王宋

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王 宋(おう そう)は、女流詩人・劉勲妻王氏[1]

出身地・生没年はいずれも不詳ながら、後漢献帝の時代に実在した女性である[1]

概要[編集]

正史の『三国志』『後漢書』『晋書』にその名はみえないが、六朝時代の詩集『玉台新詠』に詩作が現存し、あわせて本人の履歴が紹介されている[1]

王宋の夫・劉勲袁術曹操に仕えた将軍で、その赴任にしたがい王宋もまた各地を巡ることになった。その夫婦仲は良好で、20数年間の共同生活のなかでは女(むすめ)をもうけている[2]。しかし男子には恵まれず、後継ぎを欲する劉勲がむりやり離縁をせまりひとり身となる。

建安文人のひとりとして、曹操の本拠地・で活動していたとおもわれ、不遇の日々をおくるなかで曹植(子建)が慰めの詩を贈ったことがあるという[3][4]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 六朝(梁・陳)徐陵撰『玉台新詠』巻2 劉勲妻王氏雑詩二首
  2. ^ 『三国志』魏書華佗伝
  3. ^ 現行の『曹子建集』には未収録
  4. ^ ロク欽立輯校『先秦漢魏晋南北朝詩』より取材