コンテンツにスキップ

白井権八 (橋幸夫の曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「白井権八」
橋幸夫シングル
初出アルバム『橋幸夫ステレオハイライト第2集(SJV-8)』
B面 葵若衆
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル ビクター(VS-1182)
作詞・作曲 佐伯孝夫(作詞)
吉田正(作・編曲)
橋幸夫 シングル 年表
赤いブラウス
(1964年1月15日)
白井権八
(1961年)
あゝ特別攻撃隊
(1964年2月25日)
テンプレートを表示

『白井権八』(しらいごんぱち)は、1964年2月5日に ビクターより発売された橋幸夫の48枚目のシングルである(VS-1182)[1]

概要

[編集]
  • 股旅物でない橋の時代歌謡で、作詞は佐伯孝夫、作曲は吉田正による楽曲である。
  • ジャーナリスト出身の佐伯は古文・古典についても素養が深く、時代劇や時代物の作詞も得意とし[2]、以前に吉田正の作曲で、三浦洸一『弁天小僧』(1955年)でヒットさせ、前年の63年に橋の歌唱で『お嬢吉三』をヒットさせている。前者は歌舞伎の「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」通称「白浪五人男」)を素材とし、後者は同じく歌舞伎の「三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい)」からとられている。
  • 『お嬢吉三』のヒットで歌舞伎ものの続編が制作されることとなり、歌舞伎狂言の「浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)」の白井権八をとりあげ、本楽曲が制作された。
  • お嬢吉三が女装の盗賊、白井権八は辻切り浪人だが、佐伯・吉田は大時代的な感じを取り去って、さらりと、現代風に、ややコミックな感じに作りあげ」[3]、軽快なメロディーに乗せている。
  • 楽曲は、男伊達で鳴らした白井権八とおいらん小紫との恋、そしてそしてその最後(比翼塚)を描いており、幡随院長兵衛が「お若えの、お待ちなせえやし」と問い、「待てとお止めなされしは、拙者がことでござるかな」と応える有名な台詞がそのまま生かされている。
  • 64年のゴールデウィークには、橋は恒例の日劇橋幸夫ショーでは、舞台に豪華な紅格子の吉原青楼門前が再現され、かむろ二人に手を取られて若衆姿の橋が登場し、歌舞伎仕立てでこの楽曲を歌唱している[4]
  • c/wの『葵若衆』も佐伯、吉田の作品で、松平長七郎をとりあげている。

収録曲

[編集]
  1. 白井権八
    作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正
  2. 葵若衆
    作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正

収録アルバム

[編集]
  • 初期のLP盤のアルバムに収録されている
  • CD-BOXでの収録は以下のとおり。
    • 『橋幸夫大全集』1993/9 Disc3
    • 『橋幸夫のすべて』2011/2 Disc3

出典

[編集]
  1. ^ 「シングルレコード・ディスコグラフィティ」橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』ISBN 4-948735-16-7 ワイズ出版(東京)1993/6 168-209頁参照
  2. ^ 金子勇『吉田正 誰よりも君を愛す』ISBN 978-4-623-05623-1 ミネルヴァ書房(京都) 2010/1 136-140,292頁
  3. ^ 『ミュージックブック・橋幸夫傑作集~時代物篇~』(MBK3111)日本ビクター出版 1964年9月刊行 8頁
  4. ^ 『ミュージックブックあゝ特別攻撃隊橋幸夫傑作集~時代物篇~』(MBK3104)日本ビクター出版 1964年6月刊行 12-13頁