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'''塩化チオニル'''(えんかチオニル、thionyl chloride)とは、[[亜硫酸]]の[[酸塩化物]]に相当する[[無機化合物]]で、化学式 SOCl<sub>2</sub>、分子量 118.97、融点 -104.5 ℃、沸点 76 ℃、比重 1.65 g/cm<sup>3</sup> の淡黄色透明の液体であり、発煙性や刺激臭を有する。[[CAS登録番号]]は [7719-09-7]。'''塩化スルフィニル''' (sulfinyl chloride) とも呼ばれる。 |
'''塩化チオニル'''(えんかチオニル、thionyl chloride)とは、[[亜硫酸]]の[[酸塩化物]]に相当する[[無機化合物]]で、化学式 SOCl<sub>2</sub>、分子量 118.97、融点 -104.5 ℃、沸点 76 ℃、比重 1.65 g/cm<sup>3</sup> の淡黄色透明の液体であり、発煙性や刺激臭を有する。[[CAS登録番号]]は [7719-09-7]。'''塩化スルフィニル''' (sulfinyl chloride) とも呼ばれる。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている<ref>[http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_docframe2.cgi?MODE=hourei&DMODE=SEARCH&SMODE=NORMAL&KEYWORD=%93%c5%95%a8%8b%79%82%d1%8c%80%95%a8%8e%77%92%e8%97%df&EFSNO=741&FILE=FIRST&POS=0&HITSU=16 毒物及び劇物指定令 昭和四十年一月四日 政令第二号 第二条 十七の二]</ref>。 |
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工業的には[[二塩化硫黄]] SCl<sub>2</sub> を[[三酸化硫黄]] SO<sub>3</sub>で酸化して製造される。 |
工業的には[[二塩化硫黄]] SCl<sub>2</sub> を[[三酸化硫黄]] SO<sub>3</sub>で酸化して製造される。 |
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==脚注== |
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== 関連項目 == |
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2015年10月28日 (水) 11:47時点における版
塩化チオニル | |
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別称 塩化スルフィニル | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7719-09-7 |
EC番号 | 231-748-8 |
国連/北米番号 | 1836 |
RTECS番号 | XM5150000 |
特性 | |
化学式 | SOCl2 |
モル質量 | 118.97 g/mol |
外観 | 淡黄色液体 |
密度 | 1.638 g ml−1、液体 |
融点 |
−104.5 |
沸点 |
76 |
水への溶解度 | 加水分解 |
粘度 | 0.6 cP |
構造 | |
分子の形 | 三角錐形 |
双極子モーメント | 1.4 D |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS |
EU分類 | 腐食性 (C) |
EU Index | 016-015-00-0 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R14, R20/22, R29, R35 |
Sフレーズ | (S1/2), S26, S36/37/39, S45 |
関連する物質 | |
関連するハロゲン化チオニル | フッ化チオニル 臭化チオニル |
関連物質 | 塩化スルフリル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
塩化チオニル(えんかチオニル、thionyl chloride)とは、亜硫酸の酸塩化物に相当する無機化合物で、化学式 SOCl2、分子量 118.97、融点 -104.5 ℃、沸点 76 ℃、比重 1.65 g/cm3 の淡黄色透明の液体であり、発煙性や刺激臭を有する。CAS登録番号は [7719-09-7]。塩化スルフィニル (sulfinyl chloride) とも呼ばれる。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[1]。
性質
塩化チオニルは、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素には溶ける。水に対しては激しく発熱しながら反応し、二酸化硫黄 SO2 と塩化水素 HCl になる。また無水の金属ハロゲン化物を作る際の脱水剤やカルボン酸およびアルコールの塩素化によく用いられる。
特に他のハロゲン化剤と異なり、反応後の生成物が HCl や SO2 などガスであることと、塩化チオニル自身が低沸点であることから反応系外に除去することが容易である。それゆえ実験室におけるヒドロキシ基の塩素化に好んで用いられる。
また、塩化チオニルによるアルコールの塩素化は、他の塩素化剤とは異なり反応機構はSN1反応でもSN2反応でも進行しないことが知られており、ワルデン反転せずに立体保持で反応が進行する。その際の反応機構として四員環遷移状態が提唱されている。
このような分子内置換反応の機構は、SNi機構と呼ばれる。
製法
塩化チオニルは二酸化硫黄 SO2 と五塩化リン PCl5 と反応させ、副生する塩化ホスホリル POCl3 と分留すると得られる。
工業的には二塩化硫黄 SCl2 を三酸化硫黄 SO3で酸化して製造される。