同年12月31日に仮開通[注釈 1]。このままでは資材の耐用年数が短いことから、迂回路が確保出来た2013年5月7日に一旦通行止めにして本設工事を開始し[9]、同年11月30日に本開通となった[1][2]

橋の名前は大蔵村の募集により採用された「肘折希望橋」に、吉村美栄子山形県知事が「大」の字を加えて「肘折希望大橋」となった[8]。橋の完成により、大蔵村中心部から温泉街への所要時間が10~15分短縮され、温泉施設の利用客も増加したという[10]

構造[編集]

工法[編集]

肘折希望大橋はメタルロード工法と呼ばれる工法が採用されている。これは中山間部の急斜面の道路拡張工事などに適しているとされる工法で、短尺で軽量なプレハブ部材で構成され、山間部の狭小で複雑な地形にも対応出来る[7]

肘折希望大橋では鋼管杭を119本地中に打ち込み、鋼管杭に直接桁を架設し、コンクリート製の床板を設置して道路を構築している[2]

橋名板[編集]

橋名板は4ヵ所に設置されている[4]。漢字の橋名板の文字は吉村県知事の直筆によるもので、屋外では世界初とされる有機EL照明を使用している[3]。反対側にある平仮名の橋名板の文字は地元の小・中学生が一文字ずつ筆書きした[2][3]

欄干[編集]

橋の欄干は朱色になっている。これは吹雪や濃霧でも視認性が高いことや、出羽三山に通じる祈りの道でもあるため、魔除けの色として採用している[2][4]

注釈[編集]

  1. ^ 県は当初、1月4日にずれ込むという見通しを発表していたが、その後の工事が進んだことから年内の開通となった[8]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f 「社説=「肘折希望大橋」が開通 観光と安全の“懸け橋”」.『山形新聞』.2013年12月2日付朝刊、6面。
  2. ^ a b c d e 「希望の架け橋、ラーメン構造 肘折温泉への高架橋、供用開始 /山形県」.『朝日新聞(山形)』.2013年12月1日付朝刊、31面。
  3. ^ a b c 日本一の鋼製ラーメン桟道橋「肘折希望大橋」 大蔵村ホームページ. (2014年1月29日) 2018年9月20日閲覧。
  4. ^ a b c d e 「肘折希望大橋:30日開通 世界初、屋外有機EL使用--大蔵 /山形」.『毎日新聞(山形)』.2013年11月14日付朝刊、27面。
  5. ^ a b 「[わがまち 空から] 肘折希望大橋 冬場も安全に温泉街へ=山形」.『読売新聞(山形)』.2016年12月28日付朝刊、25面。
  6. ^ a b 「肘折温泉、続く試練 大蔵・地滑りから1年、仮設橋開通後も客足戻らず /山形県」.『朝日新聞(山形)』.2013年4月10日付朝刊、29面。
  7. ^ a b c 「JFEシビル 山形の桟道橋 鋼製杭式道路工法「メタルロード」 最大長の適用案件竣工 急斜面施工で強み」.『鉄鋼新聞』.2013年12月18日付朝刊、2面。
  8. ^ a b 「大蔵の高架橋が開通 名称は「肘折希望大橋」に /山形県」.『朝日新聞(山形)』.2013年1月1日付朝刊、27面。
  9. ^ 「大蔵「肘折希望大橋」 本工事で通行止め 11月末に再開通=山形」.『読売新聞(山形南)』.2013年5月8日付朝刊、29面。
  10. ^ 「「肘折大橋」 開通効果 周辺施設利用2倍に=山形」.『読売新聞(山形南)』.2013年12月8日付朝刊、29面。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]