生物音響学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

生物音響学(英:Bioacoustics、独:Bioakustik)とは、(ヒト以外の動物の出す)音に関する研究であり、生物学と音響物理学との合体によって誕生した学問である。

生物音響学の研究対象としては、動物間における音や振動による意思の伝達、発音の仕組み、耳・聴覚器官の機能と形態、水中・空中における音の伝達、音波を用いた追跡、コウモリやイルカの反響定位、人工あるいは自然環境の音による動物への影響等が、挙げられる。上記の通り、生物音響学は高度に学際的な学科である。

1940年代後半から1950年代は、生物音響学の黎明期である。当学問の発展に寄与した人物としては、オーストリア=ハンガリー帝国(現スロヴェニア)出身の生物学者であるイワン・レーゲン(1868~1947)や、ドイツ出身の生物学者であるアルブレヒト・ファーバー(1903~1986)等が挙げられる。

参照[編集]

学会・団体[編集]

海洋音響学会

生物音響学会

日本音響学会

日本昆虫科学連合

日本サウンドスケープ協会

日本動物学会

日本動物行動学会

日本動物心理学会

図書[編集]

赤松友成著『イルカはなぜ鳴くのか』(文一総合出版、1996年)

海洋音響学会編『海洋音響の基礎と応用』(成山堂書店、2004年)

宮武頼夫編著『環境Eco選書 5 昆虫の発音によるコミュニケーション』(北隆館、2011年)

バーニー・クラウス著『野生のオーケストラが聞こえる ―サウンドスケープ生態学と音楽の起源』(伊達淳訳、みすず書房、2013年)

日本音響学会編、赤松友成、木村里子市川光太郎共著『音響サイエンスシリーズ 20 水中生物音響学 ―声で探る行動と生態―』(コロナ社、2019年)

高梨琢磨土原和子文、福井利佐絵『むしたちの おとの せかい』(福音館書店、2019年)

生物音響学会編『生き物と音の事典』(朝倉書店、2019年)

R・マリー・シェーファー著『新装版 世界の調律 ―サウンドスケープとは何か』(鳥越けい子ほか訳、平凡社、2022年)