海上保険

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海上保険(かいじょうほけん)は、貨物保険船舶保険を併せた概念であり、主に海上危険による損害を担保する保険である。

賠償責任所有権などが被保険利益となるため、対象には荷主、オペレーター、船主、用船社、銀行などがあたる。 国によって、海上危険の概念が異なるため、港湾局を対象とした保険も含むことがある。 近年、サプライチェーン・マネジメント (SCM) 等の考えが普及し、物流全体の保険商品が登場し、必ずしも海上危険のみをカバーするものでなくなっている。

概要[編集]

海上保険は、貿易や海運という国際的な企業活動に利用される保険である。海上保険を規律する法理は国によらず共通である。その法理は英国法を中心としており、1906年海上保険法が不文法の適用を予測する目安として用いられている。これは2015年に修正され、2016年から施行される。同法の利便性に加え、貿易・海運は途上国が割り込みにくい事実上の寡占状態にあるということが、英国法の海における権威を磐石にしている。

日本の海上保険でも、国際的な海運に関わるものはイギリスと変わらない約款が運用に利用されている。保険者の責任については、英国法を準拠法とする旨が定められている。

日本は貨物保険、船舶保険のいずれのマーケットでも重要な地位を占める。大手の損害保険会社の社名でも「東京海上日動火災保険」「三井住友海上火災保険」のように「海上」の名を冠している所がある。 船舶保険においては世界第2位のマーケットである。

日本の船舶保険[編集]

1996年施行の50年ぶりで改正された保険業法は、船舶保険に対する規制のあり方を様変わりさせた。改正前は、日本籍船舶の海外直接付保は認められていなかった。また1962年以降、これらの船舶の保険を引受ける日本の保険会社の共同行為が、船舶保険料率に関する共同行為までふくめて全面的に独占禁止法の適用除外として認められていた。この間毎年日本船主協会と、損害保険会社20社が1963年に設立した日本船舶保険連盟が、団体交渉で保険料率の大枠を決めていた。

保険業法の改正が成り、独禁法適用除外が廃止された。施行直後から日本郵船をはじめとする大手海運会社が海外直接付保へ動き出したので、日本船舶保険連盟は1997年3月いっぱいで解散された。4月から船舶保険の契約交渉は、各海運会社と保険会社の間で個別に行うこととなった。日本の損保業界は当局の認可を得て日本船舶保険再保険プールを設立した。