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== あらすじ ==
== あらすじ ==
<!--世界各国で怪事件が続発。ナタール星人と[[地球防衛軍]]が宇宙を舞台に激戦を展開するが……。-->
<!--世界各国で怪事件が続発。ナタール星人と[[地球防衛軍]]が宇宙を舞台に激戦を展開するが……。-->
 [[1965年]]、宇宙ステーションJSS3が謎の円盤群に襲撃され、反撃するも及ばず宇宙の塵と化す。さらに世界中で、鉄橋や汽船が空中に舞い上がるといった怪事件が続発。[[東京]]郊外の国連宇宙科学センターで国際会議が開催されたが、会議のメンバーであるアーメット教授は既に「ナタール」と名乗る存在に洗脳されていた。
[[1965年]]、宇宙ステーションJSS3が謎の円盤群に襲撃され、反撃するも及ばず宇宙の塵と化す。さらに世界中で、鉄橋や汽船が空中に舞い上がるといった怪事件が続発。[[東京]]郊外の国連宇宙科学センターで国際会議が開催されたが、会議のメンバーであるアーメット教授は既に「ナタール」と名乗る存在に洗脳されていた。


 調査の結果、ナタールは既に月面に潜伏していることが判明。安達博士、リチャードソン博士、勝宮、白石、岩村を始めとする16名の科学者の調査隊が、宇宙探査艇[[東宝特撮映画の登場兵器#スピップ号|スピップ1号]]および2号で、月に赴く。月面で、ナタールの前線基地を発見し、警告を受けるが、[[東宝特撮映画の登場兵器#月面探検車|月面探検車]]の熱線砲とビーム兵器により、前線基地を破壊することに成功する。だがナタールに洗脳支配されていた岩村により、スピップ1号は爆破された。ナタールの前線基地が破壊されたことで洗脳が解けた岩村の決死の援護により、調査隊はナタールの反撃をかわし、辛うじて残るスピップ2号で月面を脱出する。
調査の結果、ナタールは既に月面に潜伏していることが判明。安達博士、リチャードソン博士、勝宮、白石、岩村を始めとする16名の科学者の調査隊が、宇宙探査艇[[東宝特撮映画の登場兵器#スピップ号|スピップ1号]]および2号で、月に赴く。月面で、ナタールの前線基地を発見し、警告を受けるが、[[東宝特撮映画の登場兵器#月面探検車|月面探検車]]の熱線砲とビーム兵器により、前線基地を破壊することに成功する。だがナタールに洗脳支配されていた岩村により、スピップ1号は爆破された。ナタールの前線基地が破壊されたことで洗脳が解けた岩村の決死の援護により、調査隊はナタールの反撃をかわし、辛うじて残るスピップ2号で月面を脱出する。


 ナタールの総攻撃は時間の問題という認識が世界中で高まる中、熱線兵器を搭載した[[東宝特撮映画の登場兵器#宇宙戦闘機|宇宙戦闘機]]と地対空熱戦砲が量産され、対ナタール戦の準備が進められる。そして遂にナタールの円盤群が地球を襲来、決戦の火ぶたは切られた。
ナタールの総攻撃は時間の問題という認識が世界中で高まる中、熱線兵器を搭載した[[東宝特撮映画の登場兵器#宇宙戦闘機|宇宙戦闘機]]と地対空熱戦砲が量産され、対ナタール戦の準備が進められる。そして遂にナタールの円盤群が地球を襲来、決戦の火ぶたは切られた。


== ナタール人 ==
== ナタール人 ==
 無重力攻撃を得意とする侵略宇宙人。[[宇宙服]]を着込んでいてその素顔は不明。インプラントらしきものをこめかみに埋め込み特定の人物を操ることができる。主な戦力は円盤戦闘機(重力を無効化する冷却線と光線を発射)と宇宙魚雷([[隕石]]型で[[マンハッタン]]や[[ゴールデンゲートブリッジ]]を一発で破壊)。地球侵略の前線基地が月の裏側にある。
無重力攻撃を得意とする侵略宇宙人。[[宇宙服]]を着込んでいてその素顔は不明。インプラントらしきものをこめかみに埋め込み特定の人物を操ることができる。主な戦力は円盤戦闘機(重力を無効化する冷却線と光線を発射)と宇宙魚雷([[隕石]]型で[[マンハッタン]]や[[ゴールデンゲートブリッジ]]を一発で破壊)。地球侵略の前線基地が月の裏側にある。


== スタッフ ==
== スタッフ ==
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*重力の少ない月面でのふわふわとした歩行演技は、[[土屋嘉男]]の発案によるもの。共演者達は半信半疑で、抵抗するものもあったが、土屋はのちにアポロ宇宙船の月面着陸の中継映像を見て、我が意を得たりの思いだった。
*重力の少ない月面でのふわふわとした歩行演技は、[[土屋嘉男]]の発案によるもの。共演者達は半信半疑で、抵抗するものもあったが、土屋はのちにアポロ宇宙船の月面着陸の中継映像を見て、我が意を得たりの思いだった。
*劇中後半の冷却線による東京攻撃のシーンは、市街地のセットを逆さまにした上で、高圧空気を吹き出すことで市街地の浮上を表現している(同様の表現法は『[[世界大戦争]]』でも見られる)。
*劇中後半の冷却線による東京攻撃のシーンは、市街地のセットを逆さまにした上で、高圧空気を吹き出すことで市街地の浮上を表現している(同様の表現法は『[[世界大戦争]]』でも見られる)。



== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2008年3月1日 (土) 07:21時点における版

宇宙大戦争』(うちゅうだいせんそう)は、1959年に公開された東宝制作の特撮映画

あらすじ

1965年、宇宙ステーションJSS3が謎の円盤群に襲撃され、反撃するも及ばず宇宙の塵と化す。さらに世界中で、鉄橋や汽船が空中に舞い上がるといった怪事件が続発。東京郊外の国連宇宙科学センターで国際会議が開催されたが、会議のメンバーであるアーメット教授は既に「ナタール」と名乗る存在に洗脳されていた。

調査の結果、ナタールは既に月面に潜伏していることが判明。安達博士、リチャードソン博士、勝宮、白石、岩村を始めとする16名の科学者の調査隊が、宇宙探査艇スピップ1号および2号で、月に赴く。月面で、ナタールの前線基地を発見し、警告を受けるが、月面探検車の熱線砲とビーム兵器により、前線基地を破壊することに成功する。だがナタールに洗脳支配されていた岩村により、スピップ1号は爆破された。ナタールの前線基地が破壊されたことで洗脳が解けた岩村の決死の援護により、調査隊はナタールの反撃をかわし、辛うじて残るスピップ2号で月面を脱出する。

ナタールの総攻撃は時間の問題という認識が世界中で高まる中、熱線兵器を搭載した宇宙戦闘機と地対空熱戦砲が量産され、対ナタール戦の準備が進められる。そして遂にナタールの円盤群が地球を襲来、決戦の火ぶたは切られた。

ナタール人

無重力攻撃を得意とする侵略宇宙人。宇宙服を着込んでいてその素顔は不明。インプラントらしきものをこめかみに埋め込み特定の人物を操ることができる。主な戦力は円盤戦闘機(重力を無効化する冷却線と光線を発射)と宇宙魚雷(隕石型でマンハッタンゴールデンゲートブリッジを一発で破壊)。地球侵略の前線基地が月の裏側にある。

スタッフ

出演

解説

  • 本作の科学考証の基礎となっている「重力の本質は核振動であり、物質が絶対零度に近づく程、核振動が微細なものとなる。従って、絶対零度近くにまで冷やされた物体は無重量状態となる」という理論は、映画製作当時、発表されていた理論に端を発している。一見もっともらしく見えても、当時でも検証は難しくないため、単に映画の科学性を高めるだけの目的で、一見説得力のありそうな理論を緩用したと思われる。
  • 月面探査が進んでいない時期に製作されたため、「月面の一部に希薄な大気が存在する」という当時の学説のひとつを援用し、月面車がホバークラフト効果で高速移動する場面がある。
  • 重力の少ない月面でのふわふわとした歩行演技は、土屋嘉男の発案によるもの。共演者達は半信半疑で、抵抗するものもあったが、土屋はのちにアポロ宇宙船の月面着陸の中継映像を見て、我が意を得たりの思いだった。
  • 劇中後半の冷却線による東京攻撃のシーンは、市街地のセットを逆さまにした上で、高圧空気を吹き出すことで市街地の浮上を表現している(同様の表現法は『世界大戦争』でも見られる)。

関連項目

  • 映画『地球防衛軍』-本作の姉妹篇にあたり、安達博士・白石・リチャードソン博士・インメルマン博士が本作に再登場している(ただしインメルマン博士以外の人物を演じたのは別の俳優)。
  • 映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』 - タイトルの由来はこの作品にあると言われている。