監査基準

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監査基準は、財務諸表監査を行う際に、公認会計士たる会計監査人が遵守することを求められている基準である。

概要[編集]

監査基準は、監査の実務慣行のなかから一般に公正妥当と認められたものを帰納・要約した原則である。職業的監査人は、法令による強制の有無にかかわらず、監査基準に従って監査をすることを求められている。企業会計審議会によって定められている。

この監査基準によって監査の証明水準が一定に保たれることにより、監査報告書の利用者は財務諸表を意思決定情報として活用することが可能となる。また、監査基準の存在によって監査の責任の限界が画されることで、会計監査人は監査に対して過大な責任を負うことを防ぐことができる。

監査基準はあくまで原則を示すものである。そのため、より実務的・具体的な内容は監査基準委員会報告書をはじめとする日本公認会計士協会の策定した監査実務指針を参照する必要がある。また、監査基準と一体となって適用される「監査における品質管理基準」が独立して存在するとともに、関連する基準として以下が存在する。

監査基準は、「監査の目的」、「一般基準」、「実施基準」、「報告基準」に区分されている。

監査の目的[編集]

財務諸表の作成責任はあくまで経営者にあり、財務諸表に対する意見を独立した立場から表明する責任のみを会計監査人が負うという「二重責任の原則」が定められている。

一般基準 [編集]

以下のことが規定されている。

  • 監査人は職業的専門家として専門能力の向上と知識の蓄積を行うべきであること。
  • 公正不偏の態度を保持し、精神的独立性と外観的独立性を維持するべきであること。
  • 正当な注意を払い、職業的懐疑心を保持するべきであること。
  • 不正や違法行為の影響を考慮するべきであること。
  • 監査調書を記録・保存するべきであること。
  • 品質管理の方針と手続を定め、それに則るべきであること。
  • 守秘義務の必要性。

実施基準[編集]

リスク・アプローチによる監査の手法や試査などについて規定されている。

報告基準[編集]

監査報告書の種類や性質について規定されている。

歴史[編集]

昭和31年に設定されて以来、十数回にわたって改訂されている。

平成3年12月26日の改訂[編集]

実施基準が国際監査基準を参考に全面的に改訂され、財務諸表監査にリスク・アプローチと呼ばれる監査手法が導入された。このリスク・アプローチは、その結果、監査人の判断過程をより論理的に説明することが可能となったと言われる。

平成17年10月28日の改訂[編集]

事業上のリスク等を重視したリスク・アプローチが導入された。

平成26年2月18日の改訂[編集]

一般目的の財務諸表の監査に加えて、特別目的の財務諸表に対する監査が行われることが明確化された。また、それに合わせて、適正性に関する意見の表明だけでなく、準拠性に関する意見の表明が可能となった。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 日本公認会計士協会編『監査実務指針集 改訂版』日本公認会計士協会出版局、2013年
  • 盛田良久蟹江章長吉眞一編著『スタンダードテキスト監査論 第3版』中央経済社、2013年
  • 南成人中里拓哉高橋和則『財務諸表監査の実務 クラリティ版対応』中央経済社、2015年

外部リンク[編集]

監査基準目次(2016年1月30日閲覧)